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Wikipedia:査読依頼/エアバスA300 20161029

エアバス社の旅客機の記事です。2015年12月に良質な記事に選出いただいた記事となります。先日、当該機種の派生型となるエアバスA300-600も良質な記事に選出いただきました。これを機に、さらに改善を図りたく皆様からご意見をいただきたく存じます。A300とA300-600の書き分けについてもご意見いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。--Mogumin会話2016年10月29日 (土) 08:50 (UTC)[返信]

【査読】 ──専門家の方による審査結果。
【検証】 ──参考文献などと照合しつつ正確性を評価。

こんにちは。2016年11月12日 (土) 01:03版を読みました。記事で出典として使用されている『ヨーロピアン・ワイドボディ Airbus A300&A310』(以下の佐藤 2001, 徳光 2001, 藤田 2001a, 藤田 2001b, 帆足 2001)を参照しつつ内容を確認しました。

  • 佐藤潔、「ヨーロピアンワイドボディジェットA300&310 全764機の履歴」 『ヨーロピアン・ワイドボディ Airbus A300&A310』旅客機型式シリーズ ; 4巻 イカロス出版〈イカロスMOOK〉、2001年、126–141頁。ISBN 4-87149-340-7
  • 徳光康、「日本エアシステムA300シリーズのあゆみ」 『ヨーロピアン・ワイドボディ Airbus A300&A310』旅客機型式シリーズ ; 4巻 イカロス出版〈イカロスMOOK〉、2001年、89–94頁。ISBN 4-87149-340-7
  • 藤田勝啓、「A300の構造とメカニズム」 『ヨーロピアン・ワイドボディ Airbus A300&A310』旅客機型式シリーズ ; 4巻 イカロス出版〈イカロスMOOK〉、2001a、43–50頁。ISBN 4-87149-340-7
  • 藤田勝啓、「Airbus A300 & Airbus A310シリーズのすべて」 『ヨーロピアン・ワイドボディ Airbus A300&A310』旅客機型式シリーズ ; 4巻 イカロス出版〈イカロスMOOK〉、2001b、51–66頁。
  • 帆足孝治、「ヨーロッパの威信をかけたエアバスA300 誕生秘話」 『ヨーロピアン・ワイドボディ Airbus A300&A310』旅客機型式シリーズ ; 4巻 イカロス出版〈イカロスMOOK〉、2001年、35–42頁。ISBN 4-87149-340-7

これらを出典として付与している文と資料の内容に、特に齟齬やパラフレーズ上の大きな問題はないようです。間違いとして、

  • 「内舷側から数えて4枚は、グラウンドスポイラー(空力ブレーキ参照)としてのみ機能し、外弦側の3枚はフライトスポイラーとしても働く[155][47]。」は藤田 2001a, p. 44.を参照していますが、 p. 49 の間違いのようです。
  • 表4, A300C4-200およびA300F4-200の航続距離4,825 kmは、藤田 2001b, p. 57.で"4625 km"となっていました。

よくわからなかったのは、

「リア・ローディング翼型は衝撃波の発生を遅らせ揚力係数を増加できることから、後退角と翼厚比を同じくした場合に従来の翼型よりも高速で飛行できるる[41][45]。」

の出典[45](藤田 2001a, p. 48)中で、この文に対応しそうな記述としては

「主翼後半における上面圧力を高め、揚力を稼ぐようにしている。」(藤田 2001a, p. 48, 段組1行目より引用)

ぐらいが見当たりましたが、「衝撃波の発生を遅らせ」と「上面圧力を高め」が流体力学・航空力学の基礎を知っている人間からすれば等価なことなのかどうか(パラフレーズ可能なことなのかどうか)は判断できませんでした。

あと、佐藤 2001「ヨーロピアンワイドボディジェットA300&310 全764機の履歴」をもとに

「運用の状況」節で、導入航空会社と導入機数
「第2世代の派生型開発」「その後の展開」で、生産数

を書かれていますが、これは佐藤 2001の表中の個々の情報を数えて書いたんですね? 申し訳ありませんが数えるガッツがないためここの検証省略しました。m(_ _ m)

