NTTデータ地銀共同センター
NTTデータ地銀共同センター(エヌ・ティ・ティ・データちぎんきょうどうセンター)は、2004年よりサービス提供開始した、NTTデータが構築・運営する主に地方銀行向け勘定系システムの共同利用型センター。
概要
[編集]対象は主に全国地方銀行協会加盟行とし[† 1]、NTTデータの勘定系ソフトウェアパッケージであるBeSTAを日立製作所のメインフレームで稼働させている[1]。
2028年を目処に、メインフレームから、Linuxサーバによる勘定系への移行を予定している。同時にシステムのクラウド化も実施し、最終的にはNTTデータが独自に構築する「統合バンキングクラウド」に、本センターやMEJAR、STELLA CUBE、BeSTAcloud、信用金庫共同システム等のシステムを順次統合していく方針[2]。
採用行
[編集]2021年1月現在 13行。
- 京都銀行(2004年1月稼働開始)
- 千葉興業銀行(2004年10月稼働開始[3])
- 池田泉州銀行(2005年1月稼働開始[4][† 2])
- 岩手銀行(2005年1月稼働開始[4])
- あいち銀行(2007年1月稼働開始[5][† 3])
- 福井銀行(2009年1月稼働開始[6])
- 青森みちのく銀行(2009年5月6日稼働開始[7][† 4])
- 秋田銀行(2010年5月6日稼働開始[8])
- 四国銀行(2011年1月4日稼働開始[9])
- 鳥取銀行(2012年5月7日稼働開始[10])
- 西日本シティ銀行(2013年1月4日稼働開始[11][12])
- 大分銀行(2013年5月7日稼働開始[13][14])
- 山陰合同銀行(2020年1月5日稼働開始[15][16])
- 離脱
- 荘内銀行(2006年5月6日 稼働開始。詳細は後述)
- 足利銀行(2011年7月19日 稼働開始[17])→めぶきフィナンシャルグループとして、常陽銀行が採用済みの「Chanceプロジェクト」へ2020年1月6日に移行[18]。
- 北越銀行(現第四北越銀行)(2009年5月6日 稼働開始[19])→第四北越フィナンシャルグループとして、第四銀行と合併時に第四銀行が採用済みのTSUBASAアライアンスによる基幹系共同システムへ2021年1月4日に移行[20]。
補遺
[編集]参加行のうち、当初から参加表明していた西日本シティ銀行[† 5]と、2005年移行予定としていた四国銀行[† 6]が、実際のリプレースが予定より長らく延期されていた[21]が、以後に参加表明した銀行のうち移行済みの銀行は、ほぼ予定通りに稼働開始している。
なお、2006年5月6日に当時の山形しあわせ銀行との共同システムを破棄して本システムにリプレースし[22]、後にフィデアホールディングス傘下入りした荘内銀行は、2012年3月30日付でBeSTAcloudへの移行に関する基本契約が締結されたため、2014年3月17日に離脱し[23][24]、発表された2014年5月7日時点で、稼働行が1減となり14行による稼働となった。
また、北海道銀行も、当時稼働させていた富士通メインフレームの独自システムからリプレース検討を表明していたが、北陸銀行との経営統合、さらに横浜銀行とほくほくフィナンシャルグループとの勘定系システム共同化を画策したため、別途、NTTデータが、富士通メインフレームによる「3行共同利用システム(MEJAR)」を構築し、2011年5月よりそちらにリプレースしているため、道銀は基本契約には至らず、最終的に当システムで稼働することはなかった[25][26][27]。
事件
[編集]2012年11月、地銀共同センターの開発に従事していたNTTデータの業務委託先企業社員が、偽造したキャッシュカードを利用してATMから現金を引き出した容疑で逮捕された[28][29]。容疑者は、地銀共同センターで最大1068口座の情報を不正取得し、キャッシュカードを偽造した[30]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 第二地銀の愛知銀行(2025年より、あいち銀行)も参画し稼働済である
- ^ 稼働当初は池田銀行。2010年5月1日に現行名に改称。2012年1月に旧泉州銀行店舗のシステムをリプレースする形でシステム統合を実施。
- ^ 稼働当初は、愛知銀行。2025年(令和7年)1月に中京銀行を吸収合併し、旧中京店舗のシステムをリプレースする形でシステム統合を実施。
- ^ 稼働当初は、青森銀行。2025年(令和7年) 1月にみちのく銀行を吸収合併し、同時に旧みちのく銀行店舗のシステムをリプレースする形でシステム統合を実施。
