コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ABXエア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ABXエア
IATA
GB
ICAO
ABX
コールサイン
ABEX
設立 1980年
ハブ空港
親会社 エア・トランスポート・サービスグループ
保有機材数 37
本拠地 オハイオ州クリントン郡
ウィルミントン・エアパーク
代表者 Joe Hete (CEO), John Starkovich (President), Quint Turner (Chief Financial Officer)[2]
外部リンク www.abxair.com
テンプレートを表示

ABXエア (ABX Air, Inc.) とは、アメリカ合衆国オハイオ州ウィルミントン付近のウィルミントン・エアパークに本社を置く貨物航空会社である[3]。定期貨物、チャーター便およびウェット・リースのサービスを提供している。また、フライトサポートとトレーニングも提供している。エア・トランスポート・サービスグループが保有する会社である。前身はw:Airborne Expressである。

ABXエアの主な顧客はDHLアビエーションで、貨物のほとんども同社が占める。ABXの多くの機体はDHLの黄色と赤色の塗装が施されている。

また、同社はマイアミジャマイカモンテゴ・ベイ(サングスター国際空港)およびキングストンノーマン・マンレー国際空港)との間でエア・ジャマイカの貨物便も運航している。エア・ジャマイカのコールサイン「Jamaica」で運航される。

歴史

[編集]

ABXエアは1980年4月にエアボーン・フレイト・コーポレーションがミッドウェスト・エア・チャーターを買収したときに設立され、同年後半に運航を開始した。エアボーン・エクスプレスは、名称の通りシアトルのエアボーン・フレイト・コーポレーションの完全子会社であった。エアボーン・エクスプレスは貨物輸送事業以外にも、機体メンテナンスサービスを行っていた[4]。1995年3月には5,500人の従業員を抱えていた[5]。1996年1月には12機のボーイング767を貨物機に改造した[4]

その後DHLとエアボーンの合併の一環として、2003年8月16日に上場企業となった。DHLはエアボーンの地上業務を引き継ぎ、航空事業はABXエアとして分社化した。ABXエアの普通株式はNASDAQティッカーシンボルABXAとして流通した。2007年初頭には、全日本空輸とのウェット・リース契約を締結し、アジアでの運航を開始した。この運航にはボーイング767-200SF2機が用いられた[6]。2007年3月には従業員数が7,600人に拡大した[7]

2007年11月2日、CEOのJoe HeteとABXエアの取締役会は、同社がエア・トランスポート・インターナショナルとキャピタル・カーゴ・インターナショナル・エアラインズの親会社であるカーゴ・ホールディングス・インターナショナルを3億5千万ドルで取得することに合意したと発表した。取引は2007年12月31日に完了し[8]、ABXエアはATSG(エア・トランスポート・サービス・グループ)と名付けられた持株会社の子会社として再編された[9]

2008年11月10日、ABXエア最大の顧客であるDHLは、米国国内市場から撤退する計画を発表した[10]。DHLはユナイテッド・パーセル・サービスと契約しアメリカ事業を継続する計画だったが[10]、2010年3月30日に、ABXエアの親会社であるATSGは、DHLと新たに長期契約を締結し、ABXエアはDHLの国際ネットワークの一部を担っている[11]

機材

[編集]
ABXエアのボーイング767-200

ABXエアの保有する機材は2022年6月現在次の通り[12]

ABX Air Fleet
機種 運用中 発注中 備考
ボーイング767-200ER/BDSF 1
ボーイング767-200BDSF 21
ボーイング767-300ER 7
ボーイング767-300ER/BCF 1
ボーイング767-300ER/BDSF 3 2
ボーイング767-300ERF 4
合計 37

退役済みの機体

[編集]

ABXエアは以下の機体を保有していた。

事故・インシデント

[編集]
火災で損傷したABXエアのジェット機(2008年、SFOにて)

1996年12月22日、エアボーン・エクスプレス827便英語版(DC-8-63F)がピードモント・トライアド国際空港で改造を受け試験飛行中、失速テストを行ったところ失速状態から回復することができずヴァージニア州ナローズの山岳地帯に墜落し、6人全員が死亡した[13]

2008年6月28日、サンフランシスコ国際空港に駐機中のボーイング767から火災が発生し深刻な損傷を受けた[14]。アメリカ国家運輸安全委員会の調査によれば、火災の原因は設計上の問題であり、電気配線と酸素系の導電成分との間に短絡が起きたことが明らかになった[15][16]

脚注・出典

[編集]
  1. ^ a b About Us”. ABX Air. ABX Air. December 6, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月18日閲覧。
  2. ^ http://www.abxair.com/about/executive-team.cfm
  3. ^ "Zoning Map Archived October 30, 2008, at the Wayback Machine.." City of Wilmington.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l “World airline directory – Airborne Express (ABX Air)”. Flight International 151 (4566): 50. (19-25 March 1997). ISSN 0015-3710. オリジナルの2015-01-28時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150128183303/http://www.flightglobal.com/pdfarchive/view/1997/1997%20-%200706.html.  
  5. ^ a b “World airline directory – ABX Air (Airborne Express)”. Flight International 147 (4464): 44. (22-28 March 1995). ISSN 0015-3710. オリジナルの2015-01-28時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150128190549/http://www.flightglobal.com/pdfarchive/view/1995/1995%20-%200729.html.  
  6. ^ "ABX Air Enters Into a Watershed ACMI Agreement With All Nippon Airways Co" (Press release). ABX Air, Inc. 2007年5月1日. 2013年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  7. ^ “Directory: World Airlines”. Flight International: p. 45. (2007年3月27日) 
  8. ^ "ABX Completes CHI Acquisition and Holding Company Formation" (Press release). ABX Air, Inc. 2007年12月31日. 2013年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  9. ^ Air Transport Services Group, Inc Archived July 13, 2010, at the Wayback Machine.
  10. ^ a b ABX Air, Form 10-Q, Quarterly Report, Filing Date Nov 14, 2008”. secdatabase.com. Dec 29, 2012閲覧。
  11. ^ Air Transport Services Group, Inc Archived July 7, 2010, at the Wayback Machine.
  12. ^ “Global Airline Guide 2016 (Part Two)”. Airliner World (November 2016): 37. 
  13. ^ Accident description”. Aviation Safety Network. 24 February 2010閲覧。
  14. ^ Kaminski-Morrow, David (6月30日2008年). “PICTURE: Fire badly damages ABX 767F at San Francisco”. London: Flightglobal. オリジナルの2013年1月15日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/6HNiNMacE?url=http://www.flightglobal.com/news/articles/picture-fire-badly-damages-abx-767f-at-san-francisco-224975/ 
  15. ^ Croft, John (6月30日2009年). “NTSB: FAA, ABX share blame for 767 fire”. Washington DC: Flightglobal. オリジナルの2013年1月15日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/6HNlnZjbp?url=http://www.flightglobal.com/news/articles/ntsb-faa-abx-share-blame-for-767-fire-329043/ 
  16. ^ Hradecky, Simon. “Accident: ABX Air Cargo B762 at San Francisco on Jun 28th 2008, on fire while parked, no arson”. Aviation Herald. 24 February 2010閲覧。

外部リンク

[編集]