また、この記事では出典として使われていませんが

青木謙知 「ボーイングVSエアバス」 イカロス出版 2004年

という本にも、記事の沿革で書いているような内容がありましたので確認したところ、この本の内容と記事内容に特に齟齬は無かったことをこの記事の信頼性確認の一助として報告しておきます。一点だけ違っていたのは、記事では

「A300の1号機は原型機となるA300B1で、初飛行は1972年10月28日に行われた[30][59]。」

となっていますが、「ボーイングVSエアバス」 では「初号機は1972年10月20日に初飛行した。」(p. 37より)、と日付が違いました。「ボーイングVSエアバス」 の方が間違っているかもしれませんが、一応お知らせしておきます。

A300とA300-600の書き分けは... 知識がないのでよくわかりません(笑)。ただ、「ボーイングVSエアバス」でも「このように、A310とA300-600は、非常に高い共通性を持つ機体として開発されることとなり、基本的な違いは胴体の長さだけと言えるものになった」(p. 58より)と書かれているくらいA300とA300-600は別物のようなので、記事が分かれているの現状は妥当なんだろうなと思います。記事サイズが約160kBで、読み終えるのが大変になってきている点・編集しようとすると重い点から、もしA300とA300-600の書き分けをさらに整理するとしても分量を減らす方向で整理して欲しいかな、と思いました。

記事としては、私がいまさら言うまでもない気がしますが、資料を広範に調査してまとめられた優れた記事だと思います。説明も全体的に平易で過不足なく、分かり易いと思います。エアバス社最初の機体だから、沿革はエアバス社確立の歴史にもなっているわけですね。企業史・経済史としてもおもしろかったです。--Yapparina会話2016年11月13日 (日) 11:58 (UTC)[返信]

