Family Tree DNA
FamilyTreeDNA | |
略称 | FTDNA |
---|---|
設立 | 2000年1月 |
設立者 |
ベネット・グリーンスパン、 マックス・ブランクフェルド、 ジム・ウォーレン |
設立地 | アメリカ合衆国 |
種類 |
Y染色体ハプログループ解析 ミトコンドリアDNA解析 常染色体DNA解析 |
目的 | 遺伝子解析による祖先探究 |
本部 |
アメリカ合衆国 テキサス州ヒューストン |
ウェブサイト |
www |
Family Tree DNA(ファミリーツリー・ディーエヌエー、英: FamilyTreeDNA)は、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンに本拠を置く商業遺伝子検査会社で、米国商務省セーフハーバー認証を受けており[要出典]、世界最高精度の品質を維持した遺伝子解析を行っている[1]。
概略
[編集]欧米では「FTDNA」の略称で知られ、常染色体DNA、Y染色体ハプログループ、ミトコンドリアDNAの解析においては、200万人の顧客をかかえ世界第1位のシェアを誇る。常染色体DNAの解析に関しては欧州では第1位、世界第4位の企業である[1][2]。2012年9月、組織改編に伴い、ベネット・グリーンスパン、マックス・ブランクフェルドが代表を務めるGene by Gene社の子会社となったが[3]、2021年1月、オーストラリアにも子会社を持つヒューストンの遺伝子解析会社であるMYDNA社に買収された[4]。他の民間の遺伝子解析会社が、親子・親族鑑定や健康リスク因子の調査に主眼を置くのに対し、同社は父系、母系および両系を含む祖先をたどる解析に主力をおいており、戦争などの要因で生き別れになった兄弟や、幼少時に養子として他国に渡った人々の実親探しにも有力な手がかりを与えてきた[5]。移民後何世代もたった人物が先祖の本国の親族を探すことにも利用される。Y染色体ハプログループ、ミトコンドリアDNAの解析を次世代型シーケンサーを用いて行い個人が有償で申し込める遺伝子解析としては世界最高精度の品質のものを提供している[1]。
沿革
[編集]2000年1月、起業家であり、系図愛好家のベネット・グリーンスパンの発案により、マックス・ブランクフェルド、ジム・ウォーレンらと共に設立された[1]。
設立
[編集]1999年、グリーンスパンは一線を退き、余暇に自身の家族史の研究に取り組んでいた。彼は母方のニッツ家の家系についても研究を始めたが、思うほどの手掛りが得られなかった。その後、彼はメディアによって、先祖を解明するために遺伝学が使用された2つの例を知ることになる[6][7][8]。 1つはユダヤ人がアシュケナージ派とセファラド派の両派に分かれているにもかかわらず、コーヘン姓の男性は同じY染色体ハプログループに属しているという研究[9]。もう1つは米国大統領・トーマス・ジェファーソンの父方の叔父と、ジェファーソン家に仕えた解放奴隷サリー・ヘミングスの男系子孫が、同じY染色体ハプログループTという、欧米人の中でも稀少な遺伝子を共有し親族関係であることが解明されたとするもの[10]。これらはアリゾナ大学による研究の成果であった[9]。グリーンスパンにはカリフォルニア州にニッツ家のいとこがおり、同じ東ヨーロッパの出身で同姓の人物がアルゼンチンに存在することが分かった ため自身の家系研究にも、これらと同様の手法を用いたいと考え、アリゾナ大学のマイケル・ハマー博士に連絡をした[8]。ところが、学術研究機関は一般人の家系研究のための遺伝子検査を提供しておらず、一般人が家系研究のために顧客となって 直接遺伝子検査を行おうと思っても、それを実施してくれる機関が存在しないことを知る。そこで彼は自身の家系の不解明の部分を明らかにするため、自ら遺伝子解析会社を起業したのである[11][12]。
アリゾナ大学に断られたことをきっかけに、グリーンスパンは起業することとなったが、彼ががマックス・ブランクフェルドやジム・ウォーレンらとともにFamilyTreeDNA社を設立した時、結局はアリゾナ大学アリゾナ研究所が同社の解析を請負うこととになった。 そして、FamilyTreeDNA社の科学研究員には、1997年にコーヘンのモーダル・ハプロタイプについて初めてネイチャー誌に発表した科学者チームの1人であるマイケル・ハマー博士(PhD)も加わることになった[13]。
同社は2000年1月、正式発足し試験運用を経て、同3月、Y染色体の12種のSTR検査から始まった。当初はPCR検査が用いられた。次世代型シーケンサーを用いて精度が飛躍的に向上するのは、さらに後のことである。
設立当初(2000年-2006年)
[編集]最初に提供した検査は、Y染色体のSTR解析とミトコンドリアDNAの解析で、Y染色体に関しては11マーカーの解析であったが、STRの(DYS385)の領域には、ほぼ常に2つのコピーがあり、12種類の数値(縦列反復数)が得られるため、「12 STR マーカーテスト」と呼ぶようにした。ミトコンドリアDNAの解析に関してはHVR1(超可変領域1)に関するもののみであったが、後にに、HVR1とHVR2の両方を解析する「Plus テスト」がオプションで申し込み可能となった[14]。そのため、設立初期の解析では、ミトコンドリアDNA、Y染色体ともにSNP、ハプログループの特定までは出来ず、親子鑑定が可能な程度の精度しかなかった。
2005年、ナショナルジオグラフィック協会がIBMの出資によりジェノグラフィック・プロジェクトを立ち上げると、FamilyTreeDNA社がその解析作業を担うことになる。同上のプロジェクトでは、同様にY染色体は「12種類のSTR マーカーテスト」を行い、その数値をもとに分岐指標となるSNPテストが1種加わり、民族情報を知る手掛りとなるハプログループの特定が可能となった。
ゲノミクス研究センターの開設(2006年以降)
[編集]2006年、FamilyTreeDNA社は、遺伝子家系解析を提供するドイツの起業会社である「DNA-Fingerprint社」を買収。この買収により、同社の研究員であったトーマスとアストリッド・クラーンがテキサス州ヒューストンに移り、ゲノミクス研究センターの開設に協力した。
ゲノミクス研究センター開設後、サンガー検査法を使用したY染色体SNP解析を開始。また、ミトコンドリアDNAに関しても、サンガー検査法を使用し、既存被検者も追加料金を支払うことでミトコンドリアDNAのフルゲノム解析を利用可能にした。
さらに「Walk Through the Y(WTY)テスト」を開始。この解析サービスにより、世界で初めて一般人が自身のY染色体の中から未知のSNPを発見可能な機会が提供された。これにより、研究者によって既知のDNA型を顧客に知らせるという従来の遺伝子解析会社の解析スタイルから脱却し、顧客から得られた未知のDNA型を、同社が所蔵する膨大なデータと照合し、新たな分岐の系統として学術的に貢献、分子生物学を発展させていくスタイルが備わることになった[15]。
