ニコル・ロウ
ニコル・ロウ | |
---|---|
『ロック・イム・パルク』にて(2023年) | |
基本情報 | |
原語名 | Nicole Row |
出生名 | Nicole Sue Row[3][4] |
生誕 | |
ジャンル | |
職業 | |
担当楽器 | |
活動期間 | 2017年 - |
共同作業者 | インキュバス |
公式サイト | www.nicolerow.com |
ニコル・スー・ロウ(Nicole Sue Row、1991年6月30日 - )は、アメリカ合衆国のベーシスト。2018年3月から2023年3月にかけてパニック!アット・ザ・ディスコのツアー・メンバーとして活動。2023年3月からインキュバスのツアー・メンバーとなり、翌年に正式なメンバーとなった。このほかにも多数のアーティストのサポートやソロ作品の発表なども行なっている。
経歴
[編集]生い立ち 〜 初期の活動
[編集]ニコル・ロウは、カリフォルニア州フレズノで生まれた[6]。幼少期は楽器のない環境で過ごしており、歌を通じて初めて音楽に触れることとなった[7]。13歳の頃、カリフォルニア州立大学フレズノ校の屋内アリーナでデフトーンズの演奏を聞く。ロウにとってこれが初めて目にしたコンサートとなった[8]。その後、スカ・パンク・バンドのサブライムに夢中になり、同バンドのベーシストのエリック・ウィルソンのファンとなった。17歳になってからベースを演奏を始めた[7]。18歳の時にロサンゼルスに引っ越し、ミュージシャンズ・インスティチュートに進学[9]。
トロイ・シヴァン、デイヤ、ファット・ジョー、レミー・マー、タイ・ダラー・サイン、デュア・リパと活動をともにする[10][11]。2017年6月9日に発売されたマイリー・サイラスの楽曲「インスパイアード」にベースの演奏で参加[12]し、同年はサイラスのツアー・メンバーも務めた[7]。
パニック!アット・ザ・ディスコ(2018年 - 2023年)
[編集]ロウは、2017年12月でパニック!アット・ザ・ディスコを離れたツアー・メンバー(ベーシスト)のダロン・ウィークスの後任として2018年3月19日のクリーブランド公演に参加[10][13]。パニック!アット・ザ・ディスコのマネージャーからバンドへの参加について尋ねられたロウは、バンドが14年間に発表した楽曲をわずか2週間で覚えた[7]。
2023年1月24日、フロントマンのブレンドン・ユーリーが3月にパニック!アット・ザ・ディスコが解散することを発表[14]。ロウは3月10日にAOアリーナで開催された最終公演まで参加した[15][16][17]。
パニック!アット・ザ・ディスコのツアー・メンバーとしての活動と並行して、2020年12月19日にソロ名義でのシングル『Headspace』を発売した[18]。このほかにも多数のアーティストと共演しており、2020年5月15日に発売されたコミュニティ・アーツ・プロジェクト・LAの楽曲「Personal」に参加し[19]、2022年7月にスケアリー・ポケッツやジュード・スミスとともにYouTube上でシカゴの「サタデイ・イン・ザ・パーク」のカバー演奏を行なった[20]。
インキュバス(2023年 - )
[編集]2023年4月28日、脳腫瘍の手術後の療養により活動を休止するベーシストのベン・ケニーの一時的な代役としてインキュバスに加入することを発表[21]。同年5月11日から10月6日にかけて北アメリカとヨーロッパでツアーを開催[21]。インキュバスのリード・ボーカルであるブランドン・ボイドは、ロウについて「バンドにまったく新しい世界をもたらしてくれて、素晴らしかった」と述べている[22]。ツアー・メンバーとして在籍する一方で、同年に行なわれた『モーニング・ヴュー』(2001年)の再録音作業に参加[22]。再録音したアルバムは2024年5月10日に『モーニング・ヴューXXIII』として発売された[23]。
2024年2月6日、ケニーの脱退に伴いロウが正式メンバーとして加入することが発表される[24][25]。
人物
[編集]使用楽器や機材
[編集]初めて手にしたベースはグレッチのJunior Jet[8]。ベースの演奏は主に指弾き[26]。フェンダーとエンドースメント契約を結んでおり、プロとして初めて手にしたベースはマーカス・ミラーモデルのフェンダー・ジャズベース[7]。エレクトリックベースの他にもアップライトベースやシンセベースの演奏もできる[7]。
活動初期にForm Factor Audioとエンドースメント契約を結び[9]、後にEICH Amplificationに変えた[26]。
パニック!アット・ザ・ディスコのツアー・メンバーとして活動していた時期に、EBS Professional Bass Equipmentのペダル部門の後援を受けており[27]、使用機材にはEBS オクタベースなどが含まれている[26]。
使用されているベースにはフェンダー・カスタム・ショップの30インチショートスケールのジャズベース(5弦)[7]、KALAのUBASS-5MAPL-FS[6]、F BassのBNシリーズ[28]がある。
私生活
[編集]ロサンセルズを拠点とし、スカウト(Scout)と名付けたイヌと生活している[8]。
兄がいたが、2010年にヘロインの過剰摂取により死去。2020年より兄が所有していたドラムキーをネックレスにして着用している[29]。
作品
[編集]ソロ
[編集]- シングル
-
- Headspace(2020年)
インキュバス
[編集]- 『モーニング・ヴューXXIII』 – Morning View XXIII(2024年)
- ベースを担当
参加作品
[編集]- マイリー・サイラス「インスパイアード」(2017年)
- ベースを担当[12]
- コミュニティ・アーツ・プロジェクト・LA「Personal」(2020年)
- 作詞作曲、ベースを担当[19]
- スケアリー・ポケッツ『Technicolor Magic』(2021年)
- 「Seven Nation Army」と「Grenade」のベースを担当[30]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ "リゾ、長年ファンだったインキュバスと共演を果たす". Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク. 2023年10月10日. 2024年5月17日閲覧。
- ^ 高橋智樹 (2024年1月9日). "インキュバス、6年ぶりの来日決定! ロック不遇の2010年代をサヴァイヴした、「何物にも囚われないロック」の最新形を見逃すな!". rockin'on 編集部日記. ロッキング・オン. 2024年5月17日閲覧。
- ^ Cavalcanti, Rosa (7 October 2022). "Panic! At The Disco performed at FLA Live Arena in Sunrise, FL on October 4th, 2022 with Marina and JWR (Jake Wesley Rogers) on the "Viva Las Vengeance" Tour". The Boca Raton Tribune. 2024年5月17日閲覧。
