オデッセイ・アンド・オラクル
『オデッセイ・アンド・オラクル』 | ||||
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ゾンビーズ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | ||||
ジャンル | ||||
時間 | ||||
レーベル | CBSレコード | |||
プロデュース | ゾンビーズ | |||
ゾンビーズ アルバム 年表 | ||||
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『オデッセイ・アンド・オラクル』収録のシングル | ||||
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『オデッセイ・アンド・オラクル』(英語: Odessey and Oracle[注釈 1])は、イギリスのロックバンド、ゾンビーズの通算2作目のアルバム。1968年4月19日にコロムビア・レコードからリリースされた。
2012年にローリング・ストーン誌が発表した「Rolling Stone's 500 Greatest Albums of All Time」の100位にランクインしている[6]。
概要
[編集]本作は、ゾンビーズがCBSレコードと契約を結んだ1967年にレコーディングが行なわれ、同年6月1日に制作が始まった。収録されている12曲のうち9曲は、EMI系列のEMIレコーディング・スタジオにてレコーディングが行なわれた。
初日の6月1日に「フレンズ・オブ・マイン」のレコーディングが行なわれ、同日に「エミリーにバラを」のレコーディングが開始された(後者は7月10日に完成)。「今日からスタート」は6月2日に4テイク録られ、8月15日にホーンセクションがオーバーダビングされた。「夢やぶれて」は7月10日と11日に、「ブッチャーズ・テイル」は7月20日にそれぞれ録音された。EMIレコーディング・スタジオが利用できなかった7月下旬は、拠点をオリンピック・スタジオに移して、「ビーチウッド・パーク」「彼去りし後には」「私と彼女は」が録られた。その後、EMIレコーディング・スタジオに戻り、8月16日から17日にかけて「独房44」と「ローソクの様に」のレコーディングが行なわれた。その後、「ふたりのシーズン」が録られ、最終日である11月7日に「変革」が録音された[7][8]。
レコーディングには、ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』で使われたものと同じ、スチューダー社の4トラック・レコーダーが使用された[9]。ロッド・アージェントとクリス・ホワイトによってアルバムのモノラル・ミックスが作成されCBSに提示したが、CBSはステレオ・ミックスも要求。既にアルバムに必要だった制作費を使い切ってしまっていた為に、ロッドとクリスは自費で1968年1月1日にステレオ・ミックスを作成したが、「今日からスタート」は、エンジニアがモノラルマスターを制作する際にホーンセクションを直接マスターテープにオーバーダビングしてしまったので、ステレオ盤にもかかわらず、本曲だけはモノラルで収録された(後に編集版などでステレオ・ミックスは日の目を見たが、当然ホーンセクションは収録されていない)。
本作では多大にサイケデリックムーブメントの影響を受け、サウンド面でもメロトロンを多数の曲で導入するなど意欲的な作品だったが、メンバーの中でポールとコリンはセールスに伸び悩むバンドの将来に対し明るい見通しが立たないことに幻滅しており、レコーディングが進むにつれてメンバー間の人間関係が悪化。このため、1967年12月中旬に最後のライブを行った後、バンドは解散となった[10]。
2008年3月に『オデッセイ・アンド・オラクル』発売40周年を記念した特別公演でライブ初披露となった。なお、このライブでは2004年に死去したポール・アトキンソンを除くオリジナル・メンバー4名が再結集した[11]。
収録曲
[編集]# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「独房44」(Care of Cell 44) | ロッド・アージェント | |
2. | 「エミリーにバラを」(A Rose for Emily) | ロッド・アージェント | |
3. | 「彼去りし後には」(Maybe After He's Gone) | クリス・ホワイト | |
4. | 「ビーチウッド・パーク」(Beechwood Park) | クリス・ホワイト | |
5. | 「ローソクの様に」(Brief Candles) | クリス・ホワイト | |
6. | 「夢やぶれて」(Hung Up on a Dream) | ロッド・アージェント | |
合計時間: |
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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7. | 「変革」(Changes) | クリス・ホワイト | |
8. | 「私と彼女は」(I Want Her, She Wants Me) | ロッド・アージェント | |
9. | 「今日からスタート」(This Will Be Our Year) | クリス・ホワイト | |
10. | 「ブッチャーズ・テイル」(Butcher's Tale (Western Front 1914)) | クリス・ホワイト | |
11. | 「フレンズ・オブ・マイン」(Friends of Mine) | クリス・ホワイト | |
12. | 「ふたりのシーズン」(Time of the Season) | ロッド・アージェント | |
合計時間: |
演奏・スタッフ
[編集]- ゾンビーズ
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- コリン・ブランストーン - リード・ボーカル
- ロッド・アージェント - キーボード、バッキング・ボーカル、リード・ボーカル(「エミリーにバラを」「ローソクの様に」「夢やぶれて」「私と彼女は」)
- ポール・アトキンソン - ギター、バッキング・ボーカル(「変革」)
- クリス・ホワイト - ベース、バッキング・ボーカル、リード・ボーカル(「ローソクの様に」「ブッチャーズ・テイル」)
- ヒュー・グランディー - ドラムス、バッキング・ボーカル(「変革」)
- スタッフ
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- ジェフ・エメリック、ピーター・ビンス - レコーディング・エンジニア
- ジュールズ・デベラ - デザイン
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「オデッセイ」の本来のスペルは「Odyssey」だが、本作では誤って「Odessey」となっている。
出典
[編集]- ^ “Mods and Mellotrons: The Zombies at Abbey Road”. PopMatters. 2019年1月5日閲覧。
- ^ a b R. Unterbeger, "The Zombies", Allmusic, 2019年1月5日閲覧
- ^ Chris Jones (2012年2月22日). “The Zombies Odessey & Oracle- 40th Anniversary Edition Review”. BBC Music. 2019年1月5日閲覧。
- ^ “Live Review: The Zombies stand the test of time, and the season, at the Wilbur Theatre”. Vanyaland (2015年10月9日). 2019年1月5日閲覧。
- ^ “The Zombies live on – thanks to a 50-year-old cult classic album”. The Star (2017年11月30日). 2019年1月5日閲覧。
- ^ “The RS 500 Greatest Albums of All Time : Rolling Stone”. Rolling Stone (2012年5月31日). 2019年1月5日閲覧。
- ^ Zombie Heaven booklet pages 35-36, 49-52, released on Big Beat in 1997
- ^ Johansen, Claes (1 2001年9月). The Zombies: hung up on a dream : a biography 1962–1967. SAF Publishing Ltd. p. 174 2019年1月5日閲覧。
- ^ Kevin Ryan; Brian Kehew (2006). Recording The Beatles. Curvebender. ISBN 0-9785200-0-9
- ^ Johansen, Claes (1 September 2001). The Zombies: hung up on a dream : a biography 1962-1967. SAF Publishing Ltd. p. 201 28 March 2012閲覧。
- ^ “ゾンビーズ(The Zombies)の名作『オデッセイ・アンド・オラクル』、40周年記念ライヴがDVD化”. CDJournal ニュース (株式会社シーディージャーナル). (2009年11月9日) 2019年6月21日閲覧。