コンテンツにスキップ

HIP 57050

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
HIP 57050
星座 おおぐま座
見かけの等級 (mv) 11.881 (±0.004) [1]
分類 恒星
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  11h 41m 44.63s [2]
赤緯 (Dec, δ) +42° 45′ 07.1″ [2]
視線速度 (Rv) -25.6 (±5) km/s [2]
固有運動 (μ) 赤経:-578ミリ秒/年 [2]
赤緯:-90ミリ秒/年 [2]
年周視差 (π) 90.66 (±3.03) ミリ秒 [2]
距離 36.0 (±1.2) 光年
11.0 (±0.4) パーセク [2]
絶対等級 (MV) 11.7 (±0.7)
物理的性質
半径 0.4 R[3]
質量 0.34 (±0.04) M[3]
表面重力 log g 4.67 [3]
自転周期 98 [3]
スペクトル分類 M4 [3]
光度 0.01486 L[3]
表面温度 3190 K [4]
色指数 (B-V) 1.478 [1]
金属量[Fe/H] 0.32 (±0.06) [3]
太陽の2.1 (±0.3) 倍
他のカタログでの名称
GJ 1148, LHS 2443, ロス1003 (Ross 1003) [5]
Template (ノート 解説) ■Project

HIP 57050 とは、太陽系から36光年の距離にある赤色矮星である。おおぐま座の方角にあるが、視等級が11.9と暗いので肉眼で見ることはできない。2010年までに周囲に太陽系外惑星が一つ発見されている。

特徴

[編集]
大きさの比較
太陽 HIP 57050
太陽 Exoplanet

HIP 57050 は太陽と比べて小さいM4型主系列星で、質量は太陽の0.34倍、半径は0.4倍と推定されている。表面温度は3190Kで、光度は太陽の1.49%(67分の1)しかない。恒星は98日の周期で数パーセントの変光を示しているが、これは天体の自転に対応したものと考えられている。また、太陽近傍の恒星としては最も金属の豊富な部類に入り、鉄は太陽の2倍の割合で含まれている[3]

2010年には、HIP 57050を公転する太陽系外惑星HIP 57050 b が発見された。この惑星は土星と同程度の質量を持つ巨大ガス惑星と見られ、恒星から0.16AU(地球と太陽の距離の0.16倍)の軌道を41日で一周している。恒星HIP 57050のハビタブルゾーンは0.112-0.215AUと推定されており、惑星の軌道はその範囲内にある[3]

HIP 57050の惑星
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b ≥0.298±0.025 MJ 0.1635 41.397±0.016 0.314±0.086

参考文献

[編集]
  1. ^ a b Kharchenko, N. V. & Roeser, S. (2009年). “All-sky Compiled Catalogue of 2.5 million stars”. VizieR, CDS. 2010年4月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g ESA (1997年). “The Hipparcos and Tycho Catalogues”. VizieR, CDS. 2010年4月29日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i Nader, H. et al. (2010). “The Lick-Carnegie Exoplanet Survey: A Saturn-Mass Planet in the Habitable Zone of the Nearby M4V Star HIP 57050”. The Astrophysical Journal 715: 271-276. doi:10.1088/0004-637X/715/1/271. http://ads.nao.ac.jp/abs/2010arXiv1004.4608H. 
  4. ^ Morales, J. C. et al. (2008年). “Distances and atmospheric parameters of MSU stars”. VizieR, CDS. 2010年4月29日閲覧。
  5. ^ SIMBAD query result”. SIMBAD, CDS. 2010年4月29日閲覧。

関連項目

[編集]