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スーパーマリオカート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Super Mario Kartから転送)
マリオシリーズ > マリオカートシリーズ > スーパーマリオカート
スーパーマリオカート
Super Mario Kart
ジャンル レースゲーム
対応機種 スーパーファミコン(SFC)
開発元 任天堂情報開発本部
発売元 任天堂
販売元 任天堂
プロデューサー 山内溥(エグゼクティブプロデューサー)
宮本茂
ディレクター 杉山直
紺野秀樹
プログラマー 木村雅人
矢嶋肇
山本健二
音楽 岡素世
阪東太郎
美術 杉山直
森直樹
小田部羊一
MIE YOSHIMURA
小泉歓晃
シリーズ マリオカートシリーズ
人数 1 - 2人
メディア 4メガビット+16キロRAMロムカセット[1]
DSP-1チップ搭載
発売日 SFC
日本の旗 1992年8月27日
アメリカ合衆国の旗 1992年9月1日
欧州連合の旗 1993年1月21日
Wii(VC)
日本の旗 2009年6月9日
アメリカ合衆国の旗 2009年11月23日
欧州連合の旗 2010年4月2日
Wii U(VC)
日本の旗 2013年6月19日
アメリカ合衆国の旗 2014年3月27日
欧州連合の旗 2014年8月6日
Newニンテンドー3DS(VC)
欧州連合の旗 2016年3月17日
アメリカ合衆国の旗 2016年3月24日
日本の旗 2016年5月9日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
ESRBE(6歳以上)
PEGI3
売上本数 世界の旗 876万本(2022年12月末時点)[2]
日本の旗 382万本(2022年12月末時点)[3]
テンプレートを表示

スーパーマリオカート』(Super Mario Kart)は、任天堂が1992年8月27日に発売したスーパーファミコンゲームソフトマリオシリーズに登場するキャラクターがカートに乗ってレースやバトルを行うマリオカートシリーズの1作目。

本作は日本国内におけるスーパーファミコン用ソフトで最高売り上げを記録した[4]。また、レビューにて高評価を得て(#評価)、後に他機種版も発売された(#他機種版)。

システム

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アクセルやハンドル操作のほか、小さくジャンプ(ミニジャンプ)したり、ドリフト走行ができる[5]。ドリフト中はハンドル操作の挙動が変わり、急カーブを曲がりやすくなる。ブレーキをかけると、アクセルを離した時(エンジンブレーキ)よりも少し強めに減速する[注釈 1]。また、スタートと同時に急加速する「ロケットスタート」がある[6]

コース中に落ちているコインを拾えば、1枚に応じて1段階ずつ、最大10段階までスピードアップできる。他のカートとの接触で1枚、水没・転落からジュゲムに釣り上げてもらうと2枚、アイテムやスーパードッスンへの接触、イナズマ攻撃、スター効果中の体当たりによるスピンで4枚のコインを失う。コインが無い状態で他のカートと接触すると、カートがスピンして一時的に止まってしまう。

「?マーク(アイテムパネル[7])」を踏むと、ルーレット形式でいずれかの「アイテム」を入手する。相手のカートを妨害する、自分のカートをパワーアップさせるなど、アイテムによって用途が異なる。

本作はシリーズ中唯一、1人プレイでもゲーム中の画面が上下2分割されている。これは2人でプレイすることを重視しているためである[8]。1人プレイの場合は、上半分がレース画面、下半分がコース全体図もしくはバックミラーとして背後の様子が表示される。コース全体図とバックミラーの切り替えは可能だが、背後の敵カートがアイテムで攻撃する際は、自動的にバックミラーに切り替わる。2人プレイの場合は、上半分が1人目、下半分が2人目のレース画面となるため、これらの機能は使えない。

これらを駆使しながら、コースを5周するまでの時間を競うのが、このゲームの目的である。また、いずれかのプレイヤーが5周目(ファイナルラップ)に突入すると、『スーパーマリオブラザーズ』などの「タイムアップ警告音」が流れた後、BGMのテンポが速くなる。なお、レース中の経過時間は10分の位まで表記されているが、実際には9分59秒99までしか計測されない。

