コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

くちづけ (宅間孝行)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『くちづけ』
作者 宅間孝行
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 戯曲
初出情報
初出 舞台公演
刊本情報
収録 『純愛戯曲集』
出版元 幻冬舎
出版年月日 2012年9月27日
初演情報
場所 シアターサンモール
初演公開日 2010年7月7日
劇団 東京セレソンデラックス
ポータル 文学 ポータル 舞台芸術
テンプレートを表示

くちづけ』は、宅間孝行による戯曲。宅間主宰の劇団「東京セレソンデラックス」10周年記念第2弾作品として宅間演出により2010年7月に初演[1]幻冬舎より2012年9月27日刊行の『純愛戯曲集』に収録された。知的障害者グループホームを舞台に繰り広げられる仲間たちの温かな交流と父娘の愛を描いたヒューマンドラマ[2]

2013年には宅間自身により小説化されたほか、堤幸彦監督、貫地谷しほり主演で映画化されている。

概要

[編集]

演劇集団 円金田明夫NHK連続テレビ小説つばさ』で共演した宅間が、「テンション高く振り切った感情をごく自然に表現できる実力の持ち主」であり「これほど関心を寄せ尊敬する俳優はなかなか出逢えない」として金田に猛アプローチし、『流れ星』を観劇した金田は宅間の誘いを二つ返事で了承して本作の企画がスタート。2001年の脚本執筆開始からがむしゃらに作り続けた「お客様が喜んでくれるもの」から一旦立ち止まり、あらためて「自分自身の琴線に触れるものってなんだろう」と考え直した時にふと思い浮かんだ10年以上前に新聞の片隅で見つけた小さな事件記事をモチーフに、宅間が学生時代を過ごした埼玉県本庄市を舞台にして執筆された[3][4]

金田の18年ぶりの客演[4]による2010年の東京セレソンデラックスによる初演は「舞台史上一番泣ける」との話題を呼び、小劇場公演ながら2万4000人の観客動員を記録した[2]

あらすじ

[編集]

登場人物

[編集]

上演

[編集]

劇団「東京セレソンデラックス」の10周年記念作品として2010年7月から10月に初演[1]。宅間主宰の演劇プロジェクト「TAKUMA FESTIVAL JAPAN(タクフェス)」により第3弾公演として2015年10月から12月に[5][6]、また第8弾公演として2020年10月から11月に再演予定[7][8]

初演(2010年)

[編集]
日程
キャスト

タクフェス第3弾公演(2015年)

[編集]
日程
キャスト

タクフェス第8弾公演(2020年)

[編集]
日程
  • 10月16日:埼玉・飯能市市民会館(プレビュー公演)
  • 10月23日 - 25日:愛知・刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
  • 10月29日 - 11月8日:東京・サンシャイン劇場
  • 11月25日 - 29日:大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
キャスト

書誌情報

[編集]

関連商品

[編集]
DVD

小説

[編集]
くちづけ
著者 宅間孝行
発行日 2013年4月26日
発行元 幻冬舎
ジャンル 長編小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六版上製本
ページ数 318
公式サイト www.gentosha.co.jp
コード ISBN 978-4-344-02375-8
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

宅間によりノベライズされ、2013年4月26日幻冬舎より出版されている。

発行元である幻冬舎によれば、小説作品が映画や舞台化されることは珍しくないが、逆に舞台作品が小説化されるのは異例のことである[2](近年は、本谷有希子など、脚本家が自ら舞台作品をノベライズする例も増えている)。小説化にあたっては単純なノベライズではなく、主人公の父と母の出会いなど詳細な背景描写を加えたものとなっている[2]

書誌情報(小説)

[編集]

映画

[編集]
くちづけ
ANGEL HOME
監督 堤幸彦
脚本 宅間孝行
原作 宅間孝行
出演者 貫地谷しほり
竹中直人
宅間孝行
音楽 朝川朋之
主題歌 熊谷育美
グッド・バイ・マイ・ラブ
撮影 斑目重友
配給 東映
公開 2013年5月25日
上映時間 123分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

宅間孝行が脚本を手掛けて映画化され[15]2013年5月25日に公開された。配給は東映

デビュー11年目にして映画初主演となる貫地谷しほりがマコを、その父を竹中直人が演じている[16]。2人の共演はこれが3度目[15]、父娘役は2009年公開の映画『僕らのワンダフルデイズ』以来2度目となる[17]

2013年4月18日に行われた映画の完成披露会見では貫地谷が竹中の頬に感謝のキスを送り[15]5月15日に行われた公開直前イベントではローティーン向けファッション誌『ピチレモン』とのタイアップで“父の日デートファッションショー”が開催され、2人は腕を組んで登場してランウェイを歩き[17]、ショーのトップバッターを務めた[18]

監督は同舞台を観て感動したという堤幸彦。当初は誰でもいいから映画化した方がいいと勧めていたが、自らがメガホンをとることになり「天命だと思いました」と話している。劇団のような撮影にしたかったため、5台のカメラで細かくカットを割らず、台本22ページ分を1度も止めずに撮影されたシーンもあるという。[15]

イタリアウディネ・ファーイースト映画祭にて、2013年4月20日に"ANGEL HOME"の英題で上映された[19]

日本での公開初週の観客動員数ランキングでは12位[20]。最終興収については発表対象外とされた[21]

キャスト

[編集]

スタッフ

[編集]

受賞

[編集]

関連商品(映画)

