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エイケン (アニメ制作会社)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
TCJ動画センターから転送)
ベインキャピタル > ビーシーピーイー マディソン ケイマン エルピー > ADKホールディングス > ADKエモーションズ > エイケン
株式会社エイケン
EIKEN Co.,Ltd.
本社
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
116-0003
東京都荒川区南千住6丁目56番7号
北緯35度44分9.59秒 東経139度47分42.28秒 / 北緯35.7359972度 東経139.7950778度 / 35.7359972; 139.7950778座標: 北緯35度44分9.59秒 東経139度47分42.28秒 / 北緯35.7359972度 東経139.7950778度 / 35.7359972; 139.7950778
設立 1969年3月10日
業種 情報・通信業
法人番号 1011501005618 ウィキデータを編集
事業内容
  • TV放送用アニメーション及びCF製作
  • 劇場用アニメーション制作
  • 同上関連事業
代表者 代表取締役社長 高田幸郎
資本金 1000万円
純利益
  • 4869万3000円
(2023年12月期)[1]
総資産
  • 7億7183万0000円
(2023年12月31日現在)[1]
従業員数 約50名
決算期 12月31日
主要株主
関係する人物
  • 村田英憲(創業者、名誉会長)
  • 毛内節夫(相談役、2代社長)
  • 中村達朗(顧問、3代社長)
  • 田中洋一(取締役)
  • 福永貴之(取締役)
  • 木村和広(取締役)
  • 金子知子(取締役)
  • 清水治行(監査役)
外部リンク eiken-anime.jp ウィキデータを編集
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株式会社エイケン: EIKEN Co.,Ltd.)は、日本アニメ制作会社。株式会社ADKエモーションズの連結子会社。日本動画協会正会員。

沿革

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前史

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1952年、テレビの放送開始に合わせ、テレビ受像機の輸入販売会社として、当時のヤナセ社長である梁瀬次郎の発案で日本テレビジョン株式会社[2]Television Corporation of Japan Co.,Ltd.、以下TCJ)が設立。しかし、テレビの普及が予想以上に早かったことから、1950年代半ばにはサイドビジネスとしてテレビCMの制作に手を出すようになり、間もなくそのCM制作の方が本業になっていた。そのCM制作の際にいわゆるアニメCMを多く手掛けていた事が、エイケン発足のきっかけとなる。

TCJ映画部発足~動画センター分社設立

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1963年、『鉄腕アトム』の影響でアニメブームが起きる直前、アニメCMの制作陣を分離独立する形で、TCJ映画部を発足。彼らを真っ先にテレビアニメ制作に当たらせ、『仙人部落』を制作した。その後、『鉄人28号』のヒットで、経営は軌道に乗る。最盛期には作画から編集に至るまで300名以上の従業員を抱えていた。

1969年3月10日、テレビアニメ制作を担っていた映画部が株式会社テイ・シー・ジェー動画センターとして分社化。映画部部長の村田英憲が社長に就任し、これを現在のエイケンの創業とした。同時期、これまでアニメ制作の中心だった企画室長の高橋茂人が上司の村田と袂を分かつ形で独立し、瑞鷹[3]を興した。分社に伴って人員を大幅に削減して経営をスリム化。社屋も東京都港区港南品川)から荒川区南千住の東京スタジアム(現在の荒川総合スポーツセンター)付近に移転した。

同年10月5日、『サザエさん』(フジテレビ系列)放送開始。1979年9月16日に最高視聴率となる39.4%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)し、放送開始から半世紀以上経過した現在も安定した視聴率を獲得する長寿番組に成長。国民的アニメとして広く認知される。以後、『サザエさん』の制作がエイケンの経営の柱となる。また、『サザエさん』はアニメ業界のデジタル化、ハイビジョン化を経てもハンドトレス、セル彩色、フィルム撮影といったアナログ作業工程を長らく堅持し続けた。映画用フィルムやセル画材の生産終了、アナログ作業に対応可能な外注先の事業撤退・廃業など物理的要因が重なり、2013年10月6日放送分よりデジタル作業工程に移行している。