プレイモード

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プレイモードは4つに大別され、1人用の「1プレイヤー ゲーム」では2種類、2人用の「2プレイヤー ゲーム」では3種類のモードで遊べる。各レースの結果に応じたポイントを稼いで総合順位を競うほかにも、自らの限界タイムに挑んだり、プレイヤー同士の1対1で対決したりすることもできる。また、他のカートへの妨害要素そのものをテーマにしたモードも用意されている。

マリオカートGP

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8台のカートで競争を行い、コースごとの結果を積み重ねて総合優勝を目指す。プレイヤーが選択しなかったドライバーはCOMキャラクターとして登場し、それぞれ専用のアイテムで妨害してくる。

このモードのみエンジンを「50cc クラス」と「100cc クラス」から選択可能で、50ccを選ぶとカートの最高速度が下がる。レースには「キノコカップレース」、「フラワーカップレース」、「スターカップレース」がある。100ccでキノコ・フラワー・スターカップすべてで優勝すると、コースの難易度が高い「スペシャルカップレース」(100ccのみ)が追加される。スペシャルカップレースで優勝すると、各カートの最高速度が100ccよりも高い「150cc クラス」(スペシャルカップを含む全レース)が追加される[9]

4位以内でゴールすれば次のコースへ進めるが、5位以下(「2プレイヤー ゲーム」では2人とも5位以下の場合)だと失格となり、もう一度そのコースを走らなければならない(リトライ)。リトライできるのは3回までで、0の状態で失格になるとゲームオーバーとなってしまう。「2プレイヤー ゲーム」で一方が4位以内、もう一方が5位以下でゴールした場合は次のコースへ進めるが、5位以下のほうのプレイヤーは失格となりリトライ回数が1つ減る。同じ順位を3回取った場合はリトライ回数が1つ増える[注釈 2][9]。途中で棄権(リタイア)することも可能で、この場合は最下位として扱われる[注釈 3]

プレイヤーが次のコースへ進むたびに、上位4人のドライバーへ「ドライバーズポイント」が加算される(1位9ポイント、2位6ポイント、3位3ポイント、4位1ポイント)。プレイヤーが最終コースを4位以内でゴールし、総合成績が3位以内であればトロフィーが贈呈され、データに記録される。優勝した場合、金色のトロフィーが贈呈されシャンパンファイトとなる。なお、日本版では優勝時に表彰式でシャンパンを一気飲みするキャラクターもいるが、海外版では飲酒表現に対する自主規制が入り、変更されている[10]

カート選択画面で特定のコマンドを入力すると、プレイヤーのカートが小さくなった状態でプレイすることが可能[11]。この場合、レース終了までずっと小さい状態となり、最高速度が低い上に他車に接触すると踏み潰されてしまうため、難易度が大幅に上昇する。また、ある場面で隠しコマンドを入力すると、キノコ・フラワー・スターカップで優勝していなくてもスペシャルカップレースをプレイできるようになる[注釈 4][6]

タイムアタック

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「1プレイヤー ゲーム」専用。コースを1台のみで走行し、いかに速くゴールできるかを目指す。マリオカートGPに登場するすべてのコースの中から好きなコースを1つ選択して走行することができる(スペシャルカップレースのコースはGPでスペシャルカップが追加されてから選択可能となる)。ただしコース内にコインやアイテムは登場しない。

完走すると直前の走行の様子をビデオ再生する「リプレイ」コマンドが現れる。また、コースアウトや障害物への衝突などミスをせずに完走した場合は、「リプレイ」の時にアングルを変えながら見ることができるほか、その走り方をそっくり再現する「ゴースト」が次回のタイムアタックから出現する。ある隠しコマンドを入力すると、ゴーストのデータを1つだけ保存することができる[12](別のゴーストを保存した場合はゴーストが上書きされ、前に保存したゴーストは消去される)。

VSマッチレース

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「2プレイヤー ゲーム」専用。1つのコースを走り、相手より先にゴールすることを目指す。マリオカートGPに登場するすべてのコースの中から好きなコースを1つ選択して走行することができる(スペシャルカップレースのコースはGPでスペシャルカップが追加されてから選択可能となる)。「マリオカートGP」と同様にコインやアイテムが出現する。