- ^ 参加表明当初は、合併前の西日本銀行。2003年から3年以内の移行を目標としていた。実際の移行は大きく遅れ、2013年1月4日稼働
- ^ 明確な移行予定は暫く呈示されていなかったが、2011年1月4日稼働
出典
[編集]- ^ “NTTデータの地銀共同センター、2番バッターの千葉興銀が稼働”. 日経コンピュータ. (2004年10月12日)
- ^ 国内初の共同利用型勘定系システム向け「統合バンキングクラウド」の開発着手 - NTTデータ・2024年2月8日
- ^ NTTデータ地銀共同センター 千葉興業銀行向けサービス開始 株式会社NTTデータ 2004年10月12日
- ^ a b NTTデータ地銀共同センター 岩手銀行・池田銀行向けサービス開始 株式会社NTTデータ 2005年1月4日
- ^ NTTデータ地銀共同センター愛知銀行向けサービス開始 株式会社NTTデータ 2007年1月4日
- ^ NTTデータ地銀共同センター 福井銀行向けサービス開始 株式会社NTTデータ 2009年1月4日
- ^ 青森銀行が、NTTデータ地銀共同センターへの参加を決定 株式会社NTTデータ 2006年3月24日
- ^ NTTデータ地銀共同センター 秋田銀行向けサービス開始 株式会社NTTデータ 2010年5月6日
- ^ NTTデータ地銀共同センター 四国銀行向けサービス開始 株式会社NTTデータ 2011年1月4日
- ^ NTTデータ地銀共同センター鳥取銀行向けサービス開始 株式会社NTTデータ 2012年5月7日
- ^ 基幹系(情報系・勘定系)システム更改について (PDF) 株式会社西日本シティ銀行 2009年<平成21年>5月28日
- ^ “NTTデータ地銀共同センター 西日本シティ銀行向けサービス開始”. NTTデータ | Trusted Global Innovator. 2023年12月29日閲覧。
- ^ “ニュース|ニュース|大分銀行”. www.oitabank.co.jp. 2023年12月29日閲覧。
- ^ NTTデータ地銀共同センター 大分銀行向けサービス開始~地銀・第二地銀向け共同利用型センターとして国内最大の15銀行に拡大~NTTデータ 2013年5月7日
- ^ “新システムの稼働について”. 山陰合同銀行. 2023年12月29日閲覧。
- ^ “NTTデータ地銀共同センター 山陰合同銀行向けサービス開始 | NTTデータ”. NTTデータ | Trusted Global Innovator. 2023年12月29日閲覧。
- ^ NTTデータ地銀共同センター 足利銀行向けサービス開始株式会社NTTデータ 2011年7月19日
- ^ “足利銀行の『Chance 地銀共同化システム』への移行完了について”. 足利銀行. 2023年12月29日閲覧。
- ^ NTTデータ地銀共同センター青森銀行・北越銀行向けサービス開始株式会社NTTデータ 2009年5月7日
- ^ “当社子銀行の合併およびシステム事務統合の完了ならびに新銀行の営業開始のお知らせ”. 第四北越フィナンシャルグループ. 2023年12月29日閲覧。
- ^ 新システム運用開始のお知らせ 株式会社四国銀行 2011年1月4日
- ^ “NTTデータ地銀共同センター荘内銀行向けサービス開始”. NTTデータ. 2023年12月29日閲覧。
- ^ “金融機関向け基幹系サービス「BeSTAcloud®」 フィデアグループ(荘内銀行・北都銀行)への本格提供を開始”. NTTデータ. 2023年12月29日閲覧。
- ^ “NTTデータの勘定系クラウド、荘内・北都銀が導入決定”. 日経コンピュータ. (2012年3月30日)
- ^ “システム共同化を目指す横浜・北陸・北海道の3地銀、開発効率化に向けNTTデータと基本契約”. ITpro (日経コンピュータ). (2007年3月23日)
- ^ “地銀 ---システム共同化の真実”. 日経コンピュータ. (2008年12月1日)
- ^ “北陸銀、北海道銀、鹿児島銀が勘定系システムを刷新”. 日経コンピュータ. (2011年5月10日)
- ^ “キャッシュカードの取引情報の不正取得について”. 2012年11月28日閲覧。
- ^ “衝撃! クラウドデータから偽造キャッシュカードを作ったエンジニア逮捕”. J-CAST. (2012年12月6日)
- ^ “キャッシュカード取引情報の不正取得に関する調査結果および再発防止等について”. 2013年3月23日閲覧。