LVS-97
LVS-97(71-147) ЛВС-97 | |
---|---|
LVS-97K(サンクトペテルブルク) | |
基本情報 | |
製造所 | ペテルブルク路面電車機械工場 |
製造年 | 1997年 - 2004年 |
製造数 | 51両 |
主要諸元 | |
編成 | 2車体連接車 |
軌間 | 1,524 mm |
電気方式 |
直流550 V (架空電車線方式) |
設計最高速度 | 75.0 km/h |
車両定員 | 最大257人 |
車両重量 | 29.5 t |
編成長 | 22,000 mm |
車体長 |
13,000 mm(先頭車体) 9,000 mm(後方車体) |
全幅 | 2,550 mm |
全高 | 3,146 mm |
車輪径 | 710 mm |
固定軸距 | 1,940 mm |
台車中心間距離 | 7,500 mm |
主電動機 |
DK-259G(LVS-97K) TAD-21M(LVS-97A) |
主電動機出力 | 50 kw |
出力 | 200 kw |
制御方式 |
抵抗制御(LVS-97K) 電機子チョッパ制御(LVS-97M) VVVFインバータ制御(LVS-97A) |
制動装置 | 電空併用ブレーキ、ディスクブレーキ、電磁吸着ブレーキ |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4]に基づく。 |
LVS-97(ロシア語: ЛВС-97)は、かつてロシア連邦に存在した輸送用機器製造メーカーのペテルブルク路面電車機械工場が製造した路面電車車両。71-147という形式番号も有する[1][3][5]。
概要
[編集]1997年から製造が行われた片運転台の2車体連接車。従来ペテルブルク路面電車機械工場で量産されていた連接車のLVS-86とは構造が異なり、中間部のボギー台車が車体間(連接部)ではなく先頭車体に設置されているのが特徴である。そのため車体毎に全長が異なっており、先頭車体は13 m、後方車体は9 mである。双方の車体間には貫通路が設置され、ゴム布生地の蛇腹状の幌によって覆われている。車体は溶接構造を用いた鋼製だが、後述のように2000年以降に製造された車両は前面にグラスファイバーが用いられている。運転室は仕切りによって客室と分けられており、乗務員専用の乗降扉も右側面に設置されている。乗客用の両車体共に右側面2箇所に存在するが、うち先頭車体については隣り合う形で配置されている[1][3][4]。
台車は先頭車体に動力台車が2台、後方車体に付随台車が1台設置され、動力台車には主電動機が2基搭載される他、各台車にはディスクブレーキ、もしくはドラムブレーキが存在する。車内照明を始めとする低電圧供給用として、オンボート電圧コンバータ(BPN)やメンテナンスの簡素化を図った充電池が設置されている。制動には電空併用ブレーキ(発電ブレーキ、空気ブレーキ)が使用される他、非常時には電磁吸着ブレーキが作動する[3][4]。
これらの設計や機構の一部は、1993年から1994年にかけて試作されたLVS-93(3車体連接車)に導入された要素が用いられている[4][6]。
-
車内
-
後方の車体には運転台がない
運用・車種
[編集]LVS-97は1997年から2004年にかけて50両が製造され、サンクトペテルブルク(サンクトペテルブルク市電)を始めとするロシア連邦の各都市に導入された。製造過程で座席や窓の配置を始めとした設計変更が行われ、特に2000年以降に製造された車両は前面デザインが変わりグラスファイバーが用いられるようになった他、2001年からは乗降扉の形状や先頭車体の扉配置も変更された。これらの車両は電気機器や車体形状の違いにより、以下の形式に分類される[1][3][5][4]。
- LVS-97K(ЛВС-97К、71-147) - LVS-97における基本形式。1997年から2002年までに41両が製造された。主電動機には直流電動機、制御装置には抵抗制御方式が導入された[1][2][4]。
- LVS-97M(ЛВС-97М、71-147)、 - 1998年に2両が製造された試作形式で、電機子チョッパ制御方式(IGBT素子)が用いられた。うちヴィテプスク(ヴィテプスク市電)に導入された1両は試験終了後に消費電力を抑えたVVVFインバータ制御の「LVS-97A」に改造された一方、サンクトペテルブルク市電に導入された1両についてはペテルブルク電気車両博物館(Ретро-трамвай — петербургская классика)に保存されている[1][3][7][8]。
- LVS-97A(ЛВС-97А、71-147А) - 主電動機に誘導電動機を用い、VVVFインバータ制御装置を搭載した形式。LVS-97Mから改造された1両に加え、1998年から2003年の間に6両が新造された[1][2][9]。
- LVS-97A-01(ЛВС-97А-01、71-151А) - 2004年に1両が試作された形式。電気機器はLVS-97Aと同様だが、後方車体の大部分が低床構造となっている[1][9]。
LVS-97が導入された都市は以下の通りである[1][7][9][10]。
形式 | 国 | 都市 | 導入車両数 |
---|---|---|---|
LVS-97 | ロシア連邦 | サンクトペテルブルク (サンクトペテルブルク市電) |
37両 |
コロムナ (コロムナ市電) |
11両 | ||
クラスノヤルスク (クラスノヤルスク市電) |
2両 | ||
LVS-97M | ロシア連邦 | サンクトペテルブルク (サンクトペテルブルク市電) |
1両 |
ベラルーシ | ヴィーツェプスク (ヴィーツェプスク市電) |
1両 | |
LVS-97A | ロシア連邦 | サンクトペテルブルク (サンクトペテルブルク市電) |
6両 |
LVS-97A-01 | ロシア連邦 | サンクトペテルブルク (サンクトペテルブルク市電) |
1両 |
ギャラリー
[編集]-
LVS-97K(サンクトペテルブルク、2013年撮影)
-
LVS-97K(前面形状変更)(サンクトペテルブルク、2007年撮影)
-
LVS-97A(サンクトペテルブルク、2008年撮影)
-
LVS-97A-01(サンクトペテルブルク、2006年撮影)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i Ryszard Piech (2008年6月16日). “Tramwaje Wagonmash St. Petersburg” (ポーランド語). InfoTram. 2020年4月7日閲覧。
- ^ a b c “Подвижной состав”. ГЭТ Электротранспорт Санкт-Петербурга. 2020年4月7日閲覧。
- ^ a b c d e f ПТМЗ (2004年). “70 лет”. pp. 10. 2020年4月7日閲覧。
- ^ a b c d e f “ЛВС-97К (71-147)”. Трамвайные вагоны – Твой Транспорт. 2010年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月7日閲覧。
- ^ a b “Запасные Части Для Травмвая ЛВС-97К”. ООО «ЛенПромОборудование». 2020年4月7日閲覧。
- ^ “Сочленённый трамвай ЛВС-93 №3280”. Ретро-трамвай — петербургская классика. 2020年4月7日閲覧。
- ^ a b “ЛВС-97М (71-147)”. Трамвайные вагоны – Твой Транспорт. 2010年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月7日閲覧。
- ^ Олег Бодня (2018年7月). “Всероссийское музейное депо”. Грузовик Пресс. 2020年4月7日閲覧。
- ^ a b c “ЛВС-97А”. Трамвайные вагоны – Твой Транспорт. 2010年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月7日閲覧。
- ^ “ЛВС-97К (71-147)”. Трамвайные вагоны – Твой Транспорт. 2010年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月7日閲覧。