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Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考/下肥 20240320

選考終了日時:2024年4月3日 (水) 09:33 (UTC)

  • (推薦)自薦です。表題の事項につき、十分な記述ができていると考えます。--Nux-vomica 1007会話2024年3月20日 (水) 09:33 (UTC)[返信]
  • 賛成 :自薦票--Nux-vomica 1007会話2024年3月20日 (水) 09:33 (UTC)[返信]
  • 賛成  日本における下肥の歴史等については非常によくまとまっていると思うので賛成としますが、海外における排泄物の利用に触れられていないのがJPOVの観点からやや気になるところです。Night soilとの違いは一定期間腐熟させることだと本文中にありますが、こちらの論文を読む限り中国で下肥に近い肥料が使用されていたようですし、日本固有のものというわけではなさそうです。総論的な記述はen:Reuse of human excretaに相当する記事に任せて本記事は日本における下肥に絞るということでしょうか。そうすると記事名には一考の余地がありそうかなと感じました。—-Keeezawa会話2024年3月22日 (金) 13:01 (UTC)[返信]
    コメントありがとうございます。定義文を「下肥は、人間の糞尿を腐熟させ、肥料としたものの、日本における名称である。」としている通り、本稿においては日本における屎尿肥料のみを取り扱おうとしています。屎尿肥料一般についてはen:Reuse of human excretaを訳出したうえで、日本国内の事情についても多少加筆するといった方法のほうが、記述のバランスがよくなるのではないかと考えます。「Night soilとの違いは一定期間腐熟させることだ」というのは一応茅野充男先生の説であり、ある程度は信頼できるものなのではないかと考えていましたが、同記事を読む限り、屎尿を一定期間腐熟させることで寄生虫のリスクを減らす手法は日本に限ったものではなさそう(あるいはすでにそうではなくなった)ようですから、当該の記述は削除しました。--Nux-vomica 1007会話2024年3月22日 (金) 13:50 (UTC)[返信]
コメント 賛成 細かいことですが、十二指腸虫は古い名称で、少なくとも医学ではここ数十年ほとんど用いられません(医学中央雑誌検索では十二指腸虫対鉤虫で24件対898件、特にここ20年では十二指腸虫の使用例は1件のみ)ので、鉤虫に直させていただきました。ところが、鉤虫は「コウチュウ」と読みますと寄生虫を意味しますが、「カギムシ」と読みますと全く別の有爪動物を意味し、現状、こちらへのリダイレクトとなっていたので、鉤虫は鉤虫症にリダイレクト先変更しています。
それはさておき、寄生虫が虫卵を経由して糞口感染を起こすことが知られ、下肥がその原因であることが問題視されたのは、そんなに昔のことではないように思います。おそらく近代以降ではないか、と。寄生虫防除目的で腐熟するようになったのはいつ頃からなのか、それが記載されていればいいな、と思いました。そして、この知見は近代・現代の寄生虫学の進歩と密接に関係していますから、腐熟処理が日本オリジナルなのか、他国で開発されたのか、この点も興味あるところです。ただ、私の知るところでは、寄生虫の虫卵はかなり体外環境での生存力が高く(例えば回虫は土中で数年生存)、腐熟処理が虫卵を殺すのにどれぐらいの実効性があったのかは個人的には疑問視しています。ただ、下肥が多く使われていた時代はロクな駆虫薬も開発されていませんでしたから、実効性の乏しい予防方法に頼らざるを得なかったとは思いますが。--Anesth Earth会話2024年3月23日 (土) 02:55 (UTC)[返信]
ありがとうございます。こうした記事は資料の制限上新しい知見を反映することが難しいですから、フォローアップは非常に助かります。
肥料として使う屎尿を長期間保管し、病原菌や寄生虫を減らす処理自体は現在もおこなわれているようですが[1]、おおむね1年から2年は必要とのことで、数週間の腐熟というのは寄生虫防除にはまったく不十分だったのではないかという気はしますね(実際、近代日本は寄生虫患者だらけだったわけですし)。下肥の腐熟処理自体は『百姓伝記』といった近世期の農書にすでにあらわれるものですが、どちらかというと肥料としての効能を高めるためのニュアンスのほうが強いようです。国内に置ける体系だった寄生虫学の書籍としては最初期のものである飯島魁(1888)『人体寄生動物編』は下肥が回虫を媒介する原因になっていることに触れつつも、「回虫患者の糞は肥料に用いざることは甚だ願わしきことなれども到底行いがたし」と、なかばその対処については諦めています。燕佐久太(1914)『下肥』においては、寄生虫卵を殺すための手法としては石灰や石炭酸といった殺菌剤を用いることを推奨しています。生活改善同盟会(1931)『農村生活改善指針』には腐熟処理が屎尿の消毒の手法として紹介されていますから、腐熟が寄生虫防除の意味を有しはじめたのはおそらくは大正~昭和初期ということになるのかなと思います(おそらくは1927年の内務省式改良便所の開発が関連しているのではないかと思いますが、確証はないです)。
