レナード・コーエン
レナード・コーエン | |
---|---|
レナード・コーエン(2008年) | |
基本情報 | |
出生名 | レナード・ノーマン・コーエン |
生誕 | |
死没 | |
ジャンル | |
職業 | |
担当楽器 | |
活動期間 | 1956年 - 2016年 |
レーベル | コロムビア・レコード |
公式サイト | The Official Leonard Cohen Site |
レナード・コーエン(英: Leonard Cohen、1934年9月21日 - 2016年11月7日[4])は、カナダのシンガーソングライター、詩人、小説家。80歳を超えた後もアルバムをリリースするなど、精力的に活動した。代表曲は「ハレルヤ」(1984年)など。
「Q誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第54位[5]。元々は詩人で、17歳で飛び級入学した大学時代に詩集を出版した。シンガーソングライターとしては、33歳の頃にファーストアルバムをリリースするなど遅咲きであった[6]。
経歴
[編集]幼少・少年時代
[編集]1934年、ケベック州モントリオールの裕福な中流ユダヤ系家庭に生まれる。父親はモントリオールで大きな服飾店を経営。コーエンにとってショッキングな出来事は、彼が9歳の時に父親が他界したことだったが、父はコーエンが勉学を出来る程度の信託財産を残していた。少年時、詩や作家としてコーエンを奨励したのは母親だった。13歳でギターを弾き始め、地元のカフェでカントリー&ウエスタンの曲を演奏する[7]。
詩人・小説家
[編集]1951年、マギル大学に入学し詩人としてのキャリアを積む。コーエンはマギル討論会議の代表に就き1956年、在学中に最初の詩集『Let Us Compare Mythologies』(「神話を生きる」と題されて日本でも出版された)を出版した[8]。1961年に出版した2作目の詩集『The Spice-Box of Earth』で特に母国カナダで詩人として知られるようになる。1960年代には主に詩人、小説家として活動する(2作目の小説『嘆きの壁』[注 1]が翻訳されて集英社より出版されていたが、現在は絶版)。台湾の政務委員(デジタル担当)を務めるオードリー・タンは、著書の中で「私が好きなレナード・コーエンの詞の一節」として「すべてのものにはヒビがある。そして、そこから光が差し込む。」(Anthemより)という一節を紹介している。
シンガーソングライター
[編集]コーエンはピート・シーガー、トム・パクストン、フィル・オクス、グレアム・オールライト[注 2]らと同様、社会派のブロードサイド・バラッドを歌う歌手として位置づけられていた。4作目の詩集『Parasites of Heaven』(1966年)に収められた「スザンヌ」が同年11月、ジュディ・コリンズによってカバーされる。それがコロムビア・レコードでボブ・ディランのプロデューサーを務めていたジョン・ハモンドの目に止まり、アメリカでのコーエンのレコード・デビューが決まる。1967年12月27日、デビュー・アルバム『レナード・コーエンの唄』を発表。商業的なヒットとはならないも、シンガーソングライターとしてのコーエンの名を広く知らしめた。
1960年代から禅に傾倒し、ロサンゼルス近郊のマウント・ボールディ禅センターで佐々木承周に師事する[9]。1975年にお忍びで来日するが、公演は実現していない。京都の禅寺などを見て回り、新・都ホテルに滞在した。
2016年11月10日、自身のフェイスブックにて死去したことが公表された。82歳没[10]。
受賞歴など
[編集]- 1968年、詩選集 (1956–1968) カナダ総督賞(Governor General's Award カテゴリー:英語における詩およびドラマ)に選ばれる。
- 1991年、Canadian Music Hall of Fameに選ばれる。
- 1996年、臨済宗の和尚となる
- 2004年、カナダ勲章を受章
- 2004年、Beautiful Losers 2005に選ばれる。
- 2006年、ベストソングライター・オブ・カナダ (Canadian Songwriters Hall of Fame) に選ばれる。
- 2008年、ロックの殿堂 (Rock and Roll Hall of Fame) 入りを果たす。
- 2011年、アストゥリアス皇太子賞文学部門を受賞
ディスコグラフィ
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]- 『レナード・コーエンの唄』 - Songs of Leonard Cohen (1967年)
- 『ひとり、部屋に歌う』 - Songs from a Room (1969年) ※旧邦題『現代の吟遊詩人レナード・コーエン』
- 『愛と憎しみの歌』 - Songs of Love and Hate (1971年)
