Luup
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町3-21-24 AKIHABARA CENTRAL SQUARE 4階[1] |
設立 | 2018年7月30日 |
業種 | サービス業 |
法人番号 | 1011001123515 |
事業内容 | 特定小型原動機付自転車(電動キックボード)・電動アシスト自転車のシェアリングサービスの運営 |
代表者 | 岡井大輝(代表取締役社長) |
資本金 | 100万円[2] |
外部リンク | https://luup.sc/ |
株式会社Luup(ループ)は、日本のマイクロモビリティシェアリングサービスプロバイダー。東京都千代田区に本社を置く。 特定小型原動機付自転車(電動キックスケーター)や電動アシスト自転車のシェアリングサービスLUUP(ループ)を運営している。 2020年5月に東京でサービスを提供開始した。
沿革
[編集]LUUP
[編集]LUUPとは、同社が提供しているシェアリングサービスであり、特定小型原動機付自転車(電動キックボード)の代名詞にもなっている。
スマートフォン向けのアプリから、電動アシスト自転車あるいは電動キックボードを選択して利用することができる[26]。2023年10月現在でのサービス提供地域は東京23区の一部、横浜市中区・西区・神奈川区(電動キックボードのみ)、大阪市、京都市、近畿大学東大阪キャンパス(電動キックボードのみ)、宇都宮市、神戸市、名古屋市、広島市である[26]。
企画・製造
[編集]LUUPは中国のメーカー等の信頼できるパートナー企業とタッグを組んで開発を進めている[27]。
LUUPの役割は製品の企画などで、電動キックボード自体は中国製である[28]。
2021年1月より、元HUAWEIジャパン・LINE・ソフトバンクロボティクスの鄭万哲氏がハードウェア統括として参画している[29]。
電動アシスト自転車
[編集]Luupが自社開発した電動アシスト自転車が用いられる[30]。
電動キックボード
[編集]2023年7月に改正道路交通法が施行されて以降、最高速度は時速20km。歩道は例外を除き走行できないが、普通自転車専用通行帯や自転車道は走行できる[31]。特定小型原動機付自転車に区分されるため、専用ナンバープレートが装備されているほか、16歳以上であれば、運転するにあたり免許証は不要。
ヘルメットの着用は自転車と同様、努力義務だ。
右折時は二段階右折が必須。二段階右折の必要性が不明な場合は、降車して車体を押して歩き、歩行者と同じように横断歩道を利用して右折先まで移動し、再度乗車する方法をLuupは推奨している[32]。
事故
[編集]2022年9月、東京都中央区でシェアリングサービス会社の電動キックボードを運転中に会社役員の男性が転倒して死亡した。道交法違反(酒気帯び運転)容疑で、会社役員を容疑者死亡のまま書類送検。またノーヘルでの危険性が指摘されていた[33][34][35]。同社の利用者が起こしたと報じられた[36]。
2023年7月に法改正して以降、特定小型原動機付自転車の死亡事故は1件発生している。LUUPの車両によるものではなく、自転車型の車両に乗車していた男性が死亡した[37]。
2023年9月、無職女性(23)がレンタルしたLUUPの電動キックボードで走行中に、東京都豊島区東池袋の歩道で60代女性と衝突し、女性は転倒し肋骨などを骨折したが加害者は逃亡した。過失運転致傷の自動車運転死傷処罰法違反とひき逃げの道路交通法違反の疑いで、近辺にいた警察官に逮捕された[38]。警視庁によると、電動キックボードが絡む人身事故は2023年7月の1カ月間で、2023年1~6月の半年間に発生した件数の約半数に上った[39]。
警察庁は2024年9月に改正道交法の「特定小型原動機付自転車」による交通事故や交通違反交通違反の1年間の状況を発表したが、東京都で7割が起こり、事故件数は219件、負傷者は226人であった[40]。
法令違反
[編集]首都高では2024年4月から7件の侵入が確認されている。社長の岡井大輝は一部の利用者が何度も違反行為をしており撲滅できるとの趣旨を発言している[41]。検挙は高止まりしているが、2024年6月末から警察などと連携し、飲酒運転やひき逃げなど重大な違反をした利用者のアカウントは即座に凍結の方針を公表している[42]。
設置場所に関する物議
[編集]2024年11月、水道メーターの上にポートが設置されていたため、東京都水道局は公式X(@tocho_suido)で注意喚起を行った。検針やメーター交換の支障となる他、漏水等の際、止水の妨げともなることとして、水道メーター上に自転車などを置かないように投稿したと報じられた[43]。また、複数のホテルやマンションの設置場所が避難器具の降り口であったり、消火活動に必要な送水口付近のため消防法違反の可能性があることも指摘されている[44]。
海外における規制
[編集]海外では道端に車両を放置するモデルで普及したが、課題が多く、現在は自治体が運営主体となる形式も増えている[45]。日本ではポートモデルで普及しており、放置モデルとは異なる。
