ASN-207 (航空機)
ASN-207/BZK-006
ASN-207は、西安愛生技術集団公司(中国簡体字:西安爱生技术集团公司、 英語:Xi'an ASN Technology Group Co., Ltd.)が開発した中距離多用途無人航空機[1]。同社は西北工業大学が所有する独立法人である。BZK-006とも呼称される[2]。
ASN-207は、2002年に存在が明らかとなる。ASN-207はASN-206の拡大版であり能力が向上している[1]。
機体
[編集]主翼はテーパー翼、高翼配置となっている。双ブーム形式でブームの後端に垂直尾翼があり、2枚の垂直尾翼の間に水平尾翼が付けられている。垂直尾翼と水平尾翼はH型配置となっている。推進方式はプッシャー式である。搭載エンジンの型式は、ピストン式であること以外不明である。降着装置は簡略なスキッドが付けられているだけであり、ランディングギアは持たない。離陸はRATOを使い射出装置から打ち出される。回収はパラシュートやパラフォイルが用いられる。機首上部にパイロン付きアンテナレドームが付いている[1]。
ミッション・ペイロード
[編集]画像およびテレメトリー・データリンク装置に加え、ミッションに応じたペイロードを搭載可能。
- マルチセンサー光学安定化ペイロード(EO/IR/レザー測距/指示)
- 合成開口レーダー/移動目標追跡装置、前方監視型赤外線装置
- COMMINT装置、ELINT装置、SIGINT装置、ジャミング装置
- 電波デコイ装置
などミッションに応じ選択できる[1]。
誘導・管制装置
[編集]慣性航法装置、衛星測位システム装置、精密測位計算用コンピュータを積み、自律飛行ができる。また2機運用モードでは中継用ドローンを使いテレメトリーおよび画像データの中継を行うことができる[1]。
システムの構成
[編集]ドローン本体。複数のトラックに搭載された地上管制ステーション、ミッションコントロールシステム、地上表示端末。1台以上の可搬ビデオ端末からなる[1]。
運用者
[編集]2010年珠海エアショーで西安愛生技術集団公司は、当機の2種類のドローンが中国人民解放軍陸軍で運用されていると主張した。2013年10月時点で、おそらく既に製造中であり運用されているものと考えられている[1]。
シリーズ
[編集]スペック
[編集]ASN-206 | ASN-207 (ミッション用) |
ASN-207 (中継用) |
ASN-209 | |
---|---|---|---|---|
全長(m) | 3.8 | 6.0 | 4.3 | |
全高(m) | 1.4 | 2.1 | 1.5 | |
全幅(m) | 6.0 | 9.3 | 7.5 | |
最大射出重量(kg) | 222 | 480 | 410 | 320 |
最大ペイロード(kg) | 50 | 100 | 30 | 50 |
実用上昇限度(m) | 5000 | 6000 | 8000 | 5000 |
最大速度(m) | 209 | 180 | 180 | |
行動半径(km) | 150 | 600 | 200 | 100 |
航続時間(h) | 通常4 最大8 |
16 | 10 |
出典
[編集]参考文献
[編集]- Martin Streetly (2015). IHS Jane's All The World's Aircraft:Unmanned 2015-2016. IHS. ISBN 978-0710631381
- Dennis J. Blasko (2012). The Chinese Army Today: Tradition and Transformation for the 21st Century (2nd ed.). Routledge. ISBN 978-0415783217