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Wikipedia:査読依頼/近畿方言 20080527

近畿方言(関西弁) - ノート

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これまで色々と記事を拡張させてきましたが、私ばかりが(過剰に)編集している状況ですので、客観的なご意見をいただきたく存じます。Kyoww 2008年5月27日 (火) 12:50 (UTC)[返信]

【査読】 ──専門家の方による審査結果。

方言研究は専門ではないのですが、日本語を学ぶものとして、専門のふりをして所感を述べます。ぶしつけなことを申しあげるかもしれませんが、お許しください。

まず、よくこれだけの量をお書きになった、と感心する一方で、未整理さも気になりました。どこから取りあげるか、というのは、なやみどころですけれども、まず、近畿方言を問うことじたいからはじめたく思います。つまり、この項目の焦点をどこに当てていくか。なんといっても、地域方言とはなんの疑いもなく考えられるものではありません。いま東條の方言区劃論に基いているかと思いますが、そうすると、本項目は現代語の近畿方言を主眼とすることになる。その一方で、近畿方言は中央語(中央語というのが、それじたい力を持つのは、近世・近代の現象にすぎないと思いますが)であったという言明における近畿方言は、あきらかに現代の言語状況の分析を食みだしている。この齟齬を、現在の方言区劃は担わない、あるいは担いきれないことも、確認しておくべきかとも思います。方言の区劃は、東條操の提唱以外にもあり、たとえばたまたま目にした『日本大百科全書』「方言」条では、3種類の方言区劃が提示されており、そこでは丹後地方が近畿方言に含められているものがあります。つまり、学説を選択するというところにも、近畿方言を書くというのはどういうことかということが問われているのです。

そのうえで、このような区劃に基づいて近畿方言を描くということは、抽象的な存在である近畿方言を説明するということで、具体的な記述、あるいは下位方言を代表として記述することは、たとえば母音図では、上位方言で、/u/は[ɰ̠]から[ʊ]まであり、何々という地域では[ʊ]として話され、何々という地域では[ɰ̠]として話されるというようなことを書こうとしているのだと考えます。

上記のような構造を確認しながら、ひとまずは体系的な記述を志すことが必要なのではないでしょうか。このような体系的記述によって、たとえば、母音のあつかいと京阪式アクセントの分布にみられる興味深い「符合」が見えてくるのではないかと思いますし、なぜそれを書くのかということ、たとえば、ア・ワ段五段動詞、形容詞におけるウ音便をなぜ書くのか(特徴的だから書くのか、近畿方言にとって基本的だから書くのか)ということもおのずからあきらかになっていくのではないでしょうか。

目に付いたこまかなことを何条か。

  • 表現の変遷など、出典がありません。これは古いなどという表明はなにに基づき、そしてそれは、近畿地域の方言のどこにおいても古いのでしょうか?
  • 動詞+はるにおける動詞の接続を、5段ではa、上1段ではiというように説明なさっておいでですが、連用形などという述語を排除しておいでなのかと思えばそうでもない。ここで未然形とお書きにならなかったのはなぜでしょうか?

あまりご助言としてお役に立てないかも知れませんが、わかりにくいこと、文献調査のお役に立てることなどありましたら、なんなりとご連絡ください。 Kzhr 2008年6月28日 (土) 14:14 (UTC)[返信]