パリでは、2022年の電動キックボードによる死亡事故は3件、負傷事故は459件となった現状を背景に批判が高まり、2023年4月に行われた住民投票で9割が反対であったため8月にレンタル事業の全面禁止に至った。イギリスでも利用者が靱帯断裂事故を起こしたり、アメリカでは飲酒運転の問題もある。パリでは、電動キックボードのシェアが禁止されたのち、レンタル電動自転車の利用者数が急増したと報道されている[46]。
韓国では、BTSが電動キックボードを飲酒運転で転倒し、近くの警察官に発見され酒気帯び運転が発覚した。韓国では電動キックボードの運転には免許を要するが、罰金を受けた上免許は取り消しとなった[47]。この影響もあり電動キックボード・スクーターの飲酒・無免許運転を防ぐための法案が発議された。BTSシュガ防止法とも評されている。警察庁などの統計によると、2019-2023の最近5年間でパーソナルモビリティが加害車両である交通事故は合計7854件発生し、87人が死亡して8665名が負傷したと報道されている[48]。
日本国内においても、歌舞伎町や六本木などでは利用者の飲酒運転率の高さが相当になっている。これらについて事業者の対応が追いついていないとの指摘がある[49]。
広告と報道
[編集]2024年10月24日、二宮和也がLUUPの新CMに起用され記者会見を行った。これに対し、SNS上ではLUUP(および特定小型原動機付自転車)の利用者の悪質な運転を指摘する声が相次いでいるため、本人への好感度が下がったとの意見もXに投稿されたと報じられている。二宮自身も会見でLUUP利用者を見て危ないと感じることがあり、マナーがなってないと残念と語った。また、同社は元警視総監を監査役に迎えたことについて、交通ルールの周知徹底と安全対策の充実強化を指導を受けると説明している[50]。同社は10月16日に元警視総監や経産省出身者らを社外取締役などに迎えている[51]。なお本人はプライベートでも電動キックボードを利用していると公言している[52]。
2024年11月現在、SNSやマスコミを中心に批判が起こっている現状と報じられている[53]賛否についてテレビ討論も行われた[54]。
高齢者向け電動モビリティ
[編集]同社代表の岡井大輝は、電動キックボードや電動アシスト自転車の利用者は(立位で乗車できる)健常者に限定されてしまうため、将来的には着座して利用でき、安定性の高い高齢者向け電動モビリティの導入も目指すとしている[55]。
脚注
[編集]- ^ “株式会社Luupの情報|国税庁法人番号公表サイト”. 2023年7月4日閲覧。
- ^ 株式会社Luup法人登記簿 2022年8月25日現在
- ^ a b “株式会社Luupの情報|国税庁法人番号公表サイト”. 2021年9月25日閲覧。
- ^ “国内では初となる自治体(浜松市・奈良市・四日市市・多摩市・横瀬町)と、新しい公共交通と観光に関する連携協定を締結 | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ”. Luup(ループ) (2019年4月18日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ “国内電動キックボード事業者を中心に、マイクロモビリティの社会実装を促進する『マイクロモビリティ推進協議会』を設立 | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ”. Luup(ループ) (2019年5月28日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ “規制のサンドボックス制度のモビリティ分野における初認定を、電動マイクロモビリティ「LUUP」の実証計画が取得 | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ”. Luup(ループ) (2019年10月17日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ “電動キックボードの公道走行実証の計画が「新事業特例制度」に認定 | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ”. Luup(ループ) (2020年10月16日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ “小型電動自転車のシェアサービス、JR西、南海と連携”. 日本経済新聞. 2022年2月17日閲覧。
- ^ “LUUPが電動キックボードのシェアリングサービス 渋谷区などで実証実験(シブヤ経済新聞)”. 2021年9月25日閲覧。
- ^ “京都府で電動キックボードのシェアアプリ「LUUP」の提供を開始”. Luup. 2022年2月17日閲覧。
- ^ “横浜初・電動キックボードシェアリングサービス「LUUP」の提供を開始”. Luup. 2022年2月17日閲覧。