エイケンに商号変更~現在

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1973年5月、TCJが保有株式をすべて譲渡したことにより、同社及びヤナセからは資本的に独立。株式会社エイケンに商号を変更した。社名は梁瀬が村田の名前「英憲」(ひでのり)の音読み(えいけん)を採用して命名した。株式譲渡に伴ってTCJはアニメーション制作事業から撤退したため、映画部ならびに動画センター時代に手掛けた作品の著作権は一部を除いてエイケンに移管されている。

現在地に移転するまでスタジオ[4]として使用された建物。2020年現在はホワイト急便荒川工場前店が入居している。

1976年10月1日、『ほかほか家族』放送開始。これ以降、フジテレビによる教養・情報系ミニアニメ(ミニ番組)枠は一貫してエイケンが制作を担当し、『親子クラブ』に至るまで幾度の放送時間変更を繰り返しながら続いた。同番組終了後もミニアニメ枠は維持され、2016年からは『ぼのぼの』を制作・放映している。

1990年、自社ビルが完成し、現在地に社屋を移転する。同年以降、企画・製作した作品の制作管理はメルヘン社マジックバスなど同業他社に委託し、エイケン自体は『サザエさん』の制作に専念するようになる。

2002年7月、エイケンの発行済み株式の70%を広告代理店アサツー ディ・ケイ(ADK)が取得し、同社の子会社となる。併せて、ADK特別顧問の関谷猪三男が取締役会長に就任した。また、フジテレビも同時期に株式の10%を取得している。

2007年、会長の関谷が退任。創業者で代表取締役社長の村田が代表取締役会長に就任し、副社長の毛内節夫が代表取締役社長に就任した。

2008年、東京国際アニメフェア2008にて、村田が第4回功労賞表彰を受章。

2014年、「エイケンクラシカル」ブランドを立ち上げ。ベストフィールドにより、初期作品のDVD-BOXが展開された。

2017年8月31日、村田英憲が代表取締役を退任し、名誉会長に就任した[5]

2018年3月10日、2019年に分社化から50周年を迎えるのに伴い「エイケン50周年プロジェクト」を開始。併せてエイケンがこれまで制作した人気アニメの登場キャラクターが集合したメインビジュアルも公開された[6]

