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Dicopomorpha echmepterygis

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Dicopomorpha echmepterygis
Dicopomorpha echmepterygisの雄
昆虫(成虫)の中で最小の体を持つ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: ハチ目(膜翅目) Hymenoptera
亜目 : 細腰亜目(ハチ亜目) Apocrita
上科 : コバチ上科 Chalcidoidea  
: ホソハネコバチ科 Mymaridae
: Dicopomorpha
: D.echmepterygis
学名
Dicopomorpha echmepterygis
Mockford, 1997[1]

Dicopomorpha echmepterygis(ディコポモルファ・エクメプテリギス)は、ホソハネコバチ科Mymaridae)に属するハチ寄生バチ)の一種。性別によって大きさが著しく異なる性的二形の特徴を有し、2013年時点で確認されている昆虫成虫)の中で最も小さい体長を持つ[2][3][4]

概要

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雌の成虫の体長は平均550µmである一方、雄の成虫の体長はその40%程と非常に小さい。Mockford(1997)やHuber and Noyes(2013)により電子顕微鏡などの近代的な設備によって計測された平均体長は186µmで、最小は139µm[注釈 1]、最大でも240µmであった。また雌はを持ち飛行能力を有している一方、雄は翅がなく複眼も単眼も存在しない一方、雌の体にしがみつくための長い脚を持つ[2][3][4]

Mockford(1997)による研究ではビロウドチャタテ科Lepidopsocidae)に属するEchmepteryx hageniの卵が宿主となっている事が確認されており、産卵後1匹 - 3匹の雄と1匹の雌が孵化する。成長し交尾を終えた後、雄は卵から出る事なく死亡する一方、雌は外部へ飛び立ち新たな宿主の卵へ産卵を行う。この性的二形は宿主である卵から得られる栄養が限られている事が要因とされており、雄の極端な小ささは成虫となり交尾を行うために必要な栄養を最小限まで減らした結果であると考えられている[2][3]

関連項目

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  • キキキ英語版 - ホソハネコバチ科に属する昆虫(ハチ)。2013年時点で確認されている体長は150µmで、飛行能力を有する昆虫では最も小さい[5]

脚注

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注釈

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  1. ^ 同等の長さを有するものとして、ヒト頭髪の太さ、ミカヅキモの長径などが挙げられる。

出典

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  1. ^ Mockford, Edward L. (1997-03-01). “A New Species of Dicopomorpha (Hymenoptera: Mymaridae) with Diminutive, Apterous Males” (英語). Annals of the Entomological Society of America 90 (2): 115–120. doi:10.1093/aesa/90.2.115. ISSN 0013-8746. 
  2. ^ a b c Alexey Polilov (2015-10-8). “How small is the smallest? New record and remeasuring of Scydosella musawasensis Hall, 1999 (Coleoptera, Ptiliidae), the smallest known free-living insect” (英語). ZooKeys 526: 61-64. https://zookeys.pensoft.net/articles.php?id=6531 2019年7月6日閲覧。. 
  3. ^ a b c Chapter 38: Smallest Adult - The University of Florida Book of Insect Records - Department of Entomology & Nematology - UF/IFAS”. entnemdept.ufl.edu. 2012年5月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月6日閲覧。
  4. ^ a b 松尾和典、東浦祥光「皇居で発見されたコバチ上科(ハチ目)」『国立科博専報』第50巻、国立科学博物館、2014年3月28日、479-484頁、2019年7月6日閲覧 
  5. ^ Huber, John T.; Noyes, John S. (2013). “A new genus and species of fairyfly, Tinkerbella nana (Hymenoptera, Mymaridae), with comments on its sister genus Kikiki, and discussion on small size limits in arthropods”. Journal of Hymenoptera Research 32: 17–44. doi:10.3897/jhr.32.4663. https://www.pensoft.net/journals/jhr/article/4663/.