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Mk 29 (ミサイル発射機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Mk.29 ミサイルランチャー

Mk 29 GMLS英語: Mark 29 Guided Missile Launching System)とは、RIM-7 シースパロー / アルバトロス / RIM-162 ESSM専用の箱型8連装ミサイルランチャーである。

概要

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本機は、シースパローIBPDMS(NATOシースパロー・ミサイルシステム、NSSMS)のためのミサイル発射機として開発された。原型となったシースパローBPDMSではMk.25 GMLSが用いられていたが、これはアスロック用8連装ミサイル発射機Mk.112を76mm連装砲のマウントと組み合わせて応急的に開発された[1]ため、性能面で不満があった。特に旋回・俯仰速度が遅く(旋回速度は毎秒30度、俯仰速度は毎秒24度)、自艦に接近してきた対艦ミサイルが終末段階で高G機動を取る中で迎撃することは困難であった[2]

本機はこれらを改善した新設計機として開発された。外見上の最大の変化がキャニスターの小型化である。これはミサイルの改良に伴うもので、BPDMSで使われていたRIM-7Eではミサイルの動翼(前翼)が固定式であったため、キャニスターの対角線長を約1.1メートル取らざるを得なかったのに対し、IBPDMSではこれを折り畳み式とすることで、キャニスターの対角線長は約0.8メートルまで小型化された。また即応性とミサイル保護を両立するため、キャニスター前方部には合成樹脂製のカバーが取り付けられた。咄嗟会敵時には、ミサイルはこれを突き破って発射される[2]

なおイタリアでは、AIM-7Eをもとに開発したアスピーデ艦対空ミサイル版(アルバトロス)のために、76mmコンパット砲と共通のマウントを用いて、本機とほぼ同等の諸元を備えたミサイル発射機を開発した[3]。これは日本短SAM発射機3型GMLS-3)としてライセンス生産化され、護衛艦に搭載された[2]

現在新造される水上戦闘艦では、シースパローやESSMをより耐候性や即応性に優れたMk.41/Mk.48VLSに搭載することが一般的であるが、比較的構造が単純であることから現在でも多くの国で運用されている。

諸元表

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Mk.29 GMLS-3
全高 2.7 m 2.8 m
正面幅 3.6 m 3.8 m
奥行 3.8 m 3.9 m
重量 6.4 t 7.2 t
旋回速度 約45度/秒
俯仰速度 約25度/秒

搭載艦

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 アメリカ海軍

 アルゼンチン海軍

 イタリア海軍

 エジプト海軍

 オランダ海軍

 ギリシャ海軍

 スペイン海軍

 タイ海軍

 デンマーク海軍

 ドイツ海軍

 トルコ海軍

 ナイジェリア海軍

 海上自衛隊

 ノルウェー海軍

 ベネズエラ海軍

 ペルー海軍

 ブラジル海軍

 ベルギー海軍

 ポルトガル海軍

 モロッコ海軍

脚注

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注釈

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  1. ^ a b c d e f 後日装備
  2. ^ 後日撤去
  3. ^ Mk.48 VLSに後日換装
  4. ^ Mk.25 GMLSより換装
  5. ^ 1~5番艦
  6. ^ 1番艦2番艦が後日装備
  7. ^ モッドフラッグ改修により後日装備

出典

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  1. ^ 石川潤一「対空ミサイル (特集・艦載ミサイルのすべて) -- (艦載ミサイルの発達と現況)」『世界の艦船』第639号、海人社、2005年3月、94-99頁、NAID 40006607571 
  2. ^ a b c 香田洋二「国産護衛艦建造の歩み(第25回)ポスト4次防の新装備(短SAMおよび発射装置)はつゆき型DD(その3)あさぎり型DD(その2)」『世界の艦船』第810号、海人社、2015年1月、194-201頁、NAID 40020274355 
  3. ^ 野木恵一「イタリア製艦載兵器オンパレード」『世界の艦船』第365号、海人社、1986年6月、110-115頁。 

関連項目

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外部リンク

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