その間、多くの解析作業はアリゾナ大学の研究室で行われていたが、追加検査の需要拡大により、創設者のグリーンスパンとブランクフェルドは、総ての解析を、テキサス州ヒューストンにある「Genealogy by Genetics社」傘下の自社の解析研究所に移すことにした[16]。
FamilyTreeDNA社は、ジェノグラフィック・プロジェクトの第2フェーズ(次世代型シーケンサーによる解析)における「GENO 2.0」の開始に協力し、2016年まで、公的研究と科学的研究のためのサンプルは、テキサス州ヒューストンのFamilyTreeDNA社のゲノミクス研究センターで解析がなされた[17][18][19]。
現在の仕様
[編集]Y染色体ハプログループ、ミトコンドリアDNA、常染色体DNAともに次世代型シーケンサーを用い、CLIAおよびCAP規格を満たす独自の研究室で解析し、商業遺伝子検査会社としては、世界最高精度の品質のものを提供している。Y染色体は、37から111種類のSTRマーカーの検査をはじめ、2013年からは「BIG-Y 500」解析を開始[20]。 これは、Y染色体上の約1,500万箇所をテストし、新規の共有SNPを解析するものである。これは後に「BIG-Y 700」にヴァージョンアップされ2021年末までに、同社はY染色体ハプログループの総て系統、すなわち全人類の5万種類以上の未知のSNPを検出し、新たな分岐の枝を特定している[21]。
サンプル採取方式
[編集]同種の遺伝子解析を行う23andMeが唾液採取方式であるのに対し、FTDNA社は採取用の綿棒(スクレーパー)による口腔内粘膜採取方式を採用している[22]。
解析申込者が、FTDNA社のwebサイト上から、解析申込を行うとアカウントが作成され、申込み者のもとに解析用の「口腔内粘膜採取キット(セルフ採取・パッケージ)」が届く。内訳は説明用冊子(1冊)・自分に振り分けられたID番号・採取用の綿棒(2本)・採取後のサンプルを入れる小型のプラスチックケース(2個)・サンプル採取説明書・緑色の同意書・オレンジ色の返送用封筒」の一式で、ビデオテープサイズのぐらいの箱に収められている[22]。
解析申込者は、取扱説明書に従って、自分で頬の内側の口腔粘膜を専用の綿棒(スクレイパー)で、2分間半ほど擦ることによってサンプルを採取し、専用のプラスチックケースに密閉したあと返送用封筒に入れてテキサス州ヒューストンにあるFTDNAの遺伝子解析ラボに返送する[22]。
国際郵便で返送する場合は、コロナ禍以降はプラスチックケースを液だれ防止用の紙[23]と共に密閉したジッップロックに入れ、箱に入れた状態[24]で返送することが推奨されているため、キットの入っていた箱に入れて返送されることが多い[22]。
ラボに返送されたサンプルが届くと、webサイト上の解析申込者のアカウントのフラグが「サンプルを受信しました」という表示に変り、さらに「解析中」、「査読中」と順に変わる[22]。
解析が完了し結果が解析申込者のアカウント上に表示されるまでは約2ヶ月から6ヶ月を要する。Y染色体ハプログループのO系統は、参加者が海外でも多いためデータが整っており、解析から結果開示までの期間が比較的短い。日本固有種のD系統の場合は、FTDNA社が初めて検出するSNPが多いため分析に時間を要し、6ヶ月以上かかることが多い。しかし、未知の枝までサポートし、新たな枝として解析申込者に告知してくれるため、顧客満足度は高い。場合によってはISOGGの枝もこれに伴って更新されるケースがある。
Y染色体一塩基多型分岐図
[編集]A0000 | A000-T | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
PR2921 | A00 | A0 | A1a | A1b1 | サン族 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
L1090 | P305 | V221 | M42 | M168 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
E系統 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
YAP | CTS3946 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
A5580.2 | ナイジェリア | F6251 | M15 | チベット | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Y34637 | ジャラワ族 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
M174 | CTS11577 | Z3660 | M64.1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
L1366 | フィリピン | ※以下日本固有の系統 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS131 | CTS220 | CTS10495 | Z17176 | BY113470 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
FT413039 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS11285 | PH2316 | Z38287 | Z38284 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Z38289 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS1824 | CTS11811 | CTS288 | CTS1815 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Y456902 | 礼文島人骨 | Z40665 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
M116.1 | 加徳島人骨 | CTS103 | Z42462 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS6609^^ | CTS1897 | CTS11032 | CTS218 | CTS6909 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
F8521.3 | CTS3033 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
M151 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
