ロシア語キー配列
ロシア語キー配列(ロシアごキーはいれつ)は、パソコンおよびタイプライターでのロシア語入力のキー配列。文字の並び順にちなんで、ЙЦУКЕН配列またはJCUKEN配列とも呼ばれる。
キー配列
[編集]コンピュータの配列とタイプライターの配列は、ロシア文字においてはЁ ё 以外では共通している。
また、タイプライターの配列をコンピュータに使用することも可能である。
ラテン文字のキー配列
[編集]ソビエト連邦時代に作られたコンピュータでは、ラテン文字もJCUKEN配列となっており、キリル文字の発音に概ね対応したキー配列となっていた。
現在のロシア語キーボードは、キリル文字はЙЦУКЕН配列でラテン文字はQWERTY配列という形が一般的であり、実際の発音とはまったく一致しない配列となっている。
20世紀初頭のタイプライター配列
[編集]ロシア革命直後の1918年にロシア文字改革があり、І(і)とѢ(ѣ)の2つの文字が削られた。そのため、改革以前のタイプライターの配置は現在と比べて以下のような違いがある。
- І(і)が、Ц(ц)のところにあった。
- Ѣ(ѣ)が、С(с)のところにあった。
- С(с)、М(м)、И(и)、Т(т)、Ь(ь)、Б(б)、Ю(ю)が、現在の配列より、ひとつ右に位置していた。
- Ц(ц)が、QWERTY配列で0(ゼロ)のところにあり、Э(э)はその右隣にあった。
ロシア語以外のキリル文字のキー配列
[編集]キリル文字を使用する諸言語においてもJCUKEN配列を基礎とした配列を採用している。Windowsがサポートしているキー配列は、ベラルーシ語、ウクライナ語、モンゴル語(Windows 95から採用)、アゼルバイジャン語、カザフスタン語、キルギス語、ウズベキスタン語(Windows XPから採用)、バシキール語、タジキスタン語(Windows Vistaから採用)、サハ語(Windows 7から採用)である[1]。
JCUKEN配列を基礎としないキリル語のキー配列としては、タタール語、セルビア語、マケドニア語、ブルガリア語が挙げられる。
ベラルーシ語
[編集]Ўがロシア語キー配列におけるЩの位置にあり、JCUKEN配列としては唯一Иの入力キーがなく、Ъの入力キーもないことが特徴である。
ウクライナ語
[編集]Іの位置にЫ、Єの位置にЭ、Ъの位置にЇが配置されているほか、Ґの入力キーが用意されている。
モンゴル語
[編集]JCUKEN配列を基礎とするが、FCUZHENとも呼ばれる。モンゴル語のキー配列はロシア語と大きく異なる。
アゼルバイジャン語
[編集]JCUKEN配列を基礎とするが、JÜUKEN配列とも呼ばれる。JCUKEN配列のキー配列としては唯一Йが配置されていないほか、Ҹ、Һ、Ҝ、Јが独自に配置される。
Яの位置にӘ、Юの位置にӨ、Ьの位置にҒ、Ъの位置にҸ、Цの位置にҮ、Щの位置にҺが配置されている。
カザフ語
[編集]キルギス語
[編集]ロシア語キー配列を基礎として作られているが、キルギス語に特有の文字はAltキーを押下することによって入力できる。
ウズベク語
[編集]Ўがロシア語キー配列におけるЩの位置にあり、ベラルーシ語の配列に似ているが、Ыの位置にҚが配置されているほか、Ғ、Ҳが独自に配置されている。
バシキール語
[編集]タジク語
[編集]JCUKEN配列を基礎とするが、YQUKEN配列とも呼ばれる。Цの位置にҚ、Ыの位置にҶ、Ьの位置にӢが配置され、Ҳ、Ӯ、Ғのキーも独自に用意されている。
サハ語
[編集]タタール語
[編集]タタール語の表記として稀にキリル文字が使われるが、JCUKEN配列と配列が異なることから、YÖUKENと呼ばれる。また、カルムイク語、トルクメン語においても同様の配列が使われる。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ “Windows Keyboard Layouts”. Microsoft (2017年). 2022年6月4日閲覧。
外部リンク
[編集]- ロシア語入力の設定(Windows11&10) - ウェイバックマシン(2022年9月30日アーカイブ分)ロシア語倶楽部
- ロシア語入力の設定(macOS) - macOSユーザガイド
- ロシア語入力の設定(Android) - Google Gboardヘルプ
- ロシア語入力の設定(iPhone・iPadでGoogle Gboardを使用する場合) - Google Gboardヘルプ
- ロシア語入力の設定(iPhone・iPad) - よくあるご質問(FAQ)ソフトバンクサポート