- 『愛の哀しみ (古い儀式に新しい肌)』 - New Skin for the Old Ceremony (1974年)
- 『ある女たらしの死』 - Death of a Ladies' Man (1977年)
- 『最近の唄』 - Recent Songs (1979年)
- 『哀しみのダンス』 - Various Positions (1984年)
- 『特捜刑事マイアミ・バイス』 -Miami Vice(1985年) テレビシリーズの1エピソード
- 『アイム・ユア・マン』 - I'm Your Man (1988年) ※旧邦題『ロマンシェード』
- 『フューチャー』 - The Future (1992年)
- 『テン・ニュー・ソングズ』 - Ten New Songs (2001年)
- 『ディア・ヘザー』 - Dear Heather (2004年)
- 『オールド・アイディア』 - Old Ideas (2012年)
- 『ポピュラー・プロブレムズ』 - Popular Problems (2014年)
- 『ユー・ウォント・イット・ダーカー』 - You Want It Darker (2016年)
- 『サンクス・フォー・ザ・ダンス』 - Thanks for the Dance (2019年)
ライブ・アルバム
[編集]- 『ライヴ・ソングス』 - Live Songs (1973年)
- 『コーエン・ライヴ』 - Cohen Live:Leonard Cohen in Concert (1994年)
- Field Commander Cohen:Tour of 1979 (2001年)
- 『ライヴ・イン・ロンドン』 - Live in London (2009年)
- Live at the Isle of Wight 1970 (2009年)
- 『ソングス・フロム・ザ・ロード』 - Songs from the Road (2010年)
- Live in Dublin (2014年)
コンピレーション・アルバム
[編集]- 『ベスト・オブ・レナード・コーエン』 - The Best of Leonard Cohen / Greatest Hits (1975年)
- Liebesträume – Leonard Cohen singt seine schönsten Lieder (1980年) ※ドイツのみでリリース
- So Long, Marianne (1989年)
- 『モア・ベスト・オブ・レナード・コーエン』 - More Best of Leonard Cohen (1997年) ※新曲2曲を含む
- 『ベスト・オブ・レナード・コーエン - エッセンシャル・コレクション』 - The Essential Leonard Cohen (2002年)
- The Collection (2008年)
- Greatest Hits (2009年)
- The Complete Studio Albums Collection (2011年) ※初期アルバム11枚組ボックス
カバーと関連作品
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
- 『僕たちレナード・コーエンの大ファンです。』 - I'm Your Fan (1991年) ※コーエンの作品を、R.E.M.、ニック・ケイヴ、ジョン・ケール他18組のアーティストがカバーしたトリビュートアルバム
- Blue Alert (2006年) ※Anjani Thomasのアルバム。プロデューサーを務めた。
- イアン・マッカロク - 「There is a War」のカバーを唄う。
著作
[編集]詩集
[編集]- Let Us Compare Mythologies. Montreal:Contact Press [McGill Poetry Series] (1956)(2007再版)
- 「神話を生きる―レナード・コーエン詩集1 」諏訪優翻訳(1977/11)(JCA)
- The Spice-Box of Earth. Toronto:McClelland & Stewart, (1961)
- 「大地の薬味入れ―レナード・コーエン選詩集2」川村元彦翻訳(1978/8)(JCA)
- Flowers for Hitler. Toronto:McClelland & Stewart, (1964)
- Parasites of Heaven. Toronto:McClelland & Stewart, (1966)
- Selected Poems 1956–1968. Toronto:McClelland & Stewart, (1968)
- The Energy of Slaves. Toronto:McClelland and Stewart, (1972) ISBN 0-7710-2204-2 ISBN 0771022034 New York:Viking, 1973.