このモードではコース上でキラー[13]が往復しており、触れると甲羅などと同等のダメージを受けてしまう。

バトルゲーム

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「2プレイヤー ゲーム」専用。アイテムを使用した攻撃そのもので勝敗を競う。そのため、カートとアイテムを利用した純粋なバトルとなっており、レース形式を一切採らないため、ゴールというものが存在しない。コースも専用のものを使用し、4種類から選択する。

双方のカートに3つの風船が付いており、攻撃を受けるごとに1個減るため、何度攻撃を受けたかがわかるようになっている。先に相手の風船を全て割ったプレイヤーが勝者となる。

ドライバー

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各ドライバーは2体ずつ4つのタイプに分けられ、タイプごとに最高速度、加速力、コーナリング性能などが異なっている。

標準性能タイプ - マリオルイージ
初期加速は平均的。最高速度は2番目に速いが、それに達するのに要する時間は最も長い[14]。中型カートのため、どのタイプのカートとぶつかっても片方が一方的に弾かれることはない。
大半のダートに弱く、草地などに入った時のスピードが遅め。平均以上のコーナリング性能を活かした正確な走りが求められる。
加速重視タイプ - ピーチ姫ヨッシー
最も初期加速に優れており、敵カートに攻撃されてもすぐに態勢を立て直すことができる。ただし、スピードが上がると急激に加速力が下がり、最高速度に達するのに時間がかかる[14]
コーナリング性能が低いため、滑りやすいオフロードコースは苦手。小型カートのため、高速安定タイプにぶつかると一方的に弾かれてしまう[13]
高速安定タイプ - クッパドンキーコングJr.
最高速度が最も速く、タイムアタックには最適。また、スピードが一定以上に達すると急加速するという変わった特徴も持っており、ダートから脱出した後の回復力に優れる[14]。大型カートのため他車との衝突に強く、相手が加速重視タイプか軽量機敏タイプなら一方的に弾き飛ばすことができる。
反面、初期加速は圧倒的に弱く、一度のミスが命取りになる。コーナリング性能が低く滑りやすいため、ドリフトやエンジンブレーキの重要性が高い。
軽量機敏タイプ - ノコノコキノピオ
初心者向けのタイプ[15]。最高速度は最も遅いが、スピードが上がっても加速力があまり下がらない[14]。加えてコーナリング性能が高く、大半のダートに強いため、苦手なコースはほとんどない。
ただし、加速重視タイプと同様に小型カートのため、高速安定タイプにぶつかると一方的に弾かれてしまう。

アイテム

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「マリオカートGP」と「VSマッチレース」における各アイテムの出現率はコースによって異なる。加えて、「1周したかどうか」「現在の順位」に応じて3段階で変化する[16]

ミドリ甲羅
前方に直進し、壁に当たると跳ね返る。命中したカートはスピンする。本作では十字キーの下を押しながら使用すると、COMキャラクターのノコノコと同様、後方にミドリ甲羅を「設置」することが可能[17]
アカ甲羅
一瞬だけ直進してから、1つ前のカート[注釈 5]を追尾する。命中したカートはスピンする。カートに当たる前に壁に当たると、跳ね返ることなく消滅する。
バナナの皮
後方にバナナの皮を設置する。十字キーの上を押しながら使用すると、COMキャラクターのドンキーコングJr.と同様、前方に放物線上に投げることも可能[17]。前方に投げた場合、着地した地点に設置される。
羽根
その場で大ジャンプする。アイテムや障害物を避けたり、壁や穴を飛び越えてショートカットしたりできる。
キノコ
一瞬だけスピードが上がる。この間にジャンプバンを踏むと、羽根を使った時のように大ジャンプができる。
スター
一定時間無敵状態になる。無敵状態のときに他のカートに接触すると、相手のカートがスピンするほか、アイテムや障害物によるダメージをすべて無効化する。また無敵状態では加速力や最高速度も高くなる。ただし無敵状態中にコースアウトするとその場で効果が切れる。
イナズマ
一定時間、自分以外の全員を小さくしてスピードダウンさせる。小さい状態で通常サイズのカートに触れると潰れてしまい、大幅なタイムロスとなる[注釈 6]。「バトルゲーム」では出現しない。
コイン
その場でコイン2枚を手に入れる。「バトルゲーム」では出現しない。
テレサ
相手の画面から姿を消し、同時に相手が持っているアイテムを奪う。本作の時点では無敵の効果はない。「マリオカートGP」では出現しない。

