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ヴィニー・カリウタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Vinnie Colaiutaから転送)
ヴィニー・カリウタ
Vinnie Colaiuta
ヴィニー・カリウタ(2009年1月26日、ジェフ・ベックメルボルン公演にて)
基本情報
出生名 Vincent Colaiuta
生誕 (1956-02-05) 1956年2月5日(68歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ペンシルベニア州ブラウンズビル
ジャンル ロックポップスジャズファンクカントリーヘヴィメタル
職業 ドラマー
担当楽器 ドラムス
活動期間 1978年 -
レーベル ストレッチ・レコード
ムーンジューン・レコード
共同作業者 フランク・ザッパ
ジェフ・ベック
スティング
ハービー・ハンコック
ファイヴ・ピース・バンド
ダミアン・ドラギシ
ジョニ・ミッチェル
公式サイト www.vinniecolaiuta.com

ヴィンセント・ピーター・カリウタ(Vincent Peter Colaiuta、1956年2月5日生 - )は、世界最高峰として知られるイタリア系アメリカ人のドラマーで、多くのジャンルでスタジオ・ミュージシャンとして活動している。1970年代後半からフランク・ザッパジョニ・ミッチェルスティングなどとレコーディングやツアーを行う傍ら、多数のレコーディングやコンサートで出演をしている。

1996年にモダンドラマー誌のホールオブフェイム[1]、2014年にクラシックドラマー誌のホールオブフェイム[2]に殿堂入りした。グラミー賞は1回受賞し、2回ノミネートされている[3]

来歴

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ペンシルベニア州ブラウンズビル出身。子供の頃からドラムセットで遊び、14歳の時に両親からフルセットを贈られ、本格的にドラマーを目指す道を歩み始めた。

1974年から1年間、ボストンバークリー音楽院で学ぶ。この時代、当時ビッグバンドに所属していたドラマーのスティーヴ・スミスと出会っている。両者はゲイリー・チェイフィーの講義を懸命に受けたり、シンバルの叩法について夜遅くまで語り合うなど、熱心な学生だった。

バークリ―で学んだ後にアル・クーパーと活動してから、1978年に住まいをロサンゼルスに移し[4]、ラウンジのバンドなどで演奏しながら糧を得つつ経験を積んだ。同年、22歳の時にフランク・ザッパのオーディションを受け[注釈 1]、難易度では悪名高い課題曲「The Black Page」[注釈 2]を見事に演奏して合格した[4]。そしてザッパのツアーのメイン・ドラマーとして1978年8月から10月までの国内ツアーと1979年2月から4月までのヨーロッパ・ツアーに参加し、スタジオ活動に専念する為に一旦ツアー活動から離れた後、1980年10月から12月までの国内とカナダのツアーに参加した[5][4]。この間のザッパのレコーディングでの有力メンバーにもなり、『ジョーのガレージ[6](1979年)、『ティンゼル・タウン・リベリオン[5](1981年)、『黙ってギターを弾いてくれ』(1981年)の3作のアルバムでドラムを叩いた。そのどれもが驚くべき内容だと多くのドラマーに認められ、特に『ジョーのガレージ』でのそれは1993年の『Modern Drummer』誌においてドラム演奏ベスト25に選出される程のものだった。ザッパも後年出版した自伝に、彼のプレイを自分のバンドの歴代ドラマーで最高のものと綴っている[注釈 3][7]

ファイヴ・ピース・バンドでケニー・ギャレットと演奏するカリウタ(2008年)

ザッパの元を独立してからは、ジノ・ヴァネリジョニ・ミッチェルバーブラ・ストライサンド、サンディ&ジュニアやチャカ・カーンなどから果てはメガデスまで、多彩なミュージシャンとの仕事をこなす。一方で、ジャズ界でも八面六臂の活躍を見せ、チック・コリアジミー・ハスリップクインシー・ジョーンズバディ・リッチのビッグバンドやビューエル・ナイトリンガーらとも共演している。2005年には、ポール・アンカのヒット・アルバム『ロック・スウィング』にも参加している。

1990年、彼はスティングの募集に応じ、アルバム『ソウル・ケージ』発表後のライブ・ツアーに参加する。スティングのバンド加入はその後7年間に及び、レコーディングにはそれ以上の期間加わった。1996年にはスティングに同行して「English Jam」で演奏し、その模様はジョン・マクラフリンのアルバム『ザ・プロミス』に収められている。2003年、スティングのアルバム『セイクレッド・ラヴ』のセッションに参加した縁で同アルバムのプロモーション・ライブに出演したが、ワールド・ツアーへの誘いは断っている。

1994年、初ソロ・アルバム『VINNIE COLAIUTA』を発表[8]。しかしセッション・ミュージシャンの要請が相変わらず多く、また映画音楽の制作やテレビ、ラジオなどの音楽担当を数え切れず任されていることもあって、それ以後はなかなか発表されなかった。

これまで『Modern Drummer』誌の読者投票で選出されるドラマー・オブ・ザ・イヤーに通算18度選ばれ、うち10回は「Best Overall」カテゴリーでの受賞を含んでいる。1996年には、現代ドラム奏者の殿堂入りし、今を生きる最も重要なドラマーと評された。

