88式自走対空機関砲
基礎データ | |
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全長 | 7.22m[1] |
全幅 | 3.27m[1] |
全高 | 3.4m[1] |
重量 | 35t[1] |
乗員数 | 4名[1] |
装甲・武装 | |
主武装 | 37mm機関砲×2門[1] |
機動力 | |
整地速度 | 50km/h[2] |
行動距離 | 420km(路上)[2] |
88式自走対空機関砲(中国語:88式自行高射炮)は、中華人民共和国で開発された装軌式の自走対空砲である[1]。PGZ-88とも呼ばれる[3]。
概要
[編集]80式自走対空機関砲の後継として開発された車両で、1978年から開発が開始された[1]。1986年にはレーダーを装備しない先行モデルが初公開され、1988年末にはレーダーを搭載して砲塔形状を変更したモデルが公開されている[2]。開発は、中国北方工業公司(NORINCO)傘下の第497工場(重慶王江機械工場)が担当した[1][2]。
主砲は艦載用の76式37mm連装機関砲(H/PJ-76)を車載化したもので、給弾はベルト式で各砲に250発の即応弾が用意されている[1][2]。射撃速度は1門あたり毎分360-380発である[2]。
砲塔は全周旋回の密閉式で、砲塔旋回速度は毎秒最大60度、砲俯仰角はマイナス10度からプラス87度で、俯仰速度は毎秒最大40度である[1][2]。砲塔には測距機能付きの捜索レーダー、レーダー連動式の敵味方識別装置、電子光学式複合照準装置(ペリスコープ型光学照準器、レーザー測距儀、射撃管制メカニズムを含む)などで構成された射撃管制システムが搭載されており、全天候下での交戦が可能で、目標への対応速度は平均して6-12秒とされている[1][2]。また、ECCM能力も有している[2]。捜索レーダーは砲塔上面後方に搭載されており、捜索時は毎分30回転で動作し、使用しない場合は後方に倒しておくことができる[2]。探知距離は最大で15km、探知高度は3,000mである[2]。メーカーでは、本車は高度3,000m以下を飛行する秒速350mまでの飛行目標と、地上目標との交戦が可能だとしている[2]。ちなみに、レーダーを装備しない先行モデルでは、「JM832」という名称の昼間用射撃管制システムが搭載されていた[2]。
車体は69式戦車をベースにしており、同車のコンポーネントが多用されているが、装甲を薄くして新規に製作された専用車体である[1]。全長7.22m、全幅3.27m、全高は3.4mで、戦闘重量は35t[1]。最大速度は時速50km(路上)で、航続距離は420km(路上)である[2]。乗員は4名で、車長・砲手・目標追尾手・操縦手で構成される[1][2]。
1988年に人民解放軍で制式採用された[1][2]。24両が生産されたが、性能が不足していると判断されて大量生産は行われなかった[1]。輸出実績も確認されていない[3][2]。
運用国
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 『世界の戦車パーフェクトBOOK 決定版』コスミック出版、2023年12月22日、213頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q Tony Cullen,Christopher F Foss, ed (1992). Jane's Land-Based Air Defence 1992-93. Jane's Information Group. p. 60. ISBN 0710609795
- ^ a b c The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 239. ISBN 978-1-032-50895-5