Etherpad
Etherpad 1.8.4 with two plugins enabled | |
開発元 | Etherpad Foundation |
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初版 | 2008年11月 |
最新版 |
1.9.2
/ 2023年8月17日[1] |
リポジトリ | |
プログラミング 言語 | JavaScript (node.js) |
対応OS | クロスプラットフォーム |
対応言語 | 英語 |
種別 | コラボレーション型リアルタイムエディタ |
ライセンス | Apache License 2.0 |
公式サイト | 公式ウェブサイト |
Etherpad(旧称:EtherPad[2][3])はウェブベースのコラボレーション型リアルタイムエディタであり、オープンソースソフトウェアである。
複数人でテキストを同時に編集することが可能であり、各々の編集した部分を対応する色で示すことが可能である。またサイドバーにはチャット機能が存在し、コミュニケーションを取りながらテキストを編集することが可能となっている。2008年にプロプライエタリソフトウェアとして発売されたが、2009年12月にGoogleによって買収され、Apache License下のオープンソースソフトウェアとなった。2020年現在はEtherpad Foundationが開発を行っている。
特徴
[編集]すべてのユーザーが「Pad」と呼称されるドキュメントを作成可能であり、これをそれぞれのPadに固有に割り当てられるURLを通して他のユーザーも同時に編集することが可能である。すなわちそのPadのURLを知っているものであれば誰でもそのPadにアクセスし編集することが可能であるが、パスワードを用いて意図しないユーザーによるアクセスを防ぐことも可能である。変更のマージについては操作変換(OT)によって行われる。
Etherpadは一定の短い間隔でドキュメントを自動的に保存するが、編集に参加したユーザーは特定の保存された状態を各々のデバイスに保存することが可能である。また、タイムスライダーを用いることによって参加したすべてのユーザーは過去にどのような編集を行われたかを閲覧することが可能である。このようにして作成されたドキュメントはプレーンテキスト・HTML・OpenDocument・Office Open XML・PDFなどのフォーマットで保存することが可能である。
EtherpadはAppJetプラットフォーム上に構築されており、Cometによって共同作業機能が実装されている[4][5]。
歴史
[編集]公開
[編集]2008年11月19日に、David Greenspan・アーロン・イヴァ・J.D. Zamfirescuによってetherpad.com
上において公開された。彼らのうちDavid Greenspanを除く人物はGoogleの従業員であった[6]。その後、元Google従業員のDaniel ClemensとデザイナーのDavid Coleが参加した[7]。
同年11月21日にはスラッシュドットにおいて紹介された[8]。このため多数のアクセスを受け、サイトが著しく低速となってしまった(スラッシュドット効果)。EtherPad(当時)はアクセス状況が改善するまでの間、クローズドベータ版に戻すことによって新規Padを作成できないように制限を加えたが、既存のPadに対しては特に制限を行わなかった[9]。ソフトウェアの書き換えが完了した後、2009年1月29日には新バージョンが公開され[10]、同年2月3日には再び誰にでも使用可能となった[11]。
Googleによる買収
[編集]Google Waveが発表された際、EtherPad開発チームはEtherPadが持つ機能はシンプルであるため、EtherPadのほうが便利であると発表した[12]。しかしながら2009年12月4日に、Google Waveへの統合のためGoogleに買収され、EtherPadユーザーに対してはGoogle Waveへの招待状が送られた[13]。
オープンソース化
[編集]Googleは2009年12月17日に、EtherpadのソースコードをApache License 2.0において公開した[14]。これに伴ってJSMinがライセンスの関係上排除された[15]。
オープンソースで公開されたため、多くの人々がEtherpadサーバーを立ち上げた[16]。このようにEtherpadをインストールした人々がfreenodeの #etherpad チャネルにおいてミーティングを行った[17]後、Etherpad Foundationを立ち上げた。この組織は2020年現在も開発を行っている[18]。
Etherpad Lite
[編集]Etherpad Liteは、オリジナルのEtherPadがJavaとScalaを用いて構築されていたのに対して、JavaScriptとNode.jsを用いて書き直されたソフトウェアである[19]。しかしオリジナルの同期ライブラリである「Easysync」はそのまま利用されている。
Etherpad Liteは以下のオリジナルには存在しなかった機能を備えている。
- HTTP APIを用いた対話
- 他のサイトに埋め込み可能にするjQueryプラグイン[20]
- PHP[21]・Python[22]・Ruby[23]・JavaScript[24]・Java[25]・Objective-C[26]・Perl[27]用クライアント
- WebRTCにも対応する多種のプラグイン[28]
またLaTeXやMarkdown出力[29]に対応したほか、translatewiki.netにおいてローカライズが行われている。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “Releases - ether/etherpad-lite”. GitHub. 2020年9月18日閲覧。
- ^ “Archived copy”. January 2, 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。September 23, 2016閲覧。