P120 | CTS1964 | BY169023 | CTS964 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS722 | BY169030 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Z30644 | CTS4292 | Z31517 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS429 | Z31512 | CTS1798 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
M125 | CTS291 | P12.1 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
JST022457 | P53.2 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Page3 | CTS3397 | Z1500 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Z1504 | BY149852 | FGC34008 | L137.3 | Z40625 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Z45993 | Z40609 | CTS217 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS3327 | FT8762 | Z38475 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS8093 | FGC6373 | FGC6372 | FGC6384 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
BY45234 | BY26014^^ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Z40614 | Z46276 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
FGC30021 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Z31548 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
FT262409 | Z31553 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
FT117379 | CTS4093 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS6223 | BY166058 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Z40687 | Z35641 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Z40688 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
P143 | M89 | F1329 | M578 | L15 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Y27277 | H系統 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
M216 | G系統 | アイスマン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
F3393 | CTS11043 | M8 | CTS9336 | CTS6678 | Z7972 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Y170131 | Y170130 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
M217 | F1067 | Z1312 | F2613 | CTS4021 | CTS2657 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS11990 | Z31664 | Y112121 | MF1792 | Z31665 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS3579 | MF2816 | Y86025 | Y87983 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Y89130 | MF2828 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
M9(P128) | LT系統 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
M526 | M2308 | F549 | M214 | M175 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
YSC0000186 | PF5850 | N系統 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
IJ系統 | I系統 | クロマニョン人 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
J系統 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
V1651 | M1254 | P337 | P284 | P226 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
R系統 | Y482 | M173 | L146 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Q系統 | L472 | L722 | M343 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
L275 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
F265 | M268 | M176 (P49) | F855 | CTS9259 | F1204(K10) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
M122 | 漢民族 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