COMキャラクターのアイテム

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プレイヤーが2位以下のときはすぐ前方を走っている1台のみ、プレイヤーが1位のときはすぐ後方を走る1台(周回遅れ含む)のみが使う。原則的にアイテムは種類に関わらず「設置する」のみ[注釈 7]。プレイヤーと異なり制限無く使用可能だが、キャラクターによって使用アイテムが限定されている。ただし、プレイヤーが使用したバナナの皮や甲羅を大ジャンプで回避することがある。

無敵[18]
マリオとルイージはアイテムを設置せず、スターと同様に無敵の効果を得る。ただし、スピードは上がらない。
毒キノコ
ピーチ姫とキノピオが使用。触れると小さくなってしまい、この状態で敵カートに接触すると潰されてしまう。一定時間が経過するか、潰されると元の大きさに戻る。小さい状態で触れると即座に元の大きさに戻る。
ヨッシーが使用。見た目以外はノコノコのミドリ甲羅と同じ。
火の玉
クッパが使用。設置された後は円を描きながら移動するため、回避が難しい。
バナナの皮
ドンキーコングJr.が使用。プレイヤーが使用するものと同じ。
ミドリ甲羅
ノコノコが使用。前述の通り、プレイヤーの後方を走っていても前方に「設置」する。

コース

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4つのカップにそれぞれ5コースずつ、合計20コースで構成されている[注釈 8]

キノコカップレース
マリオサーキット1
ドーナツ平野1
おばけ沼1
クッパ城1
マリオサーキット2
フラワーカップレース
チョコレー島1
おばけ沼2
ドーナツ平野2
クッパ城2
マリオサーキット3
スターカップレース
ノコノコビーチ1
チョコレー島2
バニラレイク1
クッパ城3
マリオサーキット4
スペシャルカップレース
ドーナツ平野3
ノコノコビーチ2
おばけ沼3
バニラレイク2
レインボーロード

これらのコースは以下の8つの系統に大別され、同じ系統のコースは似たようなレイアウトのものが多い。障害物のうち一部は取扱説明書にて「おジャマ敵キャラ」と紹介されており、これらは共通して特定の手段を用いることで除去できる。