このあたりの論点を本文にどう反映させればよいのかは悩むところですね。--Nux-vomica 1007会話) 2024年3月23日 (土) 05:29 (UTC) 衍字除去--Nux-vomica 1007会話2024年3月23日 (土) 07:36 (UTC)[返信]
「腐熟」という言葉が何を意味するか、これが十分定義できていないのが悩みどころの一因のような気がします。そして、ちょっと私が調べた限りでは、石灰を肥料と混ぜるタイミング・目的が現代農業においても結構複雑で、燕佐久太(1914)の記述は現代の観点から見て果たして正しいのか?と思います。
 例えば、ここには石灰と堆肥は混ぜるなとあります。その原因は「激しく反応」するからとありますが、これは酸・アルカリの反応によるものでしょう。更に言うと、石灰が消石灰なのか、生石灰なのか、有機石灰なのか、苦土石灰なのか(参考)など、このあたりも、検証が難しい歴史節はともかく、知見として現在、分かる限りの部分を書くべき下肥#特徴にはハッキリさせたほうがよさげです。一方、生ゴミを腐熟させるならば、「石灰窒素」を入れるのが有用という情報もあります(参考)。Wikipediaの肥溜めには発酵により、70度まで上昇するともあります。流石に冬場は厳しいでしょうが、これがある程度の殺菌作用ももつようです。つまり、独自研究ぽくなってきますが、現代生物学・化学の観点でみると、石灰の添加は発酵を促進し、その熱である程度の殺菌作用を期待するものであって、石灰そのものの殺菌作用では無いのではないかな、と。結局のところ、本項初出の「腐熟」という言葉に関してはもう少し説明か注釈か、あるなりすればよさげなんですが、これあたりが参考になりそうです(ここにも腐熟による温度上昇の記載あり)。個人的には、生物学的・化学的に腐熟という過程で何が起こっているのか知りたいところですが、正直、それは単独項目として立項して良いぐらいの内容になりそうですから、簡潔な説明で良いのではないかと思います。殺菌メカニズムは、石灰によるpH変化では無く、腐熟による温度上昇を記載して、まずまず確かそうです(不充分ではありますが)。
どなたか、農学ガチ勢のご意見がいただけたらいいですね。--Anesth Earth会話2024年3月23日 (土) 07:15 (UTC)[返信]
とりまず、下肥が一般に用いられていた近世~近代において腐熟にどのような効果があると考えられていたかについて加筆し、現代において屎尿の堆肥化(≒腐熟)プロセスがどのような効果を持つとされているかについての記述は注釈として加えました(スウェーデンやノルウェーといった国では現在進行系で屎尿肥料が注目されており、比較的最近の研究が揃っているようです)。いかがでしょうか。--Nux-vomica 1007会話2024年3月23日 (土) 09:57 (UTC)[返信]
返信 お疲れさまです。腐熟とはヒトにとって都合の良い好気性微生物による分解、つまり発酵のようですので、私の方でも追記させていただきました(履歴)。あとは「石灰」が二カ所、本文中に用いられており、前者はまずまず消石灰すなわち、Ca(OH)2だろうと思われ、後者は時代により、消石灰か石灰窒素すなわちCaCN2ぽいのですが、ちょっと判断が難しいです。選考期限まで時間ありますし、少し本項が腐熟する時間を待たせていただければ幸いです。--Anesth Earth会話2024年3月23日 (土) 12:47 (UTC)[返信]
ひとつめの「石灰」については、おそらく肥料用語でカルシウム一般を指すのではないかなという気がします(cf. [2])。ふたつめの「石灰」は、土壌の酸性化を抑えるものであれば何でもよいはずなので、消石灰なり炭酸カルシウムなりそのとき入手しやすい石灰肥料が使われたのではないかなとは思います(なお、燕 1914は下肥の消毒の際には生石灰を加えることを推奨しています)。--Nux-vomica 1007会話2024年3月23日 (土) 13:52 (UTC)[返信]
返信 御返信ありがとうございます。石灰に関しては、この用語自体が長年、カルシウムの多くの無機化合物を包含するものとして曖昧なまま運用が許容されてきたようであり、化学的に厳密な議論をさほど必要としないと思われる本項においては、現時点では石灰に関する記述をこれ以上深堀りすることは記事のバランスをかえって損なうものであるように今となっては思われました。腐熟に関しては、生物学的知見の集積により、近世以前と現代では相当の進歩があったように見受けられますが、この経緯を記述することは農学に関して相当のバックグラウンドが必要になりそうで、一般執筆者である我々には、荷が重そうです。社会的、人文的な経緯は既に十分に記述されていることから、賛成票に切り替えさせていただきました。--Anesth Earth会話2024年3月24日 (日) 09:55 (UTC)[返信]

賛成のみ3票以上の状態が48時間継続のため、早期終了・通過。--Nux-vomica 1007会話2024年3月26日 (火) 14:42 (UTC)[返信]