47z (K7) | CTS1348 | K2 | ※以下弥生人の系統 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS8379 | ACT4054 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Y130364 | CTS2748 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Z24599 | CTS1351 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
BY146002 | Y130014 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS9852 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
K14 | Z24594 | CTS525 | FT217340 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
FT350225 | CTS11088 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
BY179281 | BY178096 | BY178807 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Y126340 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
F2868 | L682 | CTS723 | Y24057 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
F940 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS7620 | CTS4596 | Y61286 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Page90 | BY162375 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CTS1175 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
MF14346 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
A12446 | PH40 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
FGC67537 | FT41750 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
MF14220 | FGC67568 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Y72859 | MF16242 | MF14245 | FT281275 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(出典)"ISOGG Tree"(Ver.15.73), "Y-Full"(Ver.12.00), "FTDNA Big Y Tree"
※ヘッダーに「BY」がつくSNPはFTDNAの「BIG-Y 500」で新たに発見され認証された枝、「FT」がつくものは「BIG-Y 700」で発見されたもので、日本人の祖先の解明に貢献している。
プロジェクト
[編集]FTDNAの利用者は、同社の認証を得てプロジェクトを立ち上げ、任意の集団に関する研究を行うことが可能である。日本人に関する研究プロジェクトとしては次のようなものがある。
ジャパンDNAプロジェクト
[編集]Japan DNA Projectは、スタン・ビーバー、ヘジュン・シンをチームリーダーとする日本人の枝を特定するプロジェクトで、2011年設立、参加者は343人[25][26]。
Y染色体D系統プロジェクト
[編集]Y-DNA D Haplogroup Projectは、ISOGGの統括管理者でもあるレイモンド・バンクス、サトシ・カラキをチームリーダーとするY染色体D系統を研究するプロジェクトで、2012年3月設立、参加者は117人[25]。フィリピンのD系統の解明、チベットおよびオリエント地域のD系統、アラビア半島からアフリカ大陸に点在するDE系統の細分岐を表すSNPの同定に成果を上げた。
サムライDNAプロジェクト
[編集]SAMURAI DNA Projectは、リョウイチ・イノウエをチームリーダーとする日本の歴史上の人物とハプログループの枝の関連を解明するプロジェクトで、2017年1月設立。参加者は112人[25]。参加者には著名人の子孫が多数含まれている[27]。
成果
[編集]A00系統の発見
[編集]アメリカ合衆国サウスカロライナ州在住の男性顧客から得られたサンプルを解析したところ、既存のデータと一致するSNPが見当たらず、現生人類との一致点が約27万年前に遡る系統であることが判明。これにより従来は、Y染色体の共通祖となる男性(Y染色体アダム)が約6万年前の男性と思われていたが、これを大きく遡ることとなった。その後の詳しい調査で、カメルーン西部に住むムボ族の男性11人から、この男性と同じSNPが発見されたことにより、新たにハプログループA00(A-AF6/L1284, L1088)が付け加えられる結果となった[28]。
脚注
[編集]- ^ a b c d “Family Tree DNA Learning Center”. Autosomal DNA testing comparison chart. ISOGG 31 July 2016閲覧。
- ^ Haag, Matthew (2019年2月4日). “FamilyTreeDNA Admits to Sharing Genetic Data With F.B.I.”. New York Times 5 February 2019閲覧。
- ^ Gene by Gene社は、ベネット・グリーンスパン、マックス・ブランクフェルドが2000年4月に設立したGenealogy by Genetics社を改編して作った会社
- ^ Mathews, Chris (2021年1月8日). “Houston-based Gene by Gene and FamilyTreeDNA acquired by Australian firm”. Houston Business Journal. 2021年1月31日閲覧。
- ^ 23andMeが健康リスク因子の調査に主眼を置くのに対し、Family Tree DNAは血縁・系図関連の探究に比重を置く遺伝子解析である。
- ^ Capper, Russ (November 15, 2008). "Bennett Greenspan of FamilyTreeDNA.com". The BusinessMakers Radio Show. Retrieved June 14, 2013.