- ^ “EtherPad Open Source Release, Google Code”. Code.google.com. February 14, 2013閲覧。
- ^ Michael Arrington (2008年11月19日). “Etherpad Shows Google Docs How It’s Done”. TechCrunch 2020年10月10日閲覧。
- ^ John Resig (2008年11月19日). “EtherPad: Real-time Editing with JavaScript”. 2020年10月10日閲覧。
- ^ Philip Lenssen (2008年11月20日). “EtherPad”. Google Blogoscoped. 2020年10月10日閲覧。
- ^ “AppJet Company Overview”. EtherPad. January 2, 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。February 14, 2013閲覧。
- ^ “A Web App For Real-Time Collaborative Writing”. スラッシュドット. (2008年11月21日)
- ^ “EtherPad Temporarily Reverts to Closed Beta”. The Etherpad Blog (2008年11月21日). 2010年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月10日閲覧。
- ^ Aaron Iba (January 29, 2009). “Beta Update: Now running new EtherPad software”. EtherPad Blog. 2009年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月10日閲覧。
- ^ Aaron Iba (2009年2月3日). “EtherPad Now Open to All!”. EtherPad Blog. 2009年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月10日閲覧。
- ^ Daniel Clemens (June 3, 2009). “Google Wave Joins EtherPad in Real-time Collaboration”. EtherPad Blog. January 2, 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。September 23, 2016閲覧。
- ^ “Google Acquires AppJet”. EtherPad Blog (2009年12月4日). December 6, 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。September 23, 2016閲覧。
- ^ Aaron Iba (2009年12月17日). “EtherPad Open Source Release”. EtherPad Blog. 2009年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月10日閲覧。
- ^ Ryan Grove (2009年12月18日). “Etherpad source includes JSMin, which Google Code doesn't allow”. Wonko.com. 2020年10月10日閲覧。
- ^ Thomas Nybergh (2009年12月19日). “Swedish Pirate Party hosts EtherPad.”. スラッシュドット 2020年10月10日閲覧。
- ^ “Archived copy”. July 26, 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。October 7, 2010閲覧。
- ^ “etherpad.org”. etherpad.org. December 11, 2013閲覧。
- ^ “Etherpad on Github”. GitHub. 4 April 2019閲覧。
- ^ “ether/etherpad-lite-jquery-plugin ¡ GitHub”. Github.com. December 11, 2013閲覧。
- ^ “TomNomNom/etherpad-lite-client · GitHub”. Github.com. February 14, 2013閲覧。
- ^ “devjones/PyEtherpadLite · GitHub”. Github.com. February 14, 2013閲覧。
- ^ “jhollinger/ruby-etherpad-lite · GitHub”. Github.com. February 14, 2013閲覧。
- ^ README.markdown. “tomassedovic/etherpad-lite-client-js · GitHub”. Github.com. February 14, 2013閲覧。
- ^ “jhollinger/java-etherpad-lite · GitHub”. Github.com (January 20, 2013). February 14, 2013閲覧。
- ^ “alexzautke/etherpad-lite-objc · GitHub”. Github.com. February 14, 2013閲覧。
- ^ “Luc Didry / Etherpad-1.2.12.0 · MetaCPAN”. metacpan.org. July 18, 2015閲覧。
- ^ “Etherpad Available-Plugins · GitHub”. Github.com. July 22, 2014閲覧。
- ^ “Markdown support. ep_markdown is abandoned — Issue #3503”. etherpad-lite (24 October 2018). 2019年1月21日閲覧。