mGBA
作者 | endrift (Vicki Pfau) |
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初版 | 2015年11月9日 |
最新版 |
0.10.1 - 2023年1月11日
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リポジトリ | https://github.com/mgba-emu/ |
プログラミング 言語 | C++, C |
対応OS | Windows 7以降、OS X Mavericks以降 (macOS)、Linux、FreeBSD、ニンテンドー3DS、Nintendo Switch、Wii、PlayStation Vita |
プラットフォーム | x86、ARMアーキテクチャ |
サポート状況 | 開発中 |
種別 | ゲームエミュレータ |
ライセンス | MPL v2.0 |
公式サイト | https://mgba.io |
mGBA(エムジービーエー)とは、オープンソースで開発されているゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスのゲームエミュレータである。
対応プラットフォームはWindows、macOS、LinuxといったデスクトップOSと、ニンテンドー3DS、Nintendo Switch、Wii、PlayStation Vitaといったゲーム機[注 1]。PlayStation 4に対応した非公式バージョンなども存在する。
なお、このソフトウェアは任天堂によって公認されたものではない。
概要
[編集]ゼロからコードが書き直されており、スピード、正確さ、携帯性の向上を目指している。
多くの既存のゲームボーイアドバンス向けエミュレータよりも高速で正確であり、他のエミュレータに欠けている機能を備えることを標榜している[1]。
長らくゲームボーイアドバンス向けのエミュレータでは、VisualBoyAdvance (VBA)が主力であったものの、再現性が向上したことから、正式リリースである「バージョン1.0」にはまだ到達していないものの、今では定番のエミュレータの一つとなっている。
名称の由来について、開発者のendrift氏は、mGBAの「m」は実際には特に意味はないものの、もともとは「mini」を表すつもりだったと述べている[2]。
特徴
[編集]ゲームボーイアドバンスのエミュレータでありながら、ゲームボーイやゲームボーイカラーの専用・対応ソフトも遊ぶことができるほか、途中セーブ・ロードや、ゲーム速度調整のゲームパッド割り当て、巻き戻し機能、連射機能など、多くの機能を搭載している[1][3]。また、メディア出力機能も充実しており、遊んだ内容を、アニメーションGIF、H.264、H.265、VP8、VP9といったコーデックでの動画保存も可能となっている[3]。さらに、パレット情報、遊んでいるタイトル、メモリ情報などのコアな情報も確認できる機能を備えている[3]。
特に、他のエミュレータと比べて特徴的な点として、以下のようなことが挙げられる。
- ファミコンミニシリーズのソフトに対応
- 最大4人までのローカル通信プレイに対応
- 特殊カートリッジ[注 2]に対応
- リアルタイムクロック(RTC)対応
- IPSなどのパッチのサポート
- チートコードサポート(AR、GameShark)
- 早送りと巻き戻し機能
- カードe対応
- GBAケーブル機能
- ネットワークマルチプレイ機能
- 実機よりも高音質なM4Aオーディオミキシング
- Lua スクリプトのサポート
- ワイヤレスアダプタ対応
メニューなどのインタフェースは日本語化されている。
歴史
[編集]開発は2013年から始まり、2015年に最初のバージョンがGitHubで公開された[4]。
2016年2月、これまでサポートされていた、Windows、Ubuntu、Macに加え3DS、Wii、PlayStation Vitaに公式対応[5]。
同年9月、ゲームボーイとゲームボーイカラーのソフトをサポート[6]。
2017年4月、ニンテンドーDSソフトの動作をサポートする”medusa (メデューサ) alpha 1"を公開。
2018年9月、mGBAのNintendo Switch移植版が初リリース[7]。同月中に正式サポートが行われる[8]。
2019年1月、ELFのサポートやポケットカメラとポケットプリンタのサポート、スーパーゲームボーイのサポートが行われる[9]。
同年5月、Znullptr氏がPlayStation 4向けに移植した非公式バージョン、mGBA (PS4)をリリース[10][11]。翌月には、otzecoxao氏が別バージョンのPS4移植版を公開[12]。
10月には、高解像度アップスケーリング機能、DiscordのRich Presence[注 3]機能を追加した新バージョンをリリース[13]。
2021年3月、カードeや、3DSのバーチャルコンソール用などへセーブデータを変換できるコンバータを実装[14]。
同年7月、Dolphin Teamが、ニンテンドーゲームキューブ・Wiiのエミュレータ「Dolphin」にmGBAを組み込み、ゲームキューブとGBAケーブルで接続した状態を再現できる機能を追加したことを発表[15]。
2022年5月、mGBAの開発者向けビルドに、Luaで記述したスクリプトを実行できる機能を統合したことを公表。エミュレータのメモリへアクセスして書き換えたり、途中セーブやそのデータのロード、ボタン操作情報の取得などが可能になる[16]。10月には一般向けリリースで正式サポート[17]。
2023年4月、開発開始から10年を迎えた[2]。10周年を記念して、公式サイトにメッセージを公表したendrift氏は、開発当初について「当時は大学を出て1年しか経っておらず、キャリアを始めたばかりで、mGBAの開発は私が卒業する前から考えていた趣味であり、もともとそれをWindowsに移植することさえ考えていなかった」などと振り返り、今後はmedusaの開発にも焦点を当てていきたいこと、他にも開発者を募集していることなどを述べた。
