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おおぐま座矮小銀河II

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
おおぐま座矮小銀河II
星座 おおぐま座
見かけの等級 (mv) 14.3 ± 0.5[1]
視直径 32 ± 2′[2]
分類 dSph[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  08h 51m 30.0s[3]
赤緯 (Dec, δ) +63° 07′ 48″[3]
距離 98 ± 16 kpc(30 ± 5 kpc)[1]
他のカタログでの名称
UMa II galaxy, Ursa Major II Dwarf[3]
Template (ノート 解説) ■Project

おおぐま座矮小銀河II(Ursa Major II Dwarf Galaxy[3])は、おおぐま座にある矮小楕円体銀河である。2006年にスローン・デジタル・スカイ・サーベイのデータから発見された[1]。太陽から約3万パーセクに位置し、約116km/sの速度で向かってきている[4]。楕円形(軸比~2:1)で、光度が半分になる半径は約140パーセクである[2]

おおぐま座矮小銀河IIは、銀河系伴銀河で最も小さく暗いものの1つであり[note 1]、光度は太陽光度の約4000倍(絶対等級は約-4.2)で[1]、大部分の球状星団の光度よりもずっと暗い。さらには、銀河系内にあるカノープスのような単一の恒星でもこの銀河よりも明るいものもあり、オリオン座γ星と同程度である。しかし、質量は約500万太陽質量であり、この銀河の質量光度比は約2000となる[4]。ただし、この銀河はいくらか不規則な形で、潮汐破壊の過程にある状態であり、これは過大評価である可能性もある[1]

おおぐま座矮小銀河IIの恒星には、少なくとも100億歳の古いものが多い[1]。これらの恒星の金属量は、[Fe/H] ≈ -2.44 ± 0.06と低く、重元素の量が少なくとも太陽の300分の1以下であることを示している[5]。おおぐま座矮小銀河IIの恒星は、恐らく宇宙で最初に形成された恒星の一部である。現在、この銀河では星形成は行われていない。また、これまで中性水素原子は検出されておらず、存在するとしても上限は562太陽質量である[6]

脚注

[編集]
  1. ^ この銀河より暗いのは、かみのけ座矮小銀河SEGUE 1SEGUE 2うしかい座矮小銀河IIWillman 1だけである[2]

出典

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  1. ^ a b c d e f g Zucker, D. B.; Belokurov, V.; Evans, N. W.; Kleyna, J. T.; Irwin, M. J.; Wilkinson, M. I.; Fellhauer, M.; Bramich, D. M. et al. (2006). “A Curious Milky Way Satellite in Ursa Major”. The Astrophysical Journal 650 (1): L41–L44. doi:10.1086/508628. ISSN 0004-637X. 
  2. ^ a b c Martin, Nicolas F.; de Jong, Jelte T. A.; Rix, Hans‐Walter (2008). “A Comprehensive Maximum Likelihood Analysis of the Structural Properties of Faint Milky Way Satellites”. The Astrophysical Journal 684 (2): 1075–1092. doi:10.1086/590336. ISSN 0004-637X. 
  3. ^ a b c d SIMBAD Astronomical Database”. Results for Ursa Major II. 2011年11月19日閲覧。
  4. ^ a b Simon, Joshua D.; Geha, Marla (2007). “The Kinematics of the Ultra‐faint Milky Way Satellites: Solving the Missing Satellite Problem”. The Astrophysical Journal 670 (1): 313–331. doi:10.1086/521816. ISSN 0004-637X. 
  5. ^ Kirby, Evan N.; Simon, Joshua D.; Geha, Marla; Guhathakurta, Puragra; Frebel, Anna (2008). “Uncovering Extremely Metal-Poor Stars in the Milky Way's Ultrafaint Dwarf Spheroidal Satellite Galaxies”. The Astrophysical Journal 685 (1): L43–L46. doi:10.1086/592432. ISSN 0004-637X. 
  6. ^ Grcevich, Jana; Putman, Mary E (2009). “H I IN LOCAL GROUP DWARF GALAXIES AND STRIPPING BY THE GALACTIC HALO”. The Astrophysical Journal 696 (1): 385–395. doi:10.1088/0004-637X/696/1/385. ISSN 0004-637X. 

座標: 星図 08h 51m 30s, +63° 07′ 48″