工学院大学
工学院大学 | |
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校舎 | |
大学設置 | 1949年 |
創立 | 1887年 |
学校種別 | 私立 |
設置者 | 学校法人工学院大学 |
本部所在地 | 東京都新宿区西新宿一丁目24番2号 |
キャンパス |
新宿(東京都新宿区) 八王子(東京都八王子市) |
学部 |
工学部 情報学部 グローバルエンジニアリング学部 |
研究科 | 工学研究科 |
ウェブサイト | http://www.kogakuin.ac.jp/ |
工学院大学(こうがくいんだいがく、英語: Kogakuin University)は、東京都新宿区西新宿一丁目24番2号に本部を置く日本の私立大学。1887年創立、1949年大学設置。大学の略称は工学院大。
愛称:Tokyo Urban Tech。
概要
本学の前身である工手学校は、1887年帝国大学(現東京大学)初代総長であった渡辺洪基らを中心に設立された。日本の私立学校としては最も古い工業専門学校である。本学が創設された当時、国内では国家主導のもと、近代化が進められた。しかし高等学校や大学などの工業高等教育は着々と整備されていたが、近代化を達成するために必要な現場を支える職人不足が深刻だった。これを受けて、現場を支える職人を育成することを目的に以下の有志によって設立された工手学校が工学院大学の前身である。
工手学校の発起人は当時の帝国大学工科大学(現東京大学工学部)の教授、助教授であった以下の面々である。 石橋絢彦(土木) 杉村二郎(鉱山) 古市公威(土木) 山口準之助(土木) 辰野金吾(造家) 藤本寿吉(造家) 中野初子(電気) 中村貞吉(化学) 井口在家(機械) 栗本 廉(鉱山) 大井才太郎(電機) 巌谷立太郎(鉱山) 水上彦太郎(機械) 三好晋六郎(造船)
設立時の学科は、土木、機械、電工、造家、造船、採鉱、冶金、製造舎密の8学科であった。
国木田独歩作「非凡なる凡人」で主人公が通うとされる工手学校とは、本学の前身のことである。
1989年に落成した新宿キャンパスの高層棟は、地上29階、地下5階、高さ143m。大学専用の建物としては日本一の高層ビル(完成当時)。(隣接するエステック情報ビルは、地上28階、地下6階、高さ130m。)
現在第1部の学生は情報学部を除き1年生、2年生は八王子キャンパスで学び、3年生、4年生は新宿キャンパスで学ぶ。 (情報学部は1,2年は総合文化科目と体育、自由研究科目を八王子キャンパスで学ぶ。また、学芸員課程も八王子キャンパス)体育は1年次で必修になっている。 来年から情報学部は完全に新宿キャンパスに移動。
第2部(夜間学部)は、4年間新宿キャンパスで学ぶ。
工学系大学という事もあり、留年率が比較的高く、第1部の学生は、2年生から3年生に進級する事を、「八王子関門」と呼び、2年生から進級できない事を、「残八」と呼ぶ事がある。(例年2割近く留年している。)なお、最近は学生のみならず教授・講師側も使用することがある。また、3年生に進級したとしても、卒業論文着手までの単位不足や必修科目の取り損ね等により、新宿校舎と八王子校舎を往復している学生も多く、これを「新八」と呼ぶ。
2005年4月学習支援センターが設立された。現在数学、英語、物理、化学の基礎講座が開設されていて、それらの科目について知識を深めることができる。個別指導もある。親切に教えてくれると言うことで、評判はよいようである。新宿、八王子ともに設置されている。
文部科学省が公募した平成15年度科学技術振興調整費 新興分野人材養成 基盤的ソフトウエアで採択され、2004年から技術者能力開発センターで、「セキュアシステム設計技術者の育成」プログラムが実施されている。セキュリティに関する高度な技術者を育成するプログラムで、2007年に開始されるコースまで無料で実施されている。同様のコースを実施している他の大学院の授業料が極めて高額であるため、受講希望者の競争が年々高まっているようである。
名前が似ている事から、日本工学院専門学校及び東京工学院専門学校と間違えられることがあるが、本学とは無関係である。
工学院大学はそれぞれの校舎で、学園祭が行われる。5月にはプレ八王子祭、6月には水無月祭、10月末~11月上旬にかけて八王子祭、11月下旬に新宿祭が行われる。プレ八王子祭と八王子祭は学内の学生組織である八王子祭実行委員会の主催、新宿祭は新宿祭実行委員会の主催で行われる。水無月祭は第2部自治委員会が主催で行われる。
小柴昌俊が同大学の顧問である事もあってか、小学生から高校生を対象とした自然科学のイベントが充実している。 夏休みには主に小・中学生を対象とした「工学院大学わくわくサイエンス祭 大学の先生と楽しむ理科教室」というイベントが八王子校舎で開催される。2007年は8月25日・26日に開催。たくさんのテーマ・イベントが開催され、テーマによっては参加人数(抽選または整理券発行を実施)や年齢制限等が行われるが、基本的には参加者全員楽しめる内容になっている。このイベントは大学が主催しているが、八王子市をはじめ、八王子市教育委員会や日野市、相模原市などの周辺市の教育委員会が後援している。