- ^ “京都市で電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」の提供を開始”. Luup. 2022年2月17日閲覧。
- ^ 『LUUPのロゴを刷新し、視認性を向上させた新電動キックボードを発表』(プレスリリース)株式会社Luup、2022年2月15日 。2022年8月25日閲覧。
- ^ 安藤康之 (2022年2月18日). “電動キックボードのLUUPがマシンを刷新! その狙いは?”. マイナビニュース. 2022年8月25日閲覧。
- ^ “警察による「外国人留学生を対象とした電動キックボード等安全利用キャンペーン」に協力しました”. Luup. 2024年8月27日閲覧。
- ^ “電動キックボードのシェアサービス初の公募で採択!宇都宮市で電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」を提供開始”. Luup. 2022年11月24日閲覧。
- ^ “兵庫県初!神戸市で電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」提供を開始”. Luup. 2023年3月15日閲覧。
- ^ “名古屋市で、電動キックボードや電動アシスト自転車のシェアリングサービス「LUUP」の提供を開始しました | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ”. Luup(ループ) (2023年5月31日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ “改正道路交通法の施行を受けて、Luupの今後について | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ”. Luup(ループ) (2023年7月1日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ “広島県初(※1)!広島市で電動キックボードや電動アシスト自転車のシェアリングサービス「LUUP」の提供を開始 | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ”. Luup(ループ) (2023年7月18日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ “福岡市で電動キックボードや電動アシスト自転車の高密度なシェアリングサービス「LUUP」の提供を開始 | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ”. Luup(ループ) (2024年3月12日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ “Luup、新サービス「LUUP for Community」の本格提供および申し込み受付を開始自治体・企業・団体による「LUUP」の地域導入・運営が可能に | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ”. Luup(ループ) (2024年6月20日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ “Luup、座席・カゴ付きの特定小型原付「電動シートボード」を発表 | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ”. Luup(ループ) (2024年6月25日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ “北九州市で電動キックボードや電動アシスト自転車の高密度なシェアリングサービス「LUUP」の提供を開始 | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ”. Luup(ループ) (2024年10月18日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ a b “Luup公式サイト”. 2021年11月29日閲覧。
- ^ note. “試行錯誤の連続で日本市場に最適なマイクロモビリティを開発するーLUUPプロダクト開発の裏側 ハードウェア編。”. Luup公式note. 2024年11月15日閲覧。
- ^ 日刊工業新聞. “電動キックボードもシェアリングサービス。”. ニュースイッチ. 2024年11月15日閲覧。
- ^ Luup. “Luup、元HUAWEIジャパン・LINE・ソフトバンクロボティクスの鄭万哲氏がハードウェア統括に就任”. Luup news一覧. 2024年11月15日閲覧。
- ^ “LUUP、小型電動アシスト自転車のシェアサービス開始。10分100円〜(Impress Watch)”. 2021年9月25日閲覧。
- ^ “安全なライドのためのルール(電動キックボード)”. 2021年9月25日閲覧。
- ^ “交差点の曲がり方”. 2023年9月29日閲覧。
