社家
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社家(しゃけ)とは、日本の身分のひとつ。代々特定神社の神職を世襲してきた家(氏族)のことである。
律令制の崩壊とともに、神職が自分の子にその職を継がせる例が多くなった。明治4年(1871年)の太政官布告により神職の世襲は、色々と弊害があるとして廃止された。しかし、第二次世界大戦後、神社や神職が政府の管理から離れたことにより、かつて社家であった家(旧社家)や、旧士族など明治以降に国家神道制下で新規に神官となった者の子孫(維新後新社家)や、戦後に旧皇族や旧華族、養成機関などを卒業して神職となった者の子孫(戦後新社家)、神職子弟のうち次三男など家督相続を行わない者が、他の別の神社の後継者になる(新分社家)など、新たに神職を世襲する例が増加した。通常では含めないこれらの家系も、現在では場合によっては社家の範疇に含めることもある。
社家の事例
歴史的に著名な社家には以下のようなものがある。
- 伊勢神宮
- 籠神社 - 海部氏
- 猿田彦神社 - 宇治土公氏
- 鹿島神宮・香取神宮・春日大社 -- 中臣氏・大中臣氏
- 宇佐神宮 - 辛嶋氏・大神氏・宇佐氏(宇佐国造)・田部氏・到津氏・宮成氏
- 伏見稲荷大社 - 大西氏
- 住吉大社 - 津守氏
- 志賀海神社 - 阿曇氏
- 宗像大社 - 宗像氏
- 大山祇神社 - 大祝氏
- 出雲大社 - 千家氏・北島氏(出雲国造)
- 日御碕神社 - 小野氏
- 物部神社 - 金子氏(石見国造)
- 新田神社 - 執印氏・権執印氏・大検校氏・千儀氏
- 彌彦神社 - 高橋氏
- 富士山本宮浅間大社 - 富士氏
- 吉田神社 - 卜部氏(吉田氏)
- 賀茂別雷神社(上賀茂神社)・賀茂御祖神社(下鴨神社) - 賀茂氏
- 日吉大社 - 樹下氏・生源寺氏
- 熱田神宮 - 千秋氏
- 諏訪大社 - 諏訪氏・金刺氏・守矢氏
- 日前神宮・國懸神宮 - 紀氏(紀伊国造)
- 阿蘇神社 - 阿蘇氏(阿蘇国造)
社家町
社家は奉職する神社の近くに家を構えることが多く、社家の家が集まった所は「社家町(しゃけまち)」と呼ばれた。
現代日本において「社家町」「社家」という地名は各地にあり、その多くはかつて社家町があった場所である。