情報学部開設を記念して 2005年より「工学院大学デジタルアートコンテスト」を開催し、全国の高等学校より応募されたCGを評価し表彰するイベントを新宿キャンパスで開催している。 また、全国の高等学校から応募された理科・科学クラブ研究論文の発表会と表彰を行う「全国高等学校理科・科学クラブ研究論文」も毎年行っている。
新宿キャンパスは都心と言う立地条件の良さから、年度末から年度初めに掛けての間、教室を一部企業等の新入社員研修等に貸す事もある。社会人教育にも力を入れており、2007年度にエクステンションセンターを設置、2008年度からは朝日カルチャーセンターと提携して学習センターを展開している。また、日本の理工系大学では初の孔子学院を設立している。
沿革
- 1887年 - 帝国大学総長渡辺洪基らを中心として、工手学校を設立。
- 1888年 - 築地に「工手学校」として授業を開始。
- 1928年 - 淀橋区角筈に新校舎落成。
- 1949年 - 新学制による工学院大学設置。工学部開設。
- 1950年 - 短期大学部を設置。詳細は工学院大学短期大学部を参照。
- 1963年 - 八王子市中野町に八王子キャンパスを開設。
- 1964年 - 大学院・工学研究科修士課程を開設。
- 1989年 - 新宿キャンパス新校舎高層棟完成。
- 2002年 - 日本最初のJABEE(日本技術者教育認定機構)認定を取得。
- 2005年 - 学習支援センターが開設される。
- 2006年 - 学部・学科改編。情報学部、グローバルエンジニアリング学部新設。工学部とあわせて3学部体制となる。
- 2007年12月 - 八王子キャンパス食堂、購買が新生協棟に移転。
設置学校
- 工学院大学
- 大学院工学研究科
- 機械工学専攻(修士・博士後期課程)
- 化学応用学専攻(修士・博士後期課程)
- 電気・電子工学専攻(修士・博士後期課程)
- 情報学専攻(修士・博士後期課程)
- 建築学専攻(修士・博士後期課程)
- 工学部第1部
- 情報学部第1部(06年4月より新設)
- コンピュータ科学科
- 情報デザイン学科
- グローバルエンジニアリング学部(06年4月より新設・GE学部と略される)
- 機械創造工学科
- 工学部第2部
- 機械システムデザイン学科
- 化学応用デザイン学科
- 情報通信メディア工学科(06年4月より新設)
- 電気電子情報工学科・電気工学コース(06年度より募集停止)
- 電気電子情報工学科・電子工学コース(06年度より募集停止)
- 電気電子情報工学科・情報工学コース(06年度より募集停止)
- 建築学科
- 教職特別課程
- 図書館
- 総合研究所
- 情報科学研究教育センター
- ECPセンター
- 学習支援センター
- 国際交流センター
- 大学院工学研究科
- 工学院大学附属高等学校
- 全日制課程
- 普通科
- 文理特進コース
- 全日制課程
- 工学院大学附属中学校
- 工学院大学専門学校(06年度より募集停止)
- 工業専門課程第1部
- インターネット・デザイン科
- ネットワーク・エンジニア科
- メカニカル3D・CAD科
- 建築科
- インテリア・デザイン科
- 電気技術科
- 工業専門課程第2部
- ネットワーク・エンジニア科
- 建築科
- 電気技術科
- 附帯教育
- 夜間
- 建築デザイン専攻コース
- 環境デザイン専攻コース
- 工業専門課程第1部
- 工学院大学技術者能力開発センター(CPDセンター)
- 工学院大学エクステンションセンター
- 工学院大学孔子学院
キャンパス
著名な出身者
- うしおそうじ - 漫画家、アニメーター、映像製作者、ピー・プロダクション社長
- 大山正雄 - 日本温泉科学会 会長、昭和女子大学 非常勤講師、元神奈川県温泉地学研究所主任研究員、文学博士[地理学専攻]
- 北澤興一 - 建築家、北澤建築設計事務所 主宰、アントニン・レーモンドの最後の弟子
- 玄 光男 - 早稲田大学大学院 情報生産システム研究科 教授、元足利工業大学 教授、工学博士、博士(情報学)
- 重宗芳水 - 電機技術者、明電舎の創業者、三相誘導電動機を国産化、工手学校4期生
- 鈴木重徳 - システム・ディレクター、オープンテクノロジーズ 取締役、博士(工学)
- 中島 淳 - 日本弁理士会 会長、太陽国際特許事務所 所長、弁理士、博士(工学)
- 西 和彦 - アスキー創業者、大学院研究生、論文博士により博士号(情報学)取得
- ハナ肇 - コメディアン
- 林 正儀 - オーディオ評論家
- 平山晃哉 - テレビスタッフ(アクリル装飾担当)、元野猿
- 森 銑三 - 書誌学者、日本近代学芸史研究家、工手学校予科卒
- 山下省蔵 - 拓殖大学工学部 教授、工業教育専攻
- 山本鑑之進 - 建築家、工手学校1期生、辰野金吾門下、日本銀行本店の工事主任、日本生命大阪旧本館を施工
- 吉田武稔 - 北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 教授、Ph.D.