マリオサーキット
砂地に囲まれたサーキットコース。路面のグリップがよい。
おジャマ敵キャラは単なる壁の土管だが、「2」からはオイルが撒かれている場所があり、プレイヤーのカートがその上を通ると短時間スピンする(コインは失わない)。
ドーナツ平野
平野の中にあるオフロードの自然系コース。マリオサーキットに比べやや路面が滑りやすい。沈む池の仕掛けがあり、自力で脱出可能だが、一定時間が経つとジュゲムに救出されることになる。
「2」と「3」ではおジャマ敵キャラとしてチョロプーが登場。一定の間隔で穴から飛び出て、プレイヤーのカートに触れるとカートに張り付き減速させられる。「1」ではチョロプーはおらず、ダート上に同コース限定の赤い土管がある。
おばけ沼
テレサが佇む板張りのコース。大部分が直線と直角コーナーで構成されている。アイテムを使わないと利用できず、コントロールの難しいショートカットが、各コース内に1か所ずつ存在する。
アイテムの出現率が他のコースと大きく異なり、羽根やテレサが出現しやすく、逆に甲羅は出にくくなっている[16]
おジャマ敵キャラはいないが、コース端の木製ブロックに衝突すると、そのブロックは崩れて消えてしまう。また、もともとブロックがない場所も多い。ブロックのない場所でコースアウトすると転落し、強制的にジュゲムに救出されることになる。
クッパ城
煮えたぎる溶岩の上に敷かれたコース。直線と直角コーナーで構成され、大部分が石のガードレールに覆われており、壁にぶつかりやすい。ジャンプバンで溶岩を飛び越える場所が多く、溶岩に落ちると即ジュゲムに釣り上げられることになる。
おジャマ敵キャラはドッスン。落下と上昇を繰り返しており、地上にいるときには障害物となるほか、落下時に真下にいると押し潰されて大幅なタイムロスとなる。
チョコレー島
褐色の荒野を舞台とする、路面が滑りやすいオフロードの凸凹コース。濃い色の沼に入ると速度が下がり、泥がカートに絡み付き路面よりも滑りやすく、コントロールが難しい。さらに側部のダートは非常に重く、入ると極端に速度が下がる。
至る所にギャップがあり、ギャップの上に乗るとカートが少し跳び上がる。速度に応じて跳び上がる高さが変化し、ジャンプバンで発生する最低限の加速は起きない。
おジャマ敵キャラはパックンフラワー。ダート地帯に大量に配置されており、当たると短時間スピンする。
ノコノコビーチ
海に囲まれた小島で構成されたコース。チョコレー島より路面が滑りやすい。海の色が薄い浅瀬は速度が若干落ちるものの通れるが、海の色が濃い場所に進入すると水中に沈む。
おジャマ敵キャラはプクプク。至る所で跳ねており、接触すると短時間スピンする。
バニラレイク
雪原と氷原で構成されたコース。氷で出来た路面のため、全コースの中で最も路面が滑りやすく、カートのコントロールが難しい。また、ダート部分の雪原では大幅に速度が下がる。氷が割れて穴が空いている場所があり、侵入すると水中に沈む。
標準性能タイプは基本的にダートに弱いが、バニラレイクの雪原を走っている時だけは最も速い。
おジャマ敵キャラは土管だが、衝突すると消える氷のタイルが回避困難なほどに敷き詰められている。ある程度壊すことを前提としたうえで、繊細なコース取りが要求される。
レインボーロード
宇宙に浮かぶ虹色のタイルの上を走る、本作の最終コース。カーブは全て直角で、路肩には一切フェンスがない上に、外部は全て穴である。路面のグリップはマリオサーキットと同等だが、コースの幅が狭く非常にコースアウトしやすい。また、コインが黄色いタイルと同化しており、非常に確認しづらい。
おジャマ敵キャラは激しく点滅しているスーパードッスン。狭い道に大量に配置されている上、触れただけで甲羅などと同等のダメージを受けてしまう、非常に厄介なキャラクターである。

バトルコース

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「バトルゲーム」で使用する4種類のコース。( )内はデザインの流用元を示す。

バトルコース1(ドーナツ平野)
最もフェンス(間仕切り)が少ない「練習用コース」[15]。外側の形状が東西南北で異なっている。
バトルコース2(ノコノコビーチ)
フェンスの配置が他の3コースと異なっている。羽根で飛び越えなければ入れず、バナナ以外の相手の攻撃アイテムが届かない水場(浅瀬)にも、「?マーク」が数枚ある。
バトルコース3(バニラレイク)
コーナーに氷のタイルが置かれており、路面は非常に滑りやすい。
バトルコース4(マリオサーキット)
最もフェンスが多く、面積も大きい。中央に砂のダートが存在する。

他機種版

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No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 備考
1 スーパーマリオカート 日本 200906092009年6月9日
アメリカ合衆国 200911232009年11月23日
ヨーロッパ 201004022010年4月2日
Wii 任天堂情報開発本部 任天堂 ダウンロード
バーチャルコンソール
2 スーパーマリオカート 日本 201306192013年6月19日
アメリカ合衆国 201403272014年3月27日
ヨーロッパ 201408062014年8月6日
Wii U 任天堂情報開発本部 任天堂 ダウンロード
(バーチャルコンソール)
3 スーパーマリオカート ヨーロッパ 201603172016年3月17日
アメリカ合衆国 201603242016年3月24日
日本 201605092016年5月9日
Newニンテンドー3DS 任天堂情報開発本部 任天堂 ダウンロード
(バーチャルコンソール)
4 ニンテンドークラシックミニ
スーパーファミコン
アメリカ合衆国 201709292017年9月29日
ヨーロッパ 201709292017年9月29日
日本 201710052017年10月5日
- 任天堂 任天堂 内蔵ソフト
5 スーパーファミコン
Nintendo Switch Online
アメリカ合衆国 201909062019年9月6日
日本 2019年9月6日[19]
Nintendo Switch 任天堂 任天堂 ダウンロード 2021年5月26日に特別版「フルコースでおもてなしバージョン」が配信