- ^ a b Danish, Aqeera (9 February 2023). "9 Potret Nicole Row, Bassist Hits Band Panic! At The Disco". IDN Times (インドネシア語). IDN Media. 2024年5月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g "Nicole Row". bartolini.net. Bartolini. 2024年5月17日閲覧。
- ^ a b "Nicole Row". kalabrand.com. Kala Brand Music Co. 2024年5月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g D'Auria, Jon (23 July 2019). "Nicole Row: Don't Panic". Bass Magazine. 2024年5月18日閲覧。
- ^ a b c D'Auria, Jon (9 January 2023). "10 Questions With Nicole Row". Bass Magazine. 2024年5月19日閲覧。
- ^ a b "MI Success Story: Nicole Row". Musicians Institute. 2024年5月18日閲覧。
- ^ a b Payne, Chris (20 March 2018). "Meet Panic! at the Disco's New Bassist Nicole Row". Billboard. 2024年5月18日閲覧。
- ^ "Nicole Row". Moodust Management. 2024年5月19日閲覧。
- ^ a b "Inspired - マイリー・サイラスの曲". Apple Music. Apple. 2024年5月19日閲覧。
- ^ Johnson, Kevin (21 March 2018). "Nicole Row Joins Panic! At The Disco". No Treble. 2024年5月18日閲覧。
- ^ Blistein, Jon (24 January 2023). "Panic! At the Disco Break-Up After 19 Years". Rolling Stone. 2024年5月18日閲覧。
- ^ Mata, William (25 January 2023). "Panic! at the Disco to end career with show in Manchester after break up announcement". Yahoo! Lifestyle. Yahoo!. 2024年5月18日閲覧。
- ^ Nattress, Katrina (13 March 2023). "Brendon Urie Shares Emotional Message After Panic! At The Disco's Last Show". iHeart. iHeartMedia, Inc. 2024年5月18日閲覧。
- ^ Nicole Row [@nicolesrow] (2023年3月13日). "Wow... end of an era!". Instagramより2024年5月18日閲覧。
- ^ Nicole Row [@nicolesrow] (2020年12月9日). "my first ever single is to be released December 19th, 2020 on all streaming platforms !". Instagramより2024年5月18日閲覧。
- ^ a b "Personal | Community Arts Project LA". Bandcamp. 2024年5月19日閲覧。
- ^ Brown, Corey (19 July 2022). "Scary Pockets & Jude Smith: Saturday in the Park". No Treble. 2024年5月18日閲覧。
- ^ a b "Nicole Row Fills in For Ben Kenney on Incubus 2023 Tour". Bass Magazine. 28 April 2023. 2024年5月19日閲覧。
- ^ a b Martoccio, Angie (6 February 2024). "Incubus' Brandon Boyd on 'Morning View' Re-Recording, Tour, Lizzo". Rolling Stone (Interview). 2024年5月19日閲覧。
- ^ Fu, Eddie (10 May 2024). "Incubus Unveil Re-Recorded Version of Morning View: Stream". Consequence. Consequence Holdings, LLC. 2024年5月19日閲覧。
- ^ Bell, Sadie (6 February 2024). "Incubus to Perform Album 'Morning View' in Its Entirety on 2024 Arena Tour". People. Dotdash Meredith. 2024年5月19日閲覧。
- ^ "INCUBUS、Ben Kenney(Ba)の脱退&Nicole Row(ex-PANIC! AT THE DISCO)の正式加入を発表。再録アルバム『Morning View XXIII』5月リリース!". 激ロック ニュース. 激ロックエンタテインメント. 2024年2月7日. 2024年5月19日閲覧。
- ^ a b c Kies, Chris (13 January 2021). "Rig Rundown: Nicole Row". Premier Guitar. 2024年5月20日閲覧。
- ^ "Nicole Row - EBS Pedal Artist". EBS Professional Bass Equipment. 2024年5月21日閲覧。
- ^ "Nicole Row". FBASS. 2024年5月21日閲覧。
- ^ Row, Nicole (1 December 2020). "The Josh Row Drum Key Necklace". Facebook. 2024年5月21日閲覧。
- ^ Technicolor Magic (Media notes). Scary Pockets. Pockets inc. 2021. PCKTS 046。