同年3月27日、毛内節夫が代表取締役を退任して取締役相談役に異動したことに伴い、取締役の中村達朗が代表取締役社長に昇任した。

2023年3月27日、中村達朗が代表取締役を退任して顧問に異動したことに伴い、ADKマーケティング・ソリューションズ出身の高田幸郎が代表取締役社長に就任した。

作品履歴

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テレビアニメ

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TCJ時代
開始年 放送期間 タイトル 名義 備考
1963年 9月 - 1964年2月 仙人部落 TCJ
10月 - 1966年11月 鉄人28号
11月 - 1964年12月 エイトマン
1965年 1月 - 1967年1月 スーパージェッター
5月 - 1967年3月 宇宙少年ソラン
6月 - 1966年5月 遊星少年パピイ
1966年 6月 - 1967年2月 遊星仮面
1967年 4月 - 12月 冒険ガボテン島
10月 - 12月 スカイヤーズ5(モノクロ版)
1968年 9月 - 1969年3月 サスケ
1969年 4月 - 9月 忍風カムイ外伝 TCJ動画センター
10月 - サザエさん TCJ動画センター→エイケン
12月28日[7][8] こおろぎの冒険[9] TCJ 共同制作:アメリカ合衆国の旗ビデオクラフト
1970年 3月 - 7月 動物村ものがたり TCJ動画センター
4月 - 9月 ばくはつ五郎 TCJ
10月 - 1971年3月 のらくろ TCJ動画センター
1971年 10月 - 1972年3月 スカイヤーズ5(カラー版) TCJ
1972年 10月 - 1973年9月 おんぶおばけ TCJ動画センター
エイケン時代
開始年 放送期間 タイトル 備考
1973年 10月 - 1974年3月 冒険コロボックル
1974年 10月 - 1975年3月 ジムボタン
1975年 7月 - 8月 イルカと少年 フランスとの合作
1976年 4月 - 9月 UFO戦士ダイアポロン
10月 - 1982年3月 ほかほか家族
10月 - 1977年2月 UFO戦士ダイアポロンII
1980年 4月 - 8月 キャプテン(スペシャル版)
1981年 4月26日 どんべえ物語
1983年 1月 - 7月 キャプテン(TVシリーズ版)
1984年 4月 - 9月 ガラスの仮面
7月 - 8月 銀河パトロールPJ フランスとの合作
10月 - 1987年4月 ドタンバのマナー
1985年 4月 - 1986年9月 六三四の剣
1987年 4月 - 1994年9月 ことわざハウス
1988年 10月 - 1992年3月 ハーイあっこです
1989年 10月 - 1990年12月 シートン動物記 共同制作:サンシャインコーポレーション・オブ・ジャパン
1990年 9月15日 コボちゃんスペシャル 秋がいっぱい!! シリーズ制作協力:メルヘン社
1991年 9月15日 コボちゃんスペシャル 夢いっぱい!!
1992年 10月 - 1994年3月 コボちゃん(TVシリーズ版)
1994年 9月15日 コボちゃんスペシャル 祭りがいっぱい!
10月 - 2013年3月 親子クラブ 制作協力:ワック、ロケットビジョン(2009年頃~)
1996年 4月 - 1997年6月 いじわるばあさん(第2作) シリーズ制作協力:メルヘン社
1998年 9月15日 コボちゃんスペシャル 約束のマジックディ
2000年 12月 - 2001年3月 すてき!さくらママ 初のデジタル制作作品
2005年 3月 ゴキブリちゃん シリーズ制作協力:リバティシップ
2013年 4月 - 2016年3月 鉄人28号ガオ! シリーズ制作協力(作画工程):TYOアニメーションズ
2016年 4月 - ぼのぼの シリーズ制作協力(作画工程):ゆめ太カンパニー

劇場アニメ

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公開年 タイトル 名義
1971年 忍風カムイ外伝 月日貝の巻 TCJ動画センター

OVA

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発売年 タイトル 名義 備考
1991年 生命の科学ミクロパトロール エイケン フランスとの合作

Webアニメ

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配信年 タイトル 名義 備考
2009年 家電クンフー エイケン パイロットアニメ

制作・製作

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タイトル 制作元請 備考
1992年 クッキングパパ サンシャインコーポレーション・オブ・ジャパン -1995年、製作
1996年 きこちゃんすまいる マジックバス -1997年、製作
1998年 男はつらいよ 寅次郎忘れな草 テレビ版アニメ製作
2001年 ゴーゴー五つ子ら・ん・ど -2002年、製作
2005年 プレイボール -2006年、制作

制作協力

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タイトル 名義 制作元請 備考
2015年 バケモノの子 エイケン スタジオ地図 美術
2017年 メアリと魔女の花 スタジオポノック 美術協力
2018年 クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜 シンエイ動画 動画
ちびまる子ちゃん 日本アニメーション -2022年、動画
バキ TMS/だぶるいーぐる 第二原画
少女☆歌劇 レヴュースタァライト キネマシトラス
ドラえもん シンエイ動画 -2019年、原画、第二原画
劇場版 はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン~ 日本アニメーション 作画協力
DOUBLE DECKER! ダグ&キリル サンライズ 動画
2019年 映画ドラえもん のび太の月面探査記 シンエイ動画 第二原画
クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜
チャックシメゾウ 日本アニメーション 原画(若手アニメーター)
バースデー・ワンダーランド SIGNAL.MD 動画協力
2020年 ハクション大魔王2020 タツノコプロ
日本アニメーション
動画、仕上げ
名探偵コナン トムス・エンタテインメント 動画
SUPER SHIRO サイエンスSARU
半妖の夜叉姫 サンライズ -2021年、動画
2021年 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ 動画
それいけ!アンパンマン ふわふわフワリーと雲の国 トムス・エンタテインメント
SCARLET NEXUS サンライズ
2022年 ラブオールプレー 日本アニメーション
OLM
原画、第二原画
犬王 サイエンスSARU 第二原画
カードファイト!! ヴァンガード will+Dress キネマシトラス
ぎふとアニメーション
STUDIOJEMI
仕上

