ナイン・イン・ジ・アフターヌーン
「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン〜恋するタイミング」 | ||||||||||||||||
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パニック・アット・ザ・ディスコ の シングル | ||||||||||||||||
初出アルバム『プリティ。オッド。』 | ||||||||||||||||
B面 | パ・ドゥ・シュヴァル | |||||||||||||||
リリース | ||||||||||||||||
ジャンル | ||||||||||||||||
時間 | ||||||||||||||||
レーベル | ||||||||||||||||
作詞 | ライアン・ロス | |||||||||||||||
作曲 |
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プロデュース | ロブ・メイセス | |||||||||||||||
ゴールドディスク | ||||||||||||||||
後述を参照 | ||||||||||||||||
チャート最高順位 | ||||||||||||||||
後述を参照 | ||||||||||||||||
パニック・アット・ザ・ディスコ シングル 年表 | ||||||||||||||||
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「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン[注釈 1]」(Nine in the Afternoon)は、アメリカ合衆国のポップ・ロック・バンドであるパニック・アット・ザ・ディスコ[注釈 2]の楽曲。2008年1月29日にデジタル・シングルとして発売され[8]、3月10日にCDシングルや7インチシングルとして発売された[6]。作詞はライアン・ロスが手がけ、作曲はメンバー全員の共作。楽曲は発売前から2007年の「Reading Festival」などで演奏されていて[6]、同年11月19日に放送されたテレビドラマ『HEROES』(第2シーズン)の第9話「父の教え」で使用された[9]。
『ビルボード』誌のHot 100では最高位51位、Modern Rock Tracksでは最高位8位を記録。
制作背景
[編集]「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン」は、アルバム『プリティ。オッド。』のために最初に制作した楽曲で、ギタリストのライアン・ロスは僕達が、また作曲活動に戻っていい時間を過ごしてる、っていう曲なんだ。最初に曲を思いつく時がどんなにエキサイティングかってことをね。新曲を持つって本当に久しぶりのことで、それをプレイするって、すごくエキサイティングなんだ。だから歌詞は基本的に、作曲がこんなにエキサイティングで、ずっと続けてるってことを歌ってるんだ
と説明している[10]。
曲のタイトルはドラマーのスペンサー・スミスの発言がきっかけとなっており、フロントマンのブレンドン・ユーリーは「僕らはハイになっていて、スペンサーが『何時かわからないけど、午後9時のような気がする』って言いだした。なんとなくそれが面白いと思って20分くらい大笑いして、それがこの曲のフックになったんだ」と説明している[11]。
曲の構成
[編集]ジャンルの分類について、『エレクトロニック・ミュージシャン』誌のジャニス・ブラウンは、本作を「大きなボーカルのハーモニーと壮大なストリングスとホーン・セクションで強化されたエネルギッシュなポップ・ロック」とし[1]、『ローリング・ストーン』誌のライアン・リードはバロック・ポップ[4]、音楽ライターの山口智男はサイケデリック・ロック[3]、『NME』誌のトム・コニックはオルタナティヴ・ポップと見なしている[2]。
曲のキーはB♭メジャーで、テンポは144BPM[12]。曲中におけるユーリーの声域はG3からB♭4[12]。
ミュージック・ビデオ
[編集]「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン」のミュージック・ビデオは、2008年2月10日の午後9時にMTVで初公開された[13]。監督はシェーン・ドレイクが務めた[14]。本作のミュージック・ビデオのコンセプトは「バンドメンバーたちとのさまざまな奇妙ながらも基本的に見覚えのある出来事」と見なされている[15]。MTVのタマル・アニタイは、本作のミュージック・ビデオについて「ビートルズにインスパイアされたビデオ」と説明している[16]。
本作のミュージック・ビデオは、2008年のMTV Video Music Awardsにおいて最優秀ポップビデオ賞と最優秀ポップビデオ賞の2部門にノミネートした[14]。
評価
[編集]「ナイン・イン・ジ・アフタヌーン」は、2008年のティーン・チョイス・アワードでロック楽曲賞にノミネートした[17]。
2008年に『ローリング・ストーン』誌は「The 100 Best Singles of 2008」と題したリストの第44位に本作を挙げた[18]。2018年に『ビルボード』誌は、「史上最高のパニック!アット・ザ・ディスコの楽曲」と見なした10曲の1つとして本作を挙げた[19]。
『PopBuzz』のジェームズ・ウィルソン=テイラーは、2018年1月時点でパニック!アット・ザ・ディスコが発表した全71曲(カバー曲やコラボ曲を除く)を対象としたランキングで第14位に本作を選出した[20]。
2018年に『ビルボード』誌が発表した「(評論家が選んだ)史上最高のパニック!アット・ザ・ディスコの楽曲10選」では第8位にランクインし、その中でサイケデリック期のビートルズのほかに、エレクトリック・ライト・オーケストラの「ミスター・ブルー・スカイ」やザ・ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』、ゾンビーズの『オデッセイ・アンド・オラクル』からの影響について言及されている[21]。
シングル収録曲
[編集]# | タイトル | 時間 |
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1. | 「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン〜恋するタイミング(ラジオ・ミックス)」(Nine in the Afternoon (Radio Mix)) | |
合計時間: |
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン〜恋するタイミング(ラジオ・ミックス)」(Nine in the Afternoon (Radio Mix)) | |
2. | 「ビハインド・ザ・シー(オルタネイト・ヴァージョン)」(Behind the Sea (Alternate Version)) | |
3. | 「ドゥ・ユー・ノウ・ワット・アイム・シーイング?(オルタネイト・ヴァージョン)」(Do You Know What I'm Seeing? (Alternate Version)) | |
