ICE 1
ICE 1 | |
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ICE 1 | |
基本情報 | |
運用者 | ドイツ鉄道 |
製造所 | AEG、ABB、ヘンシェル、クラウス=マッファイ、クルップ、シーメンス |
製造年 | 1989年 - 1994年 |
製造数 | 60編成[1] |
運用開始 | 1991年6月[2] |
主要諸元 | |
編成 | 14両編成(2M12T) |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 | 交流15kV 16.7Hz[2] |
最高運転速度 | 280 km/h[2] |
編成定員 | 703人[2] |
自重 |
77.5 t (動力車) 50 - 55t (客車) |
編成重量 | 849 t |
編成長 | 358 m (付随車12両) |
全長 |
20,560mm (動力車) 26,400mm (客車) |
軸重 | 19.5 t[2] |
主電動機出力 | 1,200 kW × 8基/編成 |
編成出力 | 9,600 kW[2] |
制御方式 | VVVFインバータ制御 |
ICE 1は、ドイツ鉄道が運行する高速列車ICEの第一世代車両である。1991年6月より営業運転を開始した。
概要
[編集]両端に動力車を配し、その間に付随客車を組成する準動力集中方式を採用する[1]。1985年登場の試作車ICE(InterCityExpreimental、量産車登場後ICE Vと改称)により各種試験が行われ、1988年5月1日には当時の世界最高速度記録となる406.9km/hを樹立している[3][1]。量産車となるICE(Intercity-Express)は1989年から1994年の間に60編成が製造され、1991年6月よりハンブルク - ミュンヘン間で営業運転を開始した[3]。
車両形式は編成両端の動力車が401形、中間付随車は一等車の801形、二等車の802形、サービスカーの803形、食堂車「ボードレストラン」の804形で構成される。
仕様
[編集]最高速度は高速新線で280km/h、在来線で200km/hとなる[4]。編成中の付随車は10両から14両を組み、付随車12両の場合の編成長は358mとなる[4]。編成は1等車が3両から4両、食堂車が1両、2等車が6両から7両である。1等車は2+1列の中央通路の開放客室と5人用コンパートメント3室、2等車は2+2列の中央通路の開放客室と6人用コンパートメント4室が設置された[4]。食堂車はボードレストラン(Bord Restaurant)と呼ばれ、中央に厨房、片側に24席のテーブル席、反対側にソファを置いたラウンジを設けている[4]。
客車の車両長さは26.4m、幅は最大3,020mmとなっている[5]。車輪は一体圧延車輪を使用していたが、乗り心地と振動の問題解決を目的に弾性車輪へ交換されていた。しかし1998年のエシェデ事故の原因が弾性車輪の破損であると判明したため、ICE 1の車輪は一体圧延車輪に戻された[4]。
動力車の電気機器は120形電気機関車をベースにしたものとなっている。制御方式はインバータ制御方式で、定格出力1,200kWの三相交流誘導電動機を1両につき4個搭載する。
電気方式は交流15kV 16.7Hzに対応しており、ドイツ国内に加えてスイスやオーストリアでの運転も可能となっている[4]。
登場から約15年が経過した2005年より客車の改装工事が実施され[4]、座席の取替、定員増加、編成内容の変更などが行われている。
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運転席
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高屋根の食堂車。向かって左側の2等車と右側の1等車に挟まれている
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2等コンパートメント(区分室)
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 『世界の高速列車II』 地球の歩き方、ダイヤモンド社、2012年、176頁-181頁。ISBN 978-4-478-04279-3。
- 渡邉朝紀、「ICE列車ファミリー」『電気学会誌』第117巻 第5号、電気学会、1997年、289-292頁, doi:10.1541/ieejjournal.117.289 。
外部リンク
[編集]- ICE 1 (Baureihe 401) - Hochgeschwindigkeitszüge