ありがとうございます。個々、(私の持てる知識面で)答えられる範囲で返答致します。
  • 区画:ご指摘の通り東條氏の区劃案です。日本の方言学の第一人者なのだから東條氏の区画で良いだろう、などと中立性にかけるところがありました。他の識者の方言区画例についての記述も書き足していこうと思います。(丹後半島を含む場合もある、など)
  • 中央語:確かに日本で実質上の中央語というものが広まるのは近世・近代の現象ですが、例えば平安時代から江戸時代まで、京都の人間には自分達の言葉は都の言葉であるとの優越意識がありましたし、他地方の人間も京都方言を都の言葉として意識・受容していました。鎌倉時代には日蓮が「我々は都の言葉を真似る必要はない、関東言葉で堂々とすればよい」と、現代の関西人の対共通語意識と通ずる発言をしていたと記録されています。これらの話から、京都を中心とする関西弁は十分に中央語であったと言えるはずですし、現に複数の日本語史の書籍で「関西方言が中央語だった」などの記述があります。
  • 現代の言語状況の分析を食みだしている:身内びいきもありますけれども、客観的に見ても関西弁が中央語だったという旨の記述は必要だと思います。なぜ西日本を中心に関西弁の文法や語彙が関西以外でも広く使われているのか、なぜ東京方言を基盤とする共通語のなかに関西弁的な要素が混ざっているのか(例:「おはよ」)などの背景は、かつて中央語だったという説明があってこそわかるものですし。まだその辺りの内容はしっかりと記述できていませんが。
  • 音韻やアクセント等に関しては、私の不得意分野ですのでほとんど手をつけずにおりました。今後徐々に書き足していきたいと考えてはおります。
  • 表現の変遷:【やや古】【古】に関しては、私が20年間関西弁圏のなかで育ってきての実感を多いに含んでおり、主観的であることは否めません。ただし「○○が××時代に転じたもの」などは『上方語源辞典』といった資料に基づいて記述しております。
  • はる:本文にも書いておりますが、例えば「行かはる」の場合、「行か+はる」で一見「未然形+はる」のように思えますが、実際は「連用形+なはる」の変形であり、未然形に「はる」が接続しているわけではないのです。私も「はる」の変遷を調べるまでは「未然形+はる」だと思ってましたが。
不十分な返答もあるかとは思いますが、ここまでで失礼致します。反論等ありましたらお願い致します。--Kyoww 2008年6月30日 (月) 13:28 (UTC)[返信]
お返事ありがとうございました。体系的に書く——この点において、日本語はよい見本ですが——という点について、あまりご理解いただけなかったようで、残念ではありますが、まだあきらかな発展途上にあり、完成を待って改めて百科事典における言語の概説ということを考えてみたく思いました。心待ちにしております。 Kzhr 2008年7月3日 (木) 00:43 (UTC)[返信]
【検証】 ──参考文献などと照合しつつ正確性を評価頂いた結果。
【書評】 ──専門外の方による評価および助言。
【感想】 ──専門外の方による感想。
たんなる方言リストにとどまらず言語学的説明が試みられているという印象を受けました。ただ、出典が少ないので、もう少しこまかくrefをつけた方がいいように思います。以下、北摂出身素人として、独自研究と感じられる点や疑問をあげてみます。
  • 「近畿方言」なのに「京言葉と大阪弁を中心に記述」される理由がわかりません。「近畿方言の代表である」と唱えているのはだれなのか、その理由は何か、も不明です。「京阪式アクセントを用いる区域をもって近畿方言の領域」とするのは一つの分類方法ですよね?これは(素朴な疑問なのですが)日本語学の常識ということですか?また「京阪式アクセント」は平安の昔から「京阪」地方で用いられていたものと同じでしょうか?
  • 「こてこてイメージ」は「近畿方言(関西弁)」よりむしろ「大阪弁」もしくは「河内弁」に書くべきことではないでしょうか。大阪弁以外の近畿方言について「こてこて」と形容するのは違和感があります。
  • 「語彙」にたくさんの言葉が並んでいますが、近畿全域で用いられるのか、それとも一部地域に限定されるのか不明です(たとえば「ぶぶづけ」は京都以外でも使われるのか、「南京(かぼちゃ)」はどの地域で用いられるのかなど)。せめて古語の流れをくむものと、近現代になって新しく加わったものとくらいは分けてほしいと思います(「さら」「われ」「仰山」「三角座り」「フレッシュ」がいっしょくたになっているのは違和感ありすぎ)。「へっつい」が「方言」というのも個人的には疑問です(死語かもしれませんが)。一部の言葉は「語彙」にリストするより、「特徴」の節で「女ことば」や「演芸・隠語由来のことば」として例示してはどうかと思いました。
