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KOI-456.04

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
KOI-456.04
星座 こと座[1]
分類 太陽系外惑星
地球型惑星
発見
発見年 2020年
発見方法 トランジット法
現況 候補[2]
軌道要素と性質
元期:BKJD 489.780+0.031
−0.047
[3]
軌道長半径 (a) 1.089+0.037
−0.073
au[3]
公転周期 (P) 378.417+0.028
−0.025
[3]
ケプラー160の惑星
位置
元期:J2000.0[4]
赤経 (RA, α)  19h 11m 05.6526222958s[4]
赤緯 (Dec, δ) +42° 52′ 09.472462015″[4]
固有運動 (μ) 赤経: 3.476 ミリ秒/[4]
赤緯: -5.212 ミリ秒/年[4]
年周視差 (π) 1.0385 ± 0.0183ミリ秒[4]
(誤差1.8%)
距離 3140 ± 60 光年[注 1]
(960 ± 20 パーセク[注 1]
物理的性質
直径 24,364+2,169
−1,786
km
半径 1.91+0.17
−0.14
R[3]
表面積 1.861×109 km2
体積 7.548×1012 km3
表面温度 ~278 K
(~5 [3]
他のカタログでの名称
ケプラー160e[2]
KOI-456 e[5]
KIC 7269974 e[5]
Template (ノート 解説) ■Project

KOI-456.04は、こと座の方向に約3,140光年離れた場所に位置する[4]恒星 ケプラー160 の周りを公転している太陽系外惑星候補である[2]。まだ惑星候補であるため、発見論文では「KOI-456.04」というKepler object of interest(KOI)における名称が使われているが[3]太陽系外惑星エンサイクロペディアや一部のメディアでは、ケプラー160系の第4惑星であることから ケプラー160e英語: Kepler-160e)という名称が使用されている[2][5]

特徴

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大きさの比較
海王星 KOI-456.04
海王星 Exoplanet

ケプラー160系には、ケプラー宇宙望遠鏡による観測で既にケプラー160bケプラー160cという2つの惑星が存在することが2014年に確認されていたが[6]、ケプラー160cの公転周期に変化が生じていたことから、3つ目の惑星が存在すると考えられた。そして2020年に、その公転周期の変動を起こしている原因となっている第3の惑星ケプラー160dの存在が確認された。これと同時に、トランジットを起こす新たな惑星候補、KOI-456.04が存在する可能性が浮上した[3][1]。現時点でKOI-456.04は惑星候補という位置づけとなっているが、85%の確率で存在するだろうと言われている[3][7]

KOI-456.04は、太陽に似た恒星ケプラー160の周りを378日かけて公転しており、この軌道はケプラー160のハビタブルゾーン内に位置するとされ、潜在的に居住可能な惑星であると考えられている[8]。KOI-456.04の存在が確認された場合、半径地球の約2倍よりも小さく、主星から受け取る光の放射量は地球が太陽から受け取る放射量の93+18
−12
%とされている[3]。仮に大気が惑星に存在し、穏やかな温室効果が起きている場合、KOI-456.04の表面温度は地球の平均温度よりも10 ℃低い5 ℃程度になると考えられている[1][3][7]。KOI-456.04はハビタブルゾーン内を公転し、公転周期が地球(365.25日)に近く、さらに主星ケプラー160が太陽と非常によく似た特性を持つ恒星であることから、マックス・プランク太陽系研究所(MPS)はケプラー160とKOI-456.04を「A mirror image of Earth and Sun(地球と太陽の鏡像)」と表現している[1][8]

2026年の打ち上げが予定されているPLATOで、KOI-456.04を観測する計画が提案されている[7]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典

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  1. ^ a b c d 松村武宏 (2020年6月6日). “太陽と地球に関係に似た系外惑星候補を発見。条件次第で表面温度は摂氏5度か”. sorae.info. 2020年6月13日閲覧。
  2. ^ a b c d Jean Shneider. “Planet Kepler-160 e”. The Extrasolar Planet Encyclopaedia. 2020年6月13日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j Heller, René; Hippke, Michael; Freudenthal, Jantje; Rodenbeck, Kai; Batalha, Natalie M.; Bryson, Steve (2020). “Transit least-squares survey”. Astronomy and Astrophysics 638: A10. arXiv:2006.02123. doi:10.1051/0004-6361/201936929. 
  4. ^ a b c d e f g Results for Kepler-160”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2020年6月13日閲覧。
  5. ^ a b c Natali Anderson (2020年6月9日). “Sun-Like Star Kepler-160 Has Super-Earth in Habitable Zone”. Science News. 2020年6月13日閲覧。
  6. ^ Rowe, Jason F.; Bryson, Stephen T.; Marcy, Geoffrey W. et al. (2014). “Validation of Kepler's Multiple Planet Candidates. III. Light Curve Analysis and Announcement of Hundreds of New Multi-planet Systems”. The Astrophysical Journal 784 (1): 20. arXiv:1402.6534. Bibcode2014ApJ...784...45R. doi:10.1088/0004-637X/784/1/45. 
  7. ^ a b c Paul Gilster (2020年6月9日). “KOI-456.04: Earth-like Orbit Highlights New Detection Tools”. Centauri Dreams. 2020年6月13日閲覧。
  8. ^ a b A faint resemblance of Sun and Earth”. Max-Planck-Gesellschaft (2020年6月4日). 2020年6月13日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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