返信 Yapparinaさん、早速検証してくださり御礼申し上げます。早速ですが、以下の通りご回答いたします。本文修正の 差分です。
  1. 間違いとしてご指摘いただいた2点:いずれも誤記でしたので訂正いたしました。
  2. 「リア・ローディング翼型は衝撃波の発生を遅らせ…」の文:出典とする文献を間違えておりました。私も空気力学の専門ではないのですが、独学で学んだ範囲では「衝撃波の発生を遅らせ」と「上面圧力を高め」は、パラフレーズとは言えないと考えております(細かな説明は省略しますが)。適切な文献は「渡邊 1980a p.6」ですので差し替えました。当該文献では、『この Rear Loading 翼型の特徴は、Shock Wave により起こる剥離発生の時期を遅らせ、揚力係数の増加が計れることである。』とあり直接的な典拠となると考えます。
  3. 「運用の状況」節の導入航空会社と導入機数「第2世代の派生型開発」「その後の展開」の生産数:ご指摘のとおり集計した結果を用いています。集計結果を示しただけで、解釈等を加えたつもりはないので、独自研究には当たらないものと考えております。集計でミスをしていたら申し訳ないですが…汗。
  4. 青木謙知 「ボーイングVSエアバス」との比較:概ね齟齬がないとのことで安心いたしました。初飛行日については、出典で示した文献、およびエアバス社の公式サイトでいずれも10月28日となっており、こちらが正しいと考えております。
  5. A300とA300-600の書き分け:記事を二つに分けるのは妥当とのご意見を伺えて安心いたしました。分量については、冗長な記述もあるかもしれないと感じています。ただ、現状からどのように整理してスリム化すれば良いか、アイディアが浮かばない状況です。Yapparinaさん他皆様からご助言やご提案いただけるとありがたく存じます。一段落したら回りくどい表現などを少し整理してみたいとも思います(査読依頼中にむやみにご指摘以外の部分を変えるのは不適切でしょうから)。
  6. エアバス社の成り立ちは、「会社を設立した。さて最初の製品をどうするか?」ではなく、「こういう旅客機が必要だ!その実現のために企業体を設立しよう」という意味合いが強いようです。ですから、A300の開発史と企業史をある程度一体的に説明することにしました。おもしろいと仰っていただけて嬉しいです。
以上です。またお気付きの点などありましたら、引き続きコメント・ご助言いただけますと幸いです。--Mogumin会話) 2016年11月13日 (日) 14:50 (UTC) 脱字修正。失礼しました --Mogumin会話2016年11月14日 (月) 12:34 (UTC)[返信]
ご対応ありがとうございます。数えるのは誰にでも検証可能なことなので、もちろん独自研究ではないですよ。その労力にびっくりしただけです。この表、表計算ソフトなどに打ち込んでデータベース化しておけば色々使えそうですね。スリム化は、うーん、今の記事はとても完成されているので浮かびません。分量については、もしさらに編集を加えるとしたらできれば分量増加に気を付けてほしいという程度の個人的お願いなので、あまり気になさらずに。--Yapparina会話2016年11月14日 (月) 15:04 (UTC)[返信]
返信 ご返答ありがとうございます。数えるのは結構時間かかりました(笑)。スプレッドシート形式で自分のPCに保存してあるので、公開できる仕組みがあると良いのですが、ライセンス面とかよくわかっていないです。分量については、今後の修正時に気をつけてみますね。--Mogumin会話2016年11月16日 (水) 14:15 (UTC)[返信]
【書評】 ──専門外の方による評価および助言。
【感想】 ──専門外の方による感想。
コメント まだ半分しか読み終わっていない素人の感想です。
  • 冒頭部
とてもくだらないことなんですが、航空分野では「メーカ」という表現が一般的なんでしょうね。俗世では「メーカー」というのだと思います。
「第1世代はA300B、第2世代はA300-600と呼ばれる。A300Bは・・・。」という説明順のほうがすんなりするような。個人的には、「300」は座席数のことだよ、という情報がここで示されると嬉しいように思います。
  • 沿革
冒頭部にも出てくるのですが、「短距離」「中距離」「中短距離」(あとたぶん「長距離」)というのがどんなイメージなのか、注釈でもあると嬉しいです。いわゆる数値でなくても、一国内をうろうろする程度が「短」、欧州内をうろうろする程度が「中」、大陸間をうろうろするのが「長」とか、そんな程度でいいのですが。(旅客機#現代の旅客機でもなんだかはっきりしない。)
  • イギリスの離脱
「1668年7月31日の期限」は1968の誤記でしょう。
  • エアバス・インダストリーの設立
「発注」と「受注」が混在しているのがちょっと気になりました。出典の表現がこのように使い分けられているのであればしょうがないのですが。まあざっくりイコールと思って読んでおけばいいのでしょうけれど、ひどく厳密には「発注があったけど受注しなかった」みたいなこともあるでしょうし。
  • 設計の過程