  • 「マスメディア・フィクションと近畿方言」では、田辺・谷崎までが漫画・アニメとひとまとめに「不自然な似非方言」と読みとられかねない記述だと感じました。「文学の中の近畿方言」についてはぜひ節をわけてどのようにどの「近畿方言を効果的に多用」しているか記述していただきたいと思います。--miya 2008年7月1日 (火) 00:53 (UTC)[返信]
  • 「参考文献・近畿方言に関する書籍」に多数の書籍が上がっていますが、これらすべてを「出典」として記述されてきたのでしょうか。それとも、このうちの何冊かは、関連書籍というだけで「出典」とはしていない、という状況なのでしょうか。--miya 2008年7月1日 (火) 00:57 (UTC)[返信]
  • 「マスメディア・フィクションと近畿方言」も「こてこてイメージ」と一緒に大阪弁に分割する方がよいと思います。--miya 2008年7月1日 (火) 02:02 (UTC)[返信]
京言葉と大阪弁が近畿方言の代表であるというのは、一般的な意識もそうですし、なにより近畿一円の方言はすべて京阪方言を基盤としていること(もちろん程度差はありますが)を念頭に置いてそう記述しました。
「京阪アクセント」はそれが一般的な名称ですので、なんとも変えようがありません。「甲種アクセント」という名称もありますが、それでは専門的すぎますし・・・。また、京阪地方のアクセントは平安時代からの流れを現代も引き継ぐものとされています。何度も変化しているので全く同じではありませんが・・・。
「こてこてイメージ」については、似た記述のある役割語に誘導することにしました。出典元が同じですので、問題はないと考えます。
語彙については、複雑ですので難しいところです。例えば「ナンキン」の場合、大阪だけでなく奈良・和歌山・兵庫でも使用されるようですが、中国地方にも使用地域が連続しています。奈良のように京言葉と大阪弁の影響をどちらも受ける地域では、同じ地域に両方の語彙が混在していることもあります。語彙を成立時代で分けるというのも、成立時代のはっきりしていない語が多かったり、語自体は近世からあっても現代の用法は現代に入ってからという語があったり、と困難です。ちなみに「近現代になって新しく加わった」として挙げられている、二人称「われ」や数量の多さをさす「仰山」は既に江戸後期には使用されているようです。「へっつい」に関しては「くど」の項目で「大阪周辺では」とするに留めました。女ことばにしても、「特徴」で書いたように、近畿方言は女性語が一般化することが多いので簡単に割り振れません。「うち」はまぁ今後も男性が用いることはありえないでしょうが、例えば「わて」も江戸末期には女ことばとされていた語ですし・・・。
「マスメディア・フィクションと近畿方言」については、ご指摘を踏まえて加筆していきたいと思います。分割についてですが、マスメディアやフィクションに登場する近畿方言のほとんどが大阪弁をモチーフにしているとは言え、京言葉など大阪以外の方言を描くものもありますので、大阪弁への分割は賛成しかねます。
「参考文献・近畿方言に関する書籍」は、実際に参考にしたものとそうでないものを区別することにしました。
自分でも書いていて無茶苦茶な返答やなぁとは思っておりますが、これで失礼致します。--Kyoww 2008年7月1日 (火) 11:33 (UTC)[返信]
【その他】 ──表記・文体など
まずはページ上部に張ってある「独自研究のおそれ」を何とか解決するところからではないでしょうか。査読依頼をするのは「目に見えた問題点がなくなってから」でいいと思います。--ZERO 2008年6月27日 (金) 11:33 (UTC)[返信]
「独自研究のおそれ」解消のために出典や細かな註は気がつき次第載せるようにしています。しかし「独自研究のおそれ」は具体的な指摘なしに突然張られたもので、一体どこが独自研究にあたるのかが分からない状況にあります。そのあたりの点も、第三者の目で「ここは独自研究っぽいぞ」「この節は主観的すぎだ」など具体的に指摘していただきたいのです。--Kyoww 2008年6月27日 (金) 13:53 (UTC)[返信]