合計時間: |
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン〜恋するタイミング(アルバム・ヴァージョン)」(Nine in the Afternoon (Album Version)) | |
合計時間: |
# | タイトル | 時間 |
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A. | 「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン〜恋するタイミング(アルバム・ヴァージョン)」(Nine in the Afternoon (Album Version)) | |
B. | 「ドゥ・ユー・ノウ・ワット・アイム・シーイング?(オルタネイト・ヴァージョン)」(Do You Know What I'm Seeing? (Alternate Version)) | |
合計時間: |
# | タイトル | 時間 |
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A. | 「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン〜恋するタイミング(アルバム・ヴァージョン)」(Nine in the Afternoon (Album Version)) | |
B. | 「ビハインド・ザ・シー(オルタネイト・ヴァージョン)」(Behind the Sea (Alternate Version)) | |
合計時間: |
# | タイトル | 時間 |
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A. | 「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン〜恋するタイミング」(Nine in the Afternoon) | |
B. | 「パ・ドゥ・シュヴァル[注釈 3]」(Pas De Cheval) | |
合計時間: |
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン〜恋するタイミング(ラジオ・エディット)」(Nine in the Afternoon (Radio Edit)) | |
2. | 「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン〜恋するタイミング(ラジオ・ミックス)」(Nine in the Afternoon (Radio Mix)) | |
合計時間: |
クレジット
[編集]※出典[25]
- ブレンドン・ユーリー – リード・ボーカル、ピアノ、作曲
- ライアン・ロス – ギター、ボーカル、作詞、作曲
- ジョン・ウォーカー – ベース、ボーカル、作曲
- スペンサー・スミス – ドラム、パーカッション、ボーカル、作曲
- ロブ・メイセス – プロデュース、オーケストラアレンジ
- サンドラ・パーク – コンサートマスター、コントラクター
- ジェフ・キーヴィット – トランペット、ピッコロトランペット
- トニー・カドレック – トランペット
- アレックス・ヴァンジュール – レコーディング・エンジニア
- ピーター・コビン – ミキシング
チャート成績
[編集]チャート (2008年) | 最高位 |
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オーストラリア (ARIA)[26] | 19 |
ベルギー (Ultratip Flanders)[27] | 4 |
カナダ (Canadian Hot 100)[28] | 48 |
Euro Digital Tracks (Billboard)[29] | 14 |
アイルランド (IRMA)[30] | 39 |
オランダ (Single Top 100)[31] | 86 |
ニュージーランド (RMNZ)[32] | 28 |
スコットランド (Official Charts Company)[33] | 13 |
Switzerland Airplay (Schweizer Hitparade)[34] | 68 |
UK シングルス (OCC)[35] | 13 |
US Billboard Hot 100[36] | 51 |
US Adult Pop Airplay (Billboard)[37] | 20 |
US Modern Rock Tracks (Billboard)[38] | 8 |
認定
[編集]国/地域 | 認定 | 認定/売上数 |
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オーストラリア (ARIA)[39] | Gold | 35,000^ |
カナダ (Music Canada)[40] | Gold | 40,000 |
イギリス (BPI)[41] | Gold | 400,000 |
アメリカ合衆国 (RIAA)[42] | 3× Platinum | 3,000,000 |
^ 認定のみに基づく出荷枚数 |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 発売当初は、副題付きの「ナイン・イン・ジ・アフターヌーン〜恋するタイミング」という邦題だった[5]。
- ^ 通常バンド名には「パニック!アット・ザ・ディスコ」と感嘆符が付くが、本作からアルバム『プリティ。オッド。』までは感嘆符の付かない表記が使用されていた[6][7]。
- ^ 2008年3月25日に発売された2作目のスタジオ・アルバム『プリティ。オッド。』では、「ホエン・ザ・デイ・メット・ザ・ナイト」と「ザ・ピアノ・ノウズ・サムシング・アイ・ドント・ノウ」の間の9曲目に収録された[22]。音楽サイト『chorus.fm』のドリュー・ベリンガーは、本作を「ファブ・フォーの『ゲット・バック』や『マジカル・ミステリー・ツアー』への頌歌」と見なした[23]。クリーブランドの新聞『プレイン・ディーラー』のジョン・ソーダーも「ゲット・バック」からの影響を示唆している[24]。
出典
[編集]- ^ a b Brown, Janice (21 May 2008). "Panic At The Disco Takes Cues from the Golden Age of Rock For 'Pretty. Odd.'". Electronic Musician. NewBay Media. 2017年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月14日閲覧。
- ^ a b Connick, Tom (27 March 2018). "Ten years on, Panic! At The Disco's opinion-splitting 'Pretty. Odd.' deserves a second chance". NME. NME Networks. 2024年3月15日閲覧。