直近では、フェイス・ヒルのレコーディングやツアーへの参加、ジェフ・ベックの公演でバックを務める傍ら、数多いミュージシャンのセッションなど、相変わらず多忙なスケジュールをこなしている。

ディスコグラフィ

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リーダー・アルバム

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  • 『VINNIE COLAIUTA』 - Vinnie Colaiuta (1994年、Stretch)

ジン・チ

  • 『ジン・チ』 - Jing Chi (2001年、Tone Center) ※ヴィニー・カリウタ、ロベン・フォードジミー・ハスリップ名義
  • 『ライヴ!』 - Jing Chi Live at Yoshi's (2003年、Tone Center) [9]
  • 『3D』 - 3D (2004年、Tone Center)
  • 『スプリーモ』 - Supremo (2017年、Inakustik Quality Of Music)

連名アルバム

参加アルバム

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ジョニ・ミッチェル

  • 『ワイルド・シングス・ラン・ファスト』 - Wild Things Run Fast (1982年)
  • 『ドッグ・イート・ドッグ』 - Dog Eat Dog (1985年)
  • 『ナイト・ライド・ホーム』 - Night Ride Home (1991年)

トム・スコット

  • 『ディザイア』 - Desire (1982年)
  • 『ストリームラインズ』 - Streamlines (1987年)
  • 『フラッシュポイント』 - Flashpoint (1988年)
  • 『スモーキン・セクション』 - Smokin' Section (1999年) ※トム・スコット&ザ・L.A.エクスプレス名義

スティング

フランク・ザッパ

  • ジョーのガレージ』 - Joe's Garage (1979年)
  • ティンゼル・タウン・リベリオン』 - Tinseltown Rebellion (1981年)
  • 黙ってギターを弾いてくれ』 - Shut Up 'n Play Yer Guitar (1981年)
  • 『ザ・マン・フロム・ユートピア』 - The Man From Utopia (1983年)
  • 『ギター』 - Guitar (1988年)
  • 『オン・ステージ Vol.1』 - You Can't Do That on Stage Anymore, Vol. 1 (1988年)
  • 『オン・ステージ Vol.4』 - You Can't Do That on Stage Anymore, Vol. 4 (1991年)
  • 『オン・ステージ Vol.6』 - You Can't Do That on Stage Anymore, Vol. 6 (1992年)
  • 『雑派大魔神パリで逆鱗』 - Any Way the Wind Blows (1991年) ※Beat the Bootsシリーズ
  • 『ストリクトリー・コマーシャル - ベスト・オブ・フランク・ザッパ』 - Strictly Commercial (1995年) ※コンピレーション
  • 『ロスト・エピソード』 - The Lost Episodes (1996年)
  • Frank Zappa Plays the Music of Frank Zappa: A Memorial Tribute (1996年)
  • 『ハヴ・アイ・オフェンディッド・サムワン?』 - Have I Offended Someone? (1997年)
  • Son of Cheep Thrills (1999年)
  • Halloween (2003年)
  • Trance-Fusion (2006年)
  • Buffalo (2007年)
  • Chicago '78 (2016年)

その他

脚注

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注釈

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  1. ^ 1975年にザッパが率いていたザ・マザーズ・オブ・インヴェンションのメンバーだったトム・ファウラー(ベース・ギター)からオーディションの事を聞いた。
  2. ^ ザッパ・イン・ニューヨーク』(1978年)に収録された難曲。
  3. ^ ザッパは、ギタリストの即興演奏が実験領域にまで到達できるか否かはリズム・セクションが如何に高度なポリリズムを駆使できるかに依っている、と説明して、大賞に値するのはカリウタだと結んだ。

出典

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  1. ^ Modern Drummer’s Readers Poll Archive, 1979–2017 | Modern Drummer Magazine |” (英語). Modern Drummer Magazine. 2024年2月26日閲覧。
  2. ^ Vinnie Colaiuta” (英語). classic-drummer-hof. 2024年2月26日閲覧。
  3. ^ Vinnie Colaiuta | Artist | GRAMMY.com”. grammy.com. 2024年2月26日閲覧。
  4. ^ a b c Ulrich (2018), p. 60.
  5. ^ a b Miles (2004), p. 283.
  6. ^ Miles (2004), p. 277.
  7. ^ Zappa & Occhiogrosso (1990), p. 180.
  8. ^ Discogs”. 2024年6月5日閲覧。
  9. ^ Artist Biography by Wade Kergan”. AllMusic. September 16, 2017閲覧。

引用文献

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  • Zappa, Frank; Occhiogrosso, Peter (1990). The Real Frank Zappa Book. New York: Touchstone. ISBN 0-671-70572-5 
  • Miles, Barry (2004). Zappa. New York: Grove Press. ISBN 0-8021-4215-X 
  • Ulrich, Charles (2018). The Big Note: A Guide To The Recordings Of Frank Zappa. Vancouver: New Star. ISBN 978-1-55420-146-4 

外部リンク

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