- ^ “死亡事故が起きた電動キックボード なぜ「ノーヘルOK」にこだわるのか”. NEWSポストセブン (2022年10月3日). 2024年8月28日閲覧。
- ^ “<独自>電動キックボード初の死亡事故 酒気帯び疑いで書類送検 警視庁”. 産経新聞 (2023年5月11日). 2024年8月28日閲覧。
- ^ “電動キックボードで男性死亡…運営会社LUUPの釈明に「お悔み申し上げますくらい言えば」の声”. 日刊ゲンダイ (2022年9月28日). 2024年8月28日閲覧。
- ^ ““危険走行”電動キックボードで死亡事故も…運営するサービス事業者を直撃した”. 日刊SPA! (2023年10月4日). 2024年11月18日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “竹富町の小浜島で電気自転車に乗っていた男性が転倒して死亡|NHK 沖縄県のニュース”. NHK NEWS WEB. 2024年10月24日閲覧。
- ^ “【池袋駅前】「なんで国は規制緩めた…」電動キックボードひき逃げで60代女性が骨折の大ケガ…拡散された「衝突直後」の瞬間に驚き”. 週刊女性PRIME (2023年9月13日). 2024年8月27日閲覧。
- ^ “電動キックボード、免許不要で利用も事故も急増。最大手Luupに聞く現状”. BUSINESS INSIDER (2023年9月20日). 2024年8月27日閲覧。
- ^ “電動キックボード「LUUP」の「交通違反」目撃続出 運営会社は「見つけたら警察に通報を」”. 弁護士ドットコムニュース (2024年11月16日). 2024年11月18日閲覧。
- ^ “電動キックボード「暴走」なんと首都高まで ルール無視が多発する中「一部の利用者」とLuup社長は語り”. 東京新聞 (2024年12月10日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ “電動ボード、検挙高止まり Luup社長「一部利用者が何度も」 悪質違反には厳罰化の意向”. JIJICOM (2024年12月3日). 2024年12月12日閲覧。
- ^ 島田拓 (2024年11月14日). “LUUPの駐輪場、水道メーターの上にあると物議に 都の水道局は「検針に支障がある」と指摘”. ITmedia NEWS. 2024年11月18日閲覧。
- ^ “「LUUP」が設置された複数のホテルやマンションで消防法違反の可能性…「消防署の指導で対応」”. 弁護士ドットコム (2024年10月10日). 2024年11月18日閲覧。
- ^ “欧州の電動キックボードの放置問題 - Living in Denmark” (2022年4月22日). 2024年10月24日閲覧。
- ^ 青葉やまと (2023年12月26日). “なぜ電動キックボードは世界中で「禁止令」が相次ぐのか…何周も遅れて解禁する日本のお粗末な現状 自動車は減らず、バスより環境に悪い”. PRESIDENT Online. 2024年8月27日閲覧。
- ^ “BTSのSUGAさんが謝罪、電動キックボードを飲酒運転 免許取り消しに”. CNN (2024年8月8日). 2024年8月28日閲覧。
- ^ “BTSシュガ防止法…電動キックボード・スクーター飲酒運転処罰強化推進”. 中央日報 (2024年8月22日). 2024年8月28日閲覧。
- ^ “ちょい乗り需要増で人気の電動キックボード 深夜の繁華街では飲酒運転が横行「うるせえ!」「酔い覚ましにちょうどいい」と開き直る利用者も”. NEWSポストセブン (2024年8月27日). 2024年8月28日閲覧。
- ^ “「好感度だだ下がり」二宮和也 LUUPのCM起用で「仕事選んで」と批判が飛び火…深刻な“悪質走行”への嫌悪”. 女性自身 (2024年10月25日). 2024年10月29日閲覧。
- ^ “「めっちゃ好感度下がった」二宮和也 「電動キックボード」CM出演にファンの評価ダダ下がり悪”. smart FLASH (2024年10月25日). 2024年10月29日閲覧。
- ^ “二宮和也「中学生みたい」『LUUP』電動キックボードを体験も“ダサすぎる”の声、低評価連発の背景に“41歳”の現実”. 週間女性PRIME (2024年10月27日). 2024年10月29日閲覧。
- ^ 谷頭和希 (2024年11月15日). “危険運転やマナー違反だけではない LUUPが「悪目立ちする」存在になった2つの理由”. ITmediaビジネスオンライン. 2024年11月18日閲覧。
- ^ “LUUPへ賛否相次ぐ 「新しいものにすぐ反対」はユニコーン企業が生まれない日本の空気感? 海外経営者「日本で叩かれることが海外では褒められる」”. AMEBA TIMES (2024年11月10日). 2024年11月18日閲覧。
- ^ “【国内初】電動キックボード、4月下旬にシェアリングサービス開始へ。それでもLuup代表が「実は最適ではない」と語る真意(Business Insider)”. 2021年9月25日閲覧。