- Death of a Lady's Man. Toronto:McClelland & Stewart, (1978) ISBN 0-7710-2177-1 London, New York:Viking, Penguin, (1979)(2010再版)
- Book of Mercy. Toronto:McClelland & Stewart, (1984)(2010再版)
- Stranger Music:Selected Poems and Songs. London, New York, Toronto:Cape, Pantheon, McClelland & Stewart, (1993)ISBN 0-7710-2230-1
- Book of Longing. London, New York, Toronto:Penguin, Ecco, McClelland & Stewart(2006) (poetry, prose, drawings) (ISBN 978-0-7710-2234-0
- The Lyrics of Leonard Cohen. London:Omnibus Press, (2009)ISBN 0-7119-7141-2
- Poems and Songs. New York:Random House (Everyman's Library Pocket Poets), (2011)
- Fifteen Poems. New York:Everyman's Library/Random House, (2012) (eBook)
小説
[編集]- The Favourite Game|The Favorite Game. London, New York, Toronto:Secker & Warburg, Viking P, McClelland & Stewart, (1963)
- The Favourite Game. Toronto:McClelland & Stewart [New Canadian Library], (1994再版) ISBN 978-0-7710-9954-0
- Beautiful Losers. New York, Toronto:Viking Press, McClelland & Stewart, 1966. Toronto:McClelland & Stewart [New Canadian Library], (1991) ISBN 978-0-7710-9875-8 McClelland & Stewart [Emblem], 2003. ISBN 978-0-7710-2200-5
- 「歎きの壁」 (1970年) (現代の世界文学) 大沢正佳翻訳(集英社)
評伝
[編集]- Various Positions, A Life of Leonard Cohen(1996) Ira Nadel (Random House)
関連項目
[編集]- フォークソング
- PERFECT DAYS ‐ 主人公のイメージ作りに僧侶時代のコーエンを参考にした[12]
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ Leonard Cohen, singer-songwriter of love, death and philosophical longing, dies at 82
- ^ a b c Eder, Bruce. Leonard Cohen Biography, Songs & Albums - オールミュージック. 2021年10月19日閲覧。
- ^ Kapica, Jack (1973年8月25日). “The trials of Leonard Cohen”. The Gazette 2021年10月19日閲覧。
- ^ “『11月7日はなんの日?』「ハレルヤ」で知られる偉大なシンガー・ソングライター、レナード・コーエンの命日”. Billboard JAPAN (2017年11月7日). 2024年11月7日閲覧。
- ^ “Rocklist.net...Q Magazine Lists..”. Q - 100 Greatest Singers (2007年4月). 2013年5月21日閲覧。
- ^ “遅咲きながら大成功を収めた10人の男たち”. Esquire(エスクァイア). ハースト婦人画報社 (2017年4月30日). 2024年11月7日閲覧。
- ^ “iTunes - Music - Leonard Cohen Biography”. Apple Music. 2024年11月7日閲覧。
- ^ Simmons, Sylvie. I'm Your Man: The Life of Leonard Cohen. NY: HarperCollins, 2012.
- ^ 三浦久「追憶の60年代カリフォルニア」p.123 平凡社新書 1999年
- ^ “レナード・コーエン氏が死去、伝説的歌手で詩人”. REUTERS (2016年11月11日). 2024年11月7日閲覧。
- ^ “"U2のボノ、レナード・コーエンの"ハレルヤ"を世界で最も完璧な曲だと語る"”. ro69.jp (December 25, 2012). December 12, 2013閲覧。
- ^ 【第1弾】「平山という男は、どこから来たのか」ヴィム・ヴェンダース監督ロングインタビュー_『PERFECT DAYS』映画会社ビターズ・エンド 2024.1