オリジナル版ではアイテムのイナズマを使用した時に画面全体が赤色と青色で交互に点滅する演出があるが、1997年に発生したポケモンショックの影響で、他機種版では青色のみの1色の点滅表現に変更されている。

開発

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本作は、プロデューサーの宮本茂、ディレクターの杉山直および紺野秀樹ら8人を中心に1年かけて開発された[20]。 本作は「2人用の『F-ZERO』」[注釈 9]を起点として、まず『F-ZERO』のマルチプレイ化の実験が行われたが、ハードの制約上、同作のような長い直線コースを2画面で表示することは不可能であることが判明した[20]。そこで2画面の中に納まるよう、曲がりくねったコースデザインが設計され、必然的に速度の遅いカートレースが題材となった[20]。コース設定に当たってはヤマハリゾート合歓の郷への取材が行われた[20]。また、順位を競うレースのほか、2人で対戦できるコミュニケーションツールとして本作を考えていた紺野は、風船を割るアイデアが出てきたことが、バトルモードになったと述懐している[21]

キャラクターに関しては、初期の段階においてマリオを題材にすることは決まっておらず、運転手はつなぎを着てヘルメットをかぶった男性として描かれていたが、シルエットが共通しているため、後ろ姿での見分けがつかなくなるという欠点が判明した[20]。そこで試しにマリオを乗せてみたところ見分けがつきやすくなったことから、マリオシリーズの世界観を取り入れることが決まった[20]。さらに、マリオとルイージは色で見分けがつくことに加え、多様性を持たせることができるのも、決め手の一つとなった[20]。そして後ろから見た時のわかりやすさを基準に他のキャラクターの選定も行われた[20]。その中でドンキーコングJr.に関して、「Jr.」の方が採用された理由については、杉山と紺野はシャツを着用していることでのデザインのしやすさがあったのではと語っている[20]。一方で宮本は1992年に発売された攻略本のインタビューにて「アーケードゲームとしての『ドンキーコングJR.』が10周年のアニバーサリーであったために起用した」と述べている[20]

初期案におけるCOMキャラクターの妨害アイテムは運転手に合わせてオイル缶にしていたが、運転手がマリオに変更されたのに伴い、COMキャラクターの妨害アイテムの多様化も図られ、たとえばドンキーコングJr.は好物の「バナナ」に変更された[20]。ほか、前を走っているカートを撃ちたくなったことで、「コウラ」が生まれ、大逆転要素の一つとして「イナズマ」が生まれた[20]

作曲者は岡素世[22]、坂東太郎。過去のスーパーマリオシリーズ作品のBGMはあまり使用されず、おばけ沼、クッパ城、スターによる無敵状態で流れるBGMを除いてオリジナルのものとなっている。

CM
発売当時のCMでは、マリオ達がレースをしているアニメーションが流れ、ゲーム中の映像は使用されなかった。ナレーションは広川太一郎が担当した[注釈 10]

スタッフ

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  • エグゼクティブ・プロデューサー:山内溥
  • プロデューサー:宮本茂
  • プログラマー:木村雅人、矢嶋肇、山本健二
  • C.G.デザイナー:杉山直、森直樹
  • サウンド・コンポーザー:岡素世、阪東太郎
  • イラストレーター:小田部羊一、MIE YOSHIMURA、小泉歓晃
  • マニュアル・エディター:手嶋敦史
  • ディレクター:杉山直、紺野秀樹