medusa
[編集]作者 | endrift (Vicki Pfau) |
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初版 | 2017年4月9日 |
最新版 |
alpha 2 - 2017年4月27日
|
リポジトリ | https://github.com/mgba-emu/ |
プログラミング 言語 | C++, C |
対応OS | Windows 7以降、OS X Mavericks以降 (macOS)、Linux |
プラットフォーム | x86、ARMアーキテクチャ |
前身 | mGBA |
サポート状況 | 開発中 |
種別 | ゲームエミュレータ |
ライセンス | MPL v2.0 |
公式サイト | http://medusa-emu.org |
medusa (メデューサ)は、mGBAと同じ開発者によって開発されている、ニンテンドーDS向けのエミュレータである。
元々は、mGBA 1.0をリリースした後で、medusaの正式版をリリースし、最終的にmedusaがmGBAを統合して、ゲームボーイからDSまで、全てのソフトが動作するエミュレータを完成させて、現行のmGBAを置き換える計画であった。2016年に開発がスタートして、2018年までには置き換える予定であったものの、その後の開発の停滞により、いまだにmGBA・medusaともに正式版はリリースされていない。利用可能なアルファ版があるが、動作は不安定で機能も未実装のものが多い。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 家庭用ゲーム機向けに配信されているmGBAは、改造した本体でのみ動作する自作ソフト(いわゆるHomebrew)の形態で、配信されている。
- ^ 「ボクらの太陽」シリーズのソーラーセンサーや「まわるメイドインワリオ」「ヨッシーの万有引力」の回転センサー、「スクリューブレイカー 轟振どりるれろ」の振動カートリッジなど。
- ^ プレイしているゲームの詳細な情報を表示する機能。
出典
[編集]- ^ a b mGBA, mGBA, (2023-04-05) 2023年4月5日閲覧。
- ^ a b “mGBA Turns Ten” (英語). mGBA. 2023年4月5日閲覧。
- ^ a b c “GBA エミュレータ|エミュポータル”. emu-portal.com. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “Release 0.1.0 · mgba-emu/mgba” (英語). GitHub. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “mGBA 0.4.0” (英語). mGBA. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “mGBA 0.5.0” (英語). mGBA. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “mGBA Ports: Nintendo Switch” (英語). mGBA. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “mGBA 0.7 beta 1” (英語). mGBA. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “mGBA 0.7.0” (英語). mGBA. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “PS4 - mGBA (PS4)” (英語). PSX-Place. 2023年4月5日閲覧。
- ^ (日本語) mGBA Emulator for PS4 (PS4 Homebrew / Native Emulator) 2023年4月5日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/notzecoxao/status/1134266415698124800”. Twitter. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “mGBA 0.8 beta 1” (英語). mGBA. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “mGBA 0.9.0” (英語). mGBA. 2023年4月5日閲覧。
- ^ JMC47 (2021年7月21日). “mGBA Integration: Introducing the Integrated GBA”. Dolphin Emulator. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “Scripting support now available in dev builds” (英語). mGBA. 2023年4月5日閲覧。
- ^ “mGBA 0.10.0” (英語). mGBA. 2023年4月5日閲覧。
関連項目
[編集]- ゲームエミュレータ
- ゲームボーイシリーズ
- Gambatte(同じくゲームボーイソフトの動作に対応するエミュレータ)
- Wzonka-Lad(同じくゲームボーイソフトの動作に対応するエミュレータ)
- VisualBoy Advance(同じくゲームボーイアドバンスソフトの動作に対応するエミュレータ)
- No$GBA(同じくゲームボーイアドバンスソフトの動作に対応するエミュレータ)
外部リンク
[編集]- mGBA (公式サイト:英語)
- mGBA GameBoy Advance Emulator (GitHub)
- mGBA(@mGBA_emuさん)/ Twitter
- mGBA Forums (フォーラム:英語)
- endrift (開発者のendrift氏の公式サイト)