[編集]
シナリオ
  • シナリオ作家協会発行『月刊シナリオ』2013年6月号(映人社) - 映画シナリオを収録
DVD/Blu-ray
  • くちづけ(2013年10月11日、東映ビデオ、DSZD08078)
  • くちづけ [Blu-ray](2013年10月11日、東映ビデオ、BSZD08078)

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 7月28日、29日収録分をWOWOWの2夜連続ステージ企画「THE 作家主義」の第2夜として同年10月21日の21:40から翌22日の0時に放送[9][10][11]

出典

[編集]
  1. ^ a b c 東京セレソンデラックス10周年記念舞台「くちづけ」に豪華キャストが集結!”. Smartザテレビジョン (2010年7月14日). 2015年6月30日閲覧。
  2. ^ a b c d “史上一番泣ける舞台”小説化 宅間孝行執筆「くちづけ」”. スポニチアネックス. スポーツニッポン (2013年4月29日). 2013年5月16日閲覧。
  3. ^ 東京セレソンデラックス - くちづけ、2013年5月25日閲覧。
  4. ^ a b 宅間孝行(インタビュアー:佐藤優子)「東京セレソンデラックスの宅間孝行さんがICC訪問!」『ICC News & Report』、インタークロス・クリエイティブ・センター、2010年8月24日https://www.icc-jp.com/archive/news/icc/001182.html2020年8月21日閲覧 
  5. ^ a b “上原多香子、復帰作で“同じ釜の飯”を振る舞う タクフェス第3弾『くちづけ』開幕”. SPICE (イープラス). (2015年10月9日). https://spice.eplus.jp/articles/17325 2020年8月7日閲覧。 
  6. ^ a b “SPEED上原多香子 夫TENNさん死去後初の舞台「このけいこにすごく集中していた」”. News Lounge (モバイルメディアプロダクション). (2015年10月14日). http://newslounge.net/archives/181627 2020年8月8日閲覧。 
  7. ^ “タクフェス「くちづけ」に金田明夫・小島藤子ら、宅間孝行「決定版を届けたい」”. ステージナタリー (ナターシャ). (2020年8月7日). https://natalie.mu/stage/news/391090 2020年8月7日閲覧。 
  8. ^ “宅間孝行「5年に一度は発信していくべき芝居」タクフェス「くちづけ」再々演キャスト発表!”. ザテレビジョン (KADOKAWA). (2020年8月8日). https://thetv.jp/news/detail/240077/ 2020年8月8日閲覧。 
  9. ^ THE 作家主義東京セレソンデラックス「くちづけ」WOWOWで放送』(プレスリリース)WOWOW、2010年9月30日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000534.000001355.html2020年8月8日閲覧 
  10. ^ “東京セレソンデラックス:待望の新作「くちづけ」WOWOWで10月21日放送 「SPEC」堤監督も大絶賛”. MANTANWEB (MANTAN). (2010年10月4日). https://mantan-web.jp/article/20101004dog00m200015000c.html 2020年8月8日閲覧。 
  11. ^ “ヨーロッパ企画&東京セレソンデラックス、注目劇団の公演が2夜連続でテレビ放送!”. ザテレビジョン (KADOKAWA). (2010年10月13日). https://thetv.jp/news/detail/17706/ 2020年8月8日閲覧。 
  12. ^ “真中瞳改め東風万智子、「役者・演出家としてもすてきな方ですね」と宅間孝行をベタ褒め!”. シネマトゥデイ. (2010年7月7日). https://www.cinematoday.jp/news/N0025417 2020年8月8日閲覧。 
  13. ^ “元アイドリング森田涼花、宅間孝行舞台でヒロイン”. nikkansports.com. (2015年6月30日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1499239.html 2015年6月30日閲覧。 
  14. ^ 上原多香子、芸能活動再開を報告 10月上演の舞台『くちづけ』に出演”. クランクイン!! (2015年6月29日). 2015年6月30日閲覧。
  15. ^ a b c d “貫地谷しほり、「くちづけ」の“お父さん”竹中直人に感謝のキス”. 映画.com. (2013年4月19日). https://eiga.com/news/20130419/1/ 2013年5月26日閲覧。 
  16. ^ “貫地谷しほり、初主演作公開に涙「ありがたい」”. サンケイスポーツ. (2013年5月25日). オリジナルの2013年6月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130608072205/http://www.sanspo.com/geino/news/20130525/oth13052516580019-n1.html 2013年5月26日閲覧。 
  17. ^ a b “貫地谷しほり、竹中直人との“父娘デート”プランを提案”. 映画.com. (2013年5月15日). https://eiga.com/news/20130515/12/ 2013年5月26日閲覧。 
  18. ^ “貫地谷&竹中“父娘”が腕組み登場「竹中さんがお父さんなら最高」”. Billboard JAPAN. (2013年5月15日). https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/12317 2013年5月26日閲覧。 
  19. ^ cinemacafe.net (2013年4月26日). “貫地谷しほり主演の“泣ける”映画『くちづけ』は、イタリア人に伝わるのか?”. cinemacafe.net. 2013年4月29日閲覧。
  20. ^ 壬生智裕 (2013年5月28日). “前田敦子『クロユリ団地』実写邦画で今年初の2週連続首位!【映画週末興行成績】”. シネマトゥデイ. 2013年5月29日閲覧。
  21. ^ 「2013年 日本映画・外国映画業界総決算」『キネマ旬報(2月下旬決算特別号)』第1656号、キネマ旬報社、2014年、199頁。 
  22. ^ 主演女優賞・貫地谷しほり「夢のよう」映画初主演で栄冠…ブルーリボン賞”. スポーツ報知. 2014年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月23日閲覧。

外部リンク

[編集]
東京セレソンデラックス
タクフェス
小説
映画