その他

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タイトル 名義 備考
1966年 なるへそくん TCJ パイロットフィルム
1967年 アルプスの少女ハイジ
ケネディ騎士団 TCJ動画センター
1969年 忍者武芸帳 TCJ
ワタリ
1987年 志村けんのだいじょうぶだぁ エイケン -1993年、テレビ番組、オープニングタイトルアニメーション制作

脚注

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  1. ^ a b 株式会社エイケン 第56期決算公告、2024年(令和6年)5月9日付「官報」(号外第111号)40頁。
  2. ^ 放送局である日本テレビ放送網とは関係ない。
  3. ^ ムーミン』や『アルプスの少女ハイジ』の制作会社
  4. ^ 杉山卓著「アニメハンドブック」(1980年、秋元書房)の「第四部 アニメーションづくりをしているプロダクションの名鑑」の項では1980年時点の所在地が荒川区南千住6-27-7と記載されている。
  5. ^ 2018年3月27日付で名誉会長を辞し、創業者として扱われている。
  6. ^ エイケン50周年記念特設ページ
  7. ^ NHKクロニクル
  8. ^ アメリカでは『Cricket on the Hearth』というタイトルで1967年12月18日にテレビ放送。
  9. ^ TCJの資料では『炉端のコオロギ』として表記されている。TCJ会社案内パンフレット(1967年)、3p。

参考文献

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同社スタッフ・OBが独立・起業した会社

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現在
過去
  • アド・コスモ - 美術スタッフを務めた泉谷実が現代制作集団出身の山本善之と設立。美術部門は解散し、事業もスタジオ・コスモに承継された。
  • パンメディア - 制作進行を務めた大場伊紘がズイヨー映像、日本アニメーションを経て設立。現在は解散。
  • キュープロ - 撮影スタッフの柳田久次郎が設立。現在は廃業。
  • スタジオズィーベン - 撮影スタッフの新井隆文が設立。現在は廃業。
  • ジェック・イー - アニメーターの小林勝利が金子勲、堀越新太郎、岡田宇啓らとともに設立。スタジオエルに吸収合併。

関連人物

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アニメーター・演出家

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  • 関修一
  • 国保誠
  • 片野功
  • 関本典孝
  • 本多康之
  • 森田浩光
  • 藤原舞
  • 西阪晃子
  • 根岸真知子
  • 小池達也
  • 清川康太
  • 本田奈留美
  • 関口優花
  • 山崎立士(アサツー ディ・ケイ出身)
  • 長友孝和
  • 岩澤秀平
  • 岩崎翔
  • 前園文夫
  • 牛草健
  • 川口準之祐
  • 金田莉子

制作・プロデューサー

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その他

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  • 野坂律子(脚本家、文芸担当)
  • 江川真規(美術→文芸担当)
  • 面出明美(脚本家、元文芸担当)
  • 成島由紀子(脚本家、元文芸担当)
  • 大浜誠(脚本家、元文芸担当)
  • 中座洋次(草薙創業者、元美術担当)
  • 藤田勉(スタジオWHO代表、元美術担当)
  • 中島理(フリー、元美術担当)
  • 宇田川幸勅(宣伝担当、現:テレビせとうち
  • 近藤栄三(制作担当、元総合ビジョンプロデューサー、現:NHKエンタープライズ
  • 吉田宰祐(制作担当)
  • 貝田貴仁(制作担当)

外部リンク

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