- ^ a b 山口智男(インタビュアー:山口智男)「Panic At The Disco(2)「おのずと音楽だって変わるんだよ」」『TOWER RECORDS ONLINE』、タワーレコード、2008年4月24日 。2024年9月29日閲覧。
- ^ a b Reed, Ryan (20 November 2017). "Panic! At the Disco Plot New Live LP, 'All My Friends We're Glorious'". Rolling Stone. 2023年5月14日閲覧。
- ^ "Panic! At The Disco / パニック!アット・ザ・ディスコ「PRETTY.ODD. / プリティ。オッド。(初回盤)」". Warner Music Japan. 2023年5月14日閲覧。
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- ^ "Nine In the Afternoon - Single by Panic! At the Disco". Apple Music. Apple. 2023年5月20日閲覧。
- ^ "Nine in the Afternoon Lyrics - Panic! At The Disco". TV Fanatic. Mediavine. 2023年8月28日閲覧。
- ^ (インタビュアー:MAY-E)「PANIC AT THE DISCO『このアルバムには、ラヴがいっぱい入ってる。世の中にはネガティブな音楽が溢れているよね。だからこそ僕達は、光を出せるようになれたらいいなと思ったんだ。』」『激ロック インタビュー』、激ロックエンタテインメント、2頁、2008年2月29日 。2023年5月16日閲覧。
- ^ Panic! at the Disco (15 December 2015). "The title came from our drummer, Spencer Smith..." Genius. ML Genius Holdings. 2024年6月24日閲覧。
- ^ a b "Nine in the Afternoon". Musicnotes.com. 2024年9月20日閲覧。
- ^ "Nine Days of Panic: Day 1". MTV Buzzworthy Blog. MTV. 2 February 2008. 2008年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月20日閲覧。
- ^ a b "2008 MTV Video Music Awards Nomination List". Sensasi Selebriti. Budiey Dot Com Media. 2023年5月20日閲覧。
- ^ Montgomery, James (14 December 2007). "Panic! At The Disco Get Timely, Announce New Single Via Online Puzzle". MTV News. MTV Networks. 2023年5月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月20日閲覧。
- ^ Anitai, Tamar (31 August 2008). "Panic At The Disco Will Be At The VMAs, But Will 'Nine In The Afternoon' Win Them A Moonman That Night?". MTV News. MTV Networks. 2022年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月20日閲覧。
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- ^ Payne, Chris (26 March 2018). "Panic! at the Disco's 10 Greatest Songs: Critic's Pick". Billboard. 2024年7月24日閲覧。
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- ^ "Irish-charts.com – Discography Panic At The Disco". Irish Singles Chart. 2023年5月21日閲覧。
- ^ "Dutchcharts.nl – Panic At The Disco – Nine In The Afternoon" (in Dutch). Single Top 100. 2023年5月21日閲覧。
- ^ "Official Top 40 Singles". Recorded Music NZ. 2024年3月25日閲覧。
- ^ "Official Scottish Singles Sales Chart Top 100". Scottish Singles Top 40. 2023年5月21日閲覧。
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- ^ "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2023年5月21日閲覧。
- ^ "Billboard Hot 100". Billboard. 2023年5月21日閲覧。
- ^ "Panic! At The Disco Chart History (Adult Pop Airplay)". Billboard. 2023年5月21日閲覧。
- ^ "Panic! At The Disco Chart History (Alternative Airplay)". Billboard. 2023年5月21日閲覧。
- ^ "ARIA Charts – Accreditations – 2008 Singles" (PDF). Australian Recording Industry Association. 2023年9月8日閲覧。
- ^ "Canadian single certifications – Panic At the Disco – Nine in the Afternoon". Music Canada. 2023年9月8日閲覧。
- ^ "British single certifications – Panic At the Disco – Nine in the Afternoon". British Phonographic Industry. 2024年5月14日閲覧。
- ^ "American single certifications – Panic! At the Disco – Nine in the Afternoon". Recording Industry Association of America. 2023年9月8日閲覧。
外部リンク
[編集]- Nine in the Afternoon - Geniusの歌詞ページ