HAL (パワードスーツ)
HAL(ハル、Hybrid Assistive Limb)は生体電位信号を読み取り動作する世界初のパワードスーツ。筑波大学の山海嘉之らによって開発されている。
現在2タイプが存在し、HAL 3は脚部のみが稼動するが、HAL 5は腕、脚、胴体の全てが稼動する。HAL 5は現在、装着者が本来持てる重量の5倍の重量を持つことができる性能がある[要出典]。
装着者の皮膚に取り付けられたセンサーを通して微弱な生体電位信号を感知し、内蔵コンピューターによってその信号が解析され、サーボ機構によって装着者の動きを補助するようにスーツが動作する。スーツ全体は腰に取り付けられた電池によって電力供給される。
身体障害者や高齢者の運動補助のために開発されており、将来的には労働用のHALも開発する予定である[1]。
サイバーダイン社は脚部ユニット(両脚型・単脚型)の福祉施設へのレンタルを開始した[2]。サイバーダイン社は大量生産し、さらなる試験のため、初年度以内に10ユニット貸し出す予定である。
下肢用
[編集]- 外形寸法:縦469mm×横512mm×高さ1,102mm(サイズS,M,Lがある)
- 重量:両脚タイプ:約12kg 単脚タイプ:約7kg※2.
民間利用に向けて
[編集]2014年11月12日、「HAL 作業支援用(腰タイプ)」と「HAL 介護支援用(腰タイプ)」が、パーソナルケアロボット(生活支援ロボット)として、世界で初めて、安全性についての国際規格(ISO13482)の認証を取得[4]。同年12月、厚生労働省が下肢タイプを希少疾病用医療機器に指定[5]。
保険適用要件
[編集]2015年11月25日、厚生労働省は医療機器「HAL医療用下肢タイプ」を緩徐進行性の神経・筋疾患用として承認[6]、国内の販売を承認した[7]。筋萎縮性側索硬化症や筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症など8つの難病のいずれかに診断され、かつ体重や身長などの条件を満たした患者が対象となる[8][9]。翌年1月には、厚生労働省中央社会保険医療協議会によって「HAL 医療用 下肢タイプ」の保険適用が決定された[10]。2016年9月2日より医療保険適用が始まった[11][12][13]。
脚注
[編集]- ^ “CYBERDYNE よくある質問”. 2010年3月18日閲覧。
- ^ “CYBERDYNE TOP PAGE”. 2010年3月18日閲覧。
- ^ “HAL 5”. 日本産業デザイン振興会. 2013年3月27日閲覧。
- ^ “品質安全基準の国際規格によってパワードスーツも家電への一歩を踏み出すことに 世界初、パワードスーツの「HAL」にISO認定”. ASCII.jp. (2014年11月12日). オリジナルの2014年12月31日時点におけるアーカイブ。 2015年2月2日閲覧。
- ^ 【ニュース】HAL医療用(下肢タイプ)が、厚生労働省より希少疾病用医療機器として指定
- ^ HAL医療用下肢タイプを承認しました2015-11-25
- ^ 【ニュース】厚生労働省:神経筋難病疾患に対するHAL®の治療に係る技術料等の保険点数解釈を公表 〜ロボット治療として世界初の公的医療保険の償還価格が決定〜
- ^ 筑波大発VBの装着型ロボ、医療機器に初承認
- ^ 歩行助ける装着型ロボット「HAL」、製造販売を承認
- ^ “厚生省、ロボットスーツ「HAL」に保険適用 歩行のリハビリに活用”. ITmedia (2016年1月29日). 2016年2月1日閲覧。
- ^ ロボットスーツHAL×民間保険、始まる
- ^ 世界初のサイボーグ型ロボットスーツ「HAL医療用下肢タイプ」が医療保険の適用に!
- ^ ロボットスーツHAL、いよいよ保険が適用
外部リンク
[編集]- HAL - CYBERDYNE