ASN-206 (航空機)
ASN-206は、西安愛生技術集団公司(簡体字:西安爱生技术集团公司、 英語:Xi'an ASN Technology Group Co., Ltd.)が開発した短距離多用途無人航空機[1]。同社は西北工業大学が所有する独立法人である。軍民両用を意図して開発された。
1994年12月に開発が始まり、1996年に少量生産を開始した。1996年の珠海エアショーで初めて公開された。軍民両用の無人航空機であり、昼夜偵察、戦場監視、弾着観測、国境や交通の巡視、NBC探知、大気サンプリング、航空写真や航空測量、災害モニタリングに用いられる[1]。
機体
[編集]主翼はテーパー翼、高翼配置となっている。双ブーム形式でブームの後端に垂直尾翼があり、2枚の垂直尾翼の間に水平尾翼が付けられている。垂直尾翼と水平尾翼はH型配置となっている。推進方式はプッシャー式である。エンジンは空冷水平対向2ストローク4気筒のHS-700を搭載している。エンジンの最高出力は51hpである。プロペラの翼の枚数は2枚である。降着装置は簡略なスキッドが付けられているだけであり、ランディングギアは持たない。離陸はRATOを使いカタパルトから射出される。回収はパラシュートを用いて行われる[1]。
ミッション・ペイロード
[編集]空中ビデオレコーダー、リアルタイム・データリンク装置に加え、機種部にはミッションに応じたペイロードを搭載可能。
- 静止画カメラ(通常画角、パノラマ画角)
- ビデオカメラ(白黒・カラー)
- 低光量ビデオカメラ
- 赤外線カメラ
- レーザー式標高センサー
- 弾着観測ミッション用装置
その他のミッションに応じた装置が選択できる[1]。
誘導・管制装置
[編集]電波指揮飛行管制管理システム、衛星測位システム装置、テレメトリー受信および画像信号送信装置を搭載する[1]。
システムの構成
[編集]ドローン本体のほか7両のトラック。(トラック内訳:射出装置搭載車、指揮誘導用シェルター搭載車、移動管制ステーション搭載車、情報処理装置搭載車、発電機搭載車、整備用車両、ドローン運搬車両)[1]
運用状況
[編集]2013年10月時点で、生産は不明瞭であるが終了したものと思われる[1]。
シリーズ
[編集]スペック
[編集]ASN-206 | ASN-207 (ミッション用) |
ASN-207 (中継用) |
ASN-209 | |
---|---|---|---|---|
全長(m) | 3.8 | 6.0 | 4.3 | |
全高(m) | 1.4 | 2.1 | 1.5 | |
全幅(m) | 6.0 | 9.3 | 7.5 | |
最大射出重量(kg) | 222 | 480 | 410 | 320 |
最大ペイロード(kg) | 50 | 100 | 30 | 50 |
実用上昇限度(m) | 5000 | 6000 | 8000 | 5000 |
最大速度(m) | 209 | 180 | 180 | |
行動半径(km) | 150 | 600 | 200 | 100 |
航続時間(h) | 通常4 最大8 |
16 | 10 |
出典
[編集]参考文献
[編集]- Martin Streetly (2015). IHS Jane's All The World's Aircraft:Unmanned 2015-2016. IHS. ISBN 978-0710631381