IBM 5110
発売日 | 1978年1月18日[1] |
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販売終了日 | 1982年3月 |
CPU | IBM PALM |
前世代ハード | IBM 5100 |
次世代ハード | IBM 5120 |
IBM 5110コンピューティング・システム(IBM 5110 Computing System)は、IBMが1978年に発表したポータブルコンピュータで、IBM 5100ポータブルコンピュータの後継機種である。
概要
[編集]IBM 5110は、以下の3つのバリエーションが作られた。
- IBM 5110モデル 1 - 204KBの内蔵QIC DC300テープドライブを装備
- IBM 5110モデル 2 - QICテープドライブ無し
- IBM 5110モデル 3 - IBM 5120として設計された(内蔵の8インチ 1.2MB フロッピーディスクドライブを装備)
IBM 5110は、IBM 5100発表の3年後である、1978年1月に発表された。主な違いは、フロッピーディスクドライブ(ディスケット)、IEEE-488、RS232など、より多くの入出力装置のサポートと、IBMマシンと互換性のある文字コードであるEBCDICである。これらの改良により、5100とは部分的な非互換性が発生した。
5110は、色は異なったものの、CPUのIBM PALM、キーボード、1024文字の表示画面など、5100と同じ構成を持った。メインメモリはユニットによって、16、32、48または64KBの容量だった。別売の磁気テープ装置やディスケットを使用することで、モデル1はテープカートリッジ当り約 204,000 バイト、または1枚のディスケット当り 1,200万バイトの情報を保存できた。モデル2はディスケットのみが使用できた。最大で2つの IBM 5114 ディスケット装置により、それぞれ最大2つのディスケットドライブを格納でき、5110 は合計で 480万バイトのオンラインのディスケット容量を接続する事ができた。モデル3は外付けの1つの IBM 5114 ディスケット装置のみが使用できた。
オプションとして、IBM 5103 プリンター、IBM 5106 補助テープ装置(モデル1のみ)、IBM 5114 ディスケット装置(最大2台のディスケット駆動機構を取り付け可能)が使用できた。
Punxsutawney Electric Repair の副社長(vice president)である Jeff Grube は、最初の IBM 5110 を1978年2月2日に受取り、彼の新しいシステムの使い易さについて、「もしあなたが、タイプができて電卓を使えるならば、5110を操作するために必要な技術の全てを持っている」と述べた。
5110ソフトウェア
[編集]5110用のソフトウェアは、ロチェスターのGlobal Software Development (GSD)チームにより設計され、GSDの伝統的な商用市場用を適切に正面からターゲットとした。このマシンの恐らく最大の驚くべき要因は、コンセプトから製造までわずか 90 日間しかかからなかった事である。この奇跡的な短期間は、後にIBM PCの開発で同様の事を行った Bill Lowe のタスクフォースのメンバーであった Bill Synes の管理のもとで達成された。5110のソフトウェアは、ビジネスシステムとして、小規模ビジネス向けの会計ソフトウェアをバンドルした。
モデル3
[編集]IBM 5110 モデル3は、IBM 5120コンピュータシステムとしても知られ、5110 のデスクトップバージョンであった。5110は1982年3月に市場から販売停止となった。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ 「日本IBM、オフィス向けでは最小規模の5110汎用コンピューター・システム発表。」『日経産業新聞』 1978年1月19日、3面。
参考文献
[編集]- David Mercer, "IBM: How the World's Most Successful Corporation is Managed", Kogan Page 1987 [1]
- 「IBM 5110」『電子技術』Vol.21 No.5、日刊工業新聞社、pp.43-43。
外部リンク
[編集]先代 IBM 5100 |
IBM Personal Computers | 次代 IBM 5120 |