- ^ Dardashti, Schelly Talalay (March 30, 2008). "When oral history meets genetics". The Jerusalem Post. Retrieved June 14, 2013. Greenspan, born and raised in Omaha, Nebraska, has been interested in genealogy from a very young age; he drew his first family tree at age 11.
- ^ a b Lomax, John Nova (April 14, 2005). "Who's Your Daddy?". Houston Press. Retrieved June 14, 2013. A real estate developer and entrepreneur, Greenspan has been interested in genealogy since his preteen days.
- ^ a b Bopp, Georgia. "DNA Genealogy Timeline Genetic Genealogy".
- ^ "National Genealogical Society Quarterly". 93 (1–4). National Genealogical Society. 2005: 248. Businessman Bennett Greenspan hoped that the approach used in the Jefferson and Cohen research would help family historians. After reaching a brick wall on his mother's surname, Nitz, he discovered and Argentine researching the same surname. Greenspan enlisted the help of a male Nitz cousin. A scientist involved in the original Cohen investigation tested the Argentine's and Greenspan's cousin's Y chromosomes. Their haplotypes matched perfectly.
- ^ Gibbens, Pam (April 2006). "Talk of The Town – At Familytree DNA, it's all Relative". Greater Houston Weekly / Houston Chronicle. Retrieved February 15, 2012.
- ^ Belli, Anne (January 18, 2005). "Moneymakers: Bennett Greenspan". Houston Chronicle. Retrieved June 14, 2013. Years of researching his family tree through records and documents revealed roots in Argentina, but he ran out of leads looking for his maternal great-grandfather. After hearing about new genetic testing at the University of Arizona, he persuaded a scientist there to test DNA samples from a known cousin in California and a suspected distant cousin in Buenos Aires. It was a match. But the real find was the idea for Family Tree DNA, which the former film salesman launched in early 2000 to provide the same kind of service for others searching for their ancestors.
- ^ Skorecki, Karl; Selig, Sara; Blazer, Shraga; Bradman, Robert; Bradman, Neil; Waburton, P. J.; Ismajlowicz, Monica; Hammer, Michael F. (January 1, 1997). "Y chromosomes of Jewish priests". Nature. 385 (6611): 32. Bibcode: 1997Natur.385...32S . doi:10.1038/385032a0. PMID 8985243. S2CID 5344425.
- ^ “FamilyTreeDNA Review - Everything You Need to Know About FTDNA Tests” (英語). smarterhobby.com. (2017年8月14日) 2017年9月12日閲覧。
- ^ “Walk Through the Y (WTY)”. 2009年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月7日閲覧。
- ^ Bradford, Nicole (February 24, 2008). "Riding the 'genetic revolution'". Houston Business Journal. Retrieved June 19, 2013.
- ^ Geno 2.0 Next Generation National Geographic. June 28, 2018. Retrieved June 28, 2018.
- ^ Helix DNA Sequencing and Geno 2.0 Helix. January 26, 2018. Retrieved June 28, 2018.
- ^ Elhaik, E.; Greenspan, E.; Staats, S.; Krahn, T.; Tyler-Smith, C.; Xue, Y.; Tofanelli, S.; Francalacci, P. et al. (2013). “The GenoChip: A New Tool for Genetic Anthropology”. Genome Biology and Evolution 5 (5): 1021–31. doi:10.1093/gbe/evt066. PMC 3673633. PMID 23666864 .
- ^ “Is BIG Y the only Y-DNA test That You Will Ever Need?”. DNA Testing Choice (2015年). 2016年9月1日閲覧。
- ^ “Y-DNA Haplotree Reaches 50,000 Branches, a Milestone for Genealogy”. FamilyTreeDNA.com blog (2021年12月6日). 2022年8月14日閲覧。
- ^ a b c d e FTDNA公式サイトFAQより
- ^ キッチンペーパー1/4サイズほどで代用可。
- ^ 加圧による破損を防止するため。
- ^ a b c 2024年8月現在
- ^ 『日本人のルーツ』
- ^ 『明治維新のDNA』一般社団法人板垣退助先生顕彰会編纂
- ^ "The New Root – Haplogroup A00”