- 長谷川真弓-建築学科卒業。革職人、ファッションデザイナー。
教職員
- 大橋秀雄 流体工学、日本技術者教育認定機構(JABEE)会長、日本工学会会長(99-02年度)、日本機械学会会長(92年度)、元学長(94-03年度) (理事長、東京大学名誉教授、工学院大学名誉教授)
- 三浦宏文 ロボット工学、日本ロボット学会会長(93-95年度)、日本システム工学会会長(92-96年度) (機械システム工学科教授、前学長、東京大学名誉教授)
- 水野明哲 流体工学、可視化情報学会会長(06年度) (機械工学科教授、副学長、学長[2009年度より])
- 是松孝治 熱工学、熱機関、内燃機関 (機械工学科教授)
- 丹羽直毅 材料強度学 (機械システム工学科教授)
- 藤江裕道 バイオメカニクス、マイクロマシン (機械システム工学科教授)
- 北林興二 環境工学、流体力学 (機械システム工学科教授)
- 小林光男 機械要素、ネジ締結 (機械システム工学科教授)
- 高木亮 鉄道工学(電気システム工学科准教授)
- 小柳義夫 スーパーコンピューティング、高性能プログラミング(コンピューター科学科教授、情報学部長、東京大学名誉教授)
- 三好和憲 情報科学、演算方式、計算機システム性能評価 (コンピューター科学科教授)
- 椎塚久雄 感性工学, エンタテインメントコンピューティング, 情報デザイン (情報デザイン学科教授)
- 門間英毅 セラミック化学、骨再生医療、アパタイト系セメント (マテリアル科学科教授)
- 小野幸子 無機物性化学、電気化学、表面化学、機能材料化学 (応用化学科教授)
- 初田亨 歴史家(建築学科教授)(元:東京大学大学院非常勤講師)
- 後藤治 歴史家(建築学科教授)(元:文化庁文化財保護部建造物課文化財調査官)
- 澤岡清秀 建築家(建築都市デザイン学科教授)(元:槇文彦総合計画事務所主任、コロンビア大学客員教授、テキサス大学客員教授)
- 倉田直道 建築家・都市デザイナー(建築都市デザイン学科教授)(早稲田大学芸術学校非常勤講師)
- 中山繁信 建築家(建築学科特別専任教授)
- 吉田司雄 日本近代文学・比較文化論・映像論 (共通課程教授)
- 川西英雄 光エレクトロニクス(電気システム工学科教授)
- 長谷川文夫 半導体デバイス工学(情報通信工学科特別専任教授・筑波大学名誉教授)
- 吉田和悦 計算機シミュレーション工学(情報通信工学科教授)
かつての教職員
- 天野太郎 建築家 (建築学科助教授、東京芸術大学美術学部建築科名誉教授)
- 今井 功 物理学者、流体力学、文化勲章受章、(工学院大学名誉教授、東京大学名誉教授)
- 岩原康夫 英文学者、比較文学者、エスラ・パウンド研究家 (外国語科教授)
- 小泉安郎 伝熱工学 (機械工学科教授、現:信州大学教授)
- 畑村洋太郎 創造工学・失敗学(前機械創造工学科教授、東京大学名誉教授)
- 曽根悟 鉄道工学(前電気システム工学科教授、東京大学名誉教授、JR西日本社外取締役、2007年3月をもって定年退職、現:エクステンションセンター長 [1]、現: 非常勤講師)
- トム・ヘネガン 建築家(現:シドニー大学建築学部長)
- 南迫哲也 建築家
- 武藤 章 建築家 (建築学科名誉教授)
- 波多江健郎 建築家 (建築学科名誉教授)
- 広部達也 建築家
- 渡辺定夫 都市計画家(工学院大学教授(都市建築デザイン学科創設)、東京大学名誉教授)
- 山下 司 建築家
- 山本理顕 建築家、(建築学科教授、現:横浜国立大学教授)
- 定方正毅 化学工学、燃焼工学、環境工学 (環境化学工学科教授、東京大学名誉教授)
2007年9月25日、脳出血のため死去。
関連項目
周辺
- 新宿キャンパス
- 八王子キャンパス
- ※八王子キャンパスにおいては、西東京バスが重要な交通手段となっていて、同バスが運休となった場合八王子キャンパスの授業は、休講となる。また、バスの定期券が高額である為自転車を使用するものもいる。
脚注
- ^ http://www.kogakuin.ac.jp/homepage/2007/0528.html エクステンションセンター新発足のお知らせ