評価

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評価
集計結果
媒体結果
GameRankings93.60% (SFC)[24]
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム5/5stars (SFC)[23]
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー8.5/10点 (SFC)[24]
ファミ通32/40点 (SFC)[25]
(ゴールド殿堂)
GamePro5/5stars (SFC)[24]
IGN9/10点 (Wii)[26]
NintendoLife9/10stars (Wii)[26]
7/10stars (New 3DS)[27]
Official Nintendo Magazine92% (SFC)[28]
ファミリーコンピュータMagazine24.57/30点 (SFC)[1]
(総合14位)
Cubed39/10点 (SFC)[29]
Electronic Games93% (SFC)[30]
HonestGamers10/10点 (SFC)[31]
Nintendojo9.5/10点 (SFC)[32]
Thunderbolt10/10点 (SFC)[33]
受賞
媒体受賞
SUPER FAMICOM Magazineゲーム通信簿部門別ベスト30
総合14位[34]
キャラクタ12位[34]
操作性17位[34]
熱中度9位[34]
お買い得度14位[34]
オリジナリティ19位[34]
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、8・9・8・7の合計32点(満40点)でゴールド殿堂入りを獲得[25]、レビュアーからの肯定的な意見としては、「『F-ZERO』のシミュレーター的味わいを薄め、ずっとゲーム寄りに仕上げている」、「キャラクターも個性がハッキリしてて◎」、「多くのフィーチャーを組み込んだおかげで、とても親切なゲームになっている」などと評されているが、否定的な意見としては、「好きに走れない分、イライラするなんて人もいる」、「シビアなバトルはあまり期待できない」、「『F-ZERO』ほどの衝撃はない」、「(F-ZEROと)どっちがいいかという比較は難しい」などと評されている[35]
  • ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、24.57点(満30点)となっている[1]。この得点はスーパーファミコン全ソフトの中で14位(323本中、1993年時点)となっている[1]。また、同雑誌1993年8月情報号特別付録の「スーパーファミコンオールカタログ'93」では、「同じ任天堂のレースゲーム、『F-ZERO』にはなかった2人対戦モードができるようになったのが大きな魅力だ」と紹介されている[1]。その他、『SUPER FAMICOM Magazine』1993年8月情報号特別付録の「スーパーファミコンオールカタログ'93」巻末に収録されている「部門別ベスト30」では、キャラクタ12位、操作性17位、熱中度9位、お買い得度14位、オリジナリティ19位を獲得している[34]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 4.45 3.85 4.00 4.34 3.88 4.05 24.57

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 本作の時点ではバック走行やスピンターンはできない。
  2. ^ 連続で同じ順位を取らなかった場合や、5位以下の場合でも有効で、ゲームオーバーと重なった場合もこちらが優先される。
  3. ^ リトライ回数増加の条件にはあたらない。
  4. ^ タイムアタック、VSマッチレースでもスペシャルカップレースのコースを選択できるようになる。
  5. ^ 1位の場合は最下位、「VSマッチレース」と「バトルゲーム」では敵プレイヤー。
  6. ^ COMキャラクターはスピンするのみ。
  7. ^ プレイヤーの後方にいる場合(周回遅れを含む)は放物線上に投げる。
  8. ^ マリオサーキット、レインボーロード以外のコース名の表記は、取扱説明書のように数字のみが付記されるものと、ゲーム中のように数字の前に「コース」が挿入されるものの2通りがある。本項では後のシリーズに合わせ、前者の表記を採用している。
  9. ^ 正確には「2人で遊べる、2人の画面を同時に出すレースゲーム」[21]
  10. ^ 広川は同業他社であるセガのCMナレーションも同時期担当していた。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e 「8月情報号特別付録 スーパーファミコンオールカタログ'93」『SUPER FAMICOM Magazine』、徳間書店、1993年8月1日、68頁。 
  2. ^ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、194頁。ISBN 978-4-902346-47-3 
  3. ^ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、186頁。ISBN 978-4-902346-47-3 
  4. ^ 株式会社QBQ編 『懐かしスーパーファミコン パーフェクトガイド』 マガジンボックス(M.B.ムック)、2016年。ISBN 9784866400082 p6
  5. ^ 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、112頁。 
  6. ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、144頁。 
  7. ^ VC スーパーマリオカート
  8. ^ 任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、11頁。 
  9. ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、145頁。 
  10. ^ 株式会社QBQ編 『懐かしスーパーファミコン パーフェクトガイド』 マガジンボックス(M.B.ムック)、2016年。ISBN 9784866400082 p65
  11. ^ 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、148頁。 
  12. ^ 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、147頁。 
  13. ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、126頁。 
  14. ^ a b c d 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、17頁。 
  15. ^ a b 取扱説明書 (PDF)
  16. ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、142-143頁。 
  17. ^ a b 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、146頁。 
  18. ^ 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、19頁。 
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外部リンク

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