「遷音速」「スーパークリティカル翼」の意味がわかりませんでした。(調べた。)「フラップ」「スラット」ぐらいは知っていましたが、これも高揚力装置#フラップへリンクがあると優しいかなと思いました。「タブ付きのダブルスロット型ファウラーフラップ」わかりませんでした。
「エアバス・インダストリーが開発した旅客機で唯一の3人乗務機となった」ほかがもっと多いのか、少ないのか、どうなんでしょう。
  • 生産と試験
「現場合わせ」!飛行機でもそんなことしちゃうんだ!--柒月例祭会話2016年11月23日 (水) 08:32 (UTC)[返信]
返信 柒月例祭さん、コメントありがとうございます。以下、コメントと回答(言い訳?)です。
  • メーカ/メーカー:私が慣用的に「ー」をつけない仕事をしているので、無意識でそうなっていました。航空分野といっても学術、技術、産業から文化、趣味まで幅広いのでいろいろかと。古いJISでは「ー」をつけないことになっていたので、技術関係や学術関係では今でも「ー」無しの慣例があるかもしれませんが。
  • 第1世代、第2世代:実は、第1/第2世代という表現は、本項で便宜上使っているだけで、一般的とは言い難いのです。記事で参照した文献でも「〜〜世代」を多用しているものは無いです。ですから独自研究を避けたい心理から微妙な表現で、だからこそ分かりにくく感じられたのかと想像します。とりあえず、「第2世代」は無くし、必要な箇所は「次世代型」の表現を用いました。「第1世代」も使わずに済ませたかったのですが、「初期構想からA300Bに至る過程も含めた一群」をうまく表現できなかったので残しています。もっとスマートな方法がありましたらご助言いただけると嬉しいです。
  • ○○距離:仰る点はよくわかるのですが、残念ながら独自研究を避けて書くのは難しいです。求める記述の根拠が直球で書かれた文献を見つけられないです。読み手がもう少し想像しやすいよう、わずかですが表現を微修正してみました。参考文献のなかでは久世 (2006) p. 126にて「米大陸横断や大陸間のような中長距離」、「上昇下降ばかりで高空巡航の機会の少ない短距離」とあり、参照した文献では、文脈から概ね同じ概念として用いられているようです。今書くとしたら、あくまで参考として、この引用を注釈に入れる感じになりますが、いかがでしょうか?どなたかに良い文献をご紹介いただけると一番良いのですが(技術の進歩とともに距離のスケールも変わるかもしれないので、きちんと書くとなると「〜年代には長距離といえばこのぐらい」という典拠が必要かもしれません)。
  • 遷音速:注釈を加えました。
  • スーパークリティカル翼型・フラップ:スーパークリティカル翼型は、翼型のページで説明すべきなので、用語「翼型」の初出で内部リンクをつけました。翼型と高揚力装置は、各用語から内部リンクする案もあるのですが、多重とも解釈できる内部リンクが増えて、後々リンクを外す編集をされてよく分からないことになるのを危惧しました。なので、できるだけ段落の前半で「主翼の翼型には〜」、「主翼には高揚力装置として〜」と宣言してそこに内部リンクを付ける考え方で書いています。「機体の特徴」節も同じ考え方で、予め大枠の用語を宣言し、そこで内部リンクをつけるようにしています。。。が、これでは分かりにくいですかね(汗)
  • タブ付きのダブルスロット型ファウラーフラップ:「形状・構造」節に少し追記して、そちらに誘導してみました。
  • 唯一の3人乗務機となった:新しい旅客機は2人乗務が主流ですが、古いと4人とか5人もありますね。これも時代や機体の大きさによるので、一概に言えないです。
  • 現場合わせ:1970年代の設計ですから、そういうものかなと思ってました (^^;
いかがでしょう。修正が不十分とか、私の理解が間違っているとかありましたらお気軽にコメントいただきたく存じます。また、後半もお読みいただければ、追加のコメントもいただけると嬉しいです。--Mogumin会話2016年11月23日 (水) 15:41 (UTC)[返信]
ごめんなさい、回答していないご指摘があった事に今頃になって気づきました。大変失礼しました。
  • イギリスの離脱:誤記でしたので修正しました。
  • 発注/受注:文章の流れを作っていく上で、各文で行為の主体(英語であれば主語ですかね)が異なるので、主体に合わせて発注/受注を使い分けています。ご指摘の「発注したけど受注されない」に近い例が、「エールフランスがA300Bの発注の意向を示していたが」の部分です。この部分を「受注」に揃えようとすると、「エールフランスからA300Bの受注の見込みがあったが」のようになるかと思いますが、「見込みがある」は「意向を示す」の必要条件ですが、十分条件とは言い難いと考えています。うまく必要十分条件の言い回しが見つけられなかったので、ここでは「発注」を用いました。一方、「発注」に揃えるためには、文の主体をエアバスから顧客(航空会社)に揃えることになりますが、回りくどくなるので出来れば避けたいです。
以上、回答いたします。--Mogumin会話2016年12月9日 (金) 14:32 (UTC)[返信]
【その他】 ──表記・文体など

2か月経過しましたので、査読依頼を終了させていただきます。査読にご協力くださった皆様には、あらためて感謝申し上げます。--Mogumin会話2016年12月29日 (木) 09:15 (UTC)[返信]