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2014年昆明駅暴力テロ事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年昆明駅暴力テロ事件
昆明駅、2008年11月1日
Location of Kunming in Yunnan
昆明市
昆明市
雲南省昆明市の位置
場所 中華人民共和国の旗 中国 雲南省昆明市昆明駅
座標 北緯25度1分3秒 東経102度43分15秒 / 北緯25.01750度 東経102.72083度 / 25.01750; 102.72083座標: 北緯25度1分3秒 東経102度43分15秒 / 北緯25.01750度 東経102.72083度 / 25.01750; 102.72083
日付 2014年3月1日21時20分(UTC+8)頃
標的 不特定市民
攻撃手段 無差別殺人
武器 ナイフ
死亡者 34(警察の5人を含む)
負傷者 143
犯人 8
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2014年昆明駅暴力テロ事件(2014ねん こんみんえきぼうりょくテロじけん、英語: 2014 Kunming attack)とは、2014年3月1日中国雲南省昆明市で発生したテロ事件

概要

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2014年3月1日21時20分(北京時間)頃、中国雲南省昆明市の昆明駅広場や乗車券販売所などで、刃物を持った集団が通行人らを無差別に襲撃した[1]。昆明市当局は翌2日「現場に残された証拠から、テロ攻撃は新疆ウイグル自治区(新疆)独立勢力による犯行であることが判明」と断定した[2]。事件が起きた直後、メディアは「昆明虐殺事件」と速報で報じている。また、雲南省は中国の中でも少数民族が多く、漢民族以外にも、タイ族モン族ミャオ族などの被害者も少なくなかった。

その後 

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事件後、目撃者の証言によれば犯人グループの4人が警察に射殺され、1人が肩に銃撃を受け拘束された[3]

直ちに昆明駅周辺に武装警察が配備された[4]。その後、3月3日逃亡した3人が逮捕され、旗が押収された[5]

2014年9月12日、昆明市中級人民法院における初公判により3名に死刑、残り1名に無期懲役が言い渡された。無期懲役が言い渡されたのは被告人が妊娠していた為である[6]。2015年3月24日、3名の死刑が執行された[7]

反応

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  • 中華人民共和国の旗 中華人民共和国 - 新華社は新疆ウイグル自治区の過激派組織による犯行を明らかにした[2]中国共産党中央委員会総書記習近平は、法律に基づきテロリストを厳罰にし、容赦なく取り締まると指示を与えた。国務院総理李克強は、暴徒を追跡して逮捕し、厳罰にして、各地の公安当局が治安措置を強化し、人々の密集する公共の場の防犯に力を入れると求めている[8]。また公安民警警察官は従来は非武装だったが、この事件を受けて、拳銃警官による武装警邏が開始された[9]
  • 国際連合の旗 国際連合 - 潘基文事務総長は事件を強く非難する声明を発表した。「罪のない人々を殺害するいかなる行為も許すことはできない」とした上で、被害者の家族に対し、「1日も早い回復を願っている」と述べた[10]
  • 欧州連合の旗 欧州連合 - キャサリン・アシュトン外務・安全保障政策上級代表は、事件を強く非難し、人を激怒させた犯罪行為に驚愕に堪えず、どのような言い訳にもこのような行いを弁護できないと強調した[11]
  • アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 - 国務省ジェン・サキ報道官も「アメリカは事件をテロリストの仕業であるとし、犠牲者に哀悼の意を表している。アメリカはいかなる形のテロリズムにも反対する」と語った。駐中米国大使館は「アメリカはこの重大な暴力事件に驚いた。アメリカはこの残忍な暴力行動を非難する。アメリカ政府は中国に慰問を表し、犠牲者に哀悼を表し、被害者及びその家族に同情を表している」と伝えた[12]
  • ロシアの旗 ロシア - ウラジーミル・プーチン大統領は、この激怒させる犯罪行為に対し断固たる非難を表し、テロリズムを取り締まることで中国側とより一層全力的に協力を繰り広げていきたいと表明し、犠牲者の親族に痛切な同情を表し、あらゆる負傷者が一日も早く回復するよう望んでいる[13]
  • 日本の旗 日本 - 菅義偉内閣官房長官は「事件の被害者、遺族に哀悼の意を表するとともに動向を引き続き注視していきたい」と述べた[14]
  • フランスの旗 フランス - 外務省は、事件に強い非難を表しこのふるまいのために弁護する如何なる理由はないと強調し、被害者の家族に慰問の意を表し、また中国の政府と人民との団結を保ってゆくと表明した[13]

出典

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  1. ^ “雲南昆明駅で暴力テロ事件発生”. 新華社通信. (2014年3月2日). オリジナルの2016年3月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160304193018/http://jp.xinhuanet.com/2014-03/02/c_133153687.htm 2014年3月4日閲覧。 
  2. ^ a b “昆明駅の無差別殺傷、中国当局「ウイグル過激派の犯行」”. ロイター通信. (2014年3月3日). https://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA2200K20140303/ 2022年9月30日閲覧。 
  3. ^ “目擊者講述:警察向歹徒喊話“你們几个来砍我”” (中国語). 中国新聞社. (2014年3月2日). https://www.chinanews.com.cn/gn/2014/03-02/5899660.shtml 2022年9月30日閲覧。 
  4. ^ 昆明火車站武警持槍執勤” (中国語). 新浪図片. 高清図集 (2014年3月2日). 2022年9月30日閲覧。
  5. ^ 呉名 (2014年3月4日). “昆明暴恐案告破:特警15秒内擊斃4人傷1人併発現“東突”旗幟” (中国語). 家庭医生網. 天圓網. オリジナルの2015年1月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150123035608/http://info.jthysh.com/ylzx/20140304/199001.html 2022年9月30日閲覧。 
  6. ^ 程涛 (2014年9月12日). “昆明火車站暴恐案宣判:3人獲死刑1人無期” (中国語). 中国新聞社. https://www.chinanews.com.cn/gn/2014/09-12/6587123.shtml 2022年9月30日閲覧。 
  7. ^ “中国昆明駅の無差別殺傷、首謀者3人の死刑執行”. CNN. (2015年3月24日). https://www.cnn.co.jp/world/35062220.html 2022年9月30日閲覧。 
  8. ^ “死者29人の昆明駅テロ事件に、習近平が重要な指示 -中国”. http://www.xinhuaxia.jp/NewsPage?newsId=1131336730&pageNum=1 [リンク切れ]
  9. ^ Areddy, James T. (2014年4月22日). “上海の警察官、銃携行を開始―テロや凶悪犯罪の増加で”. ウォール・ストリート・ジャーナル. https://jp.wsj.com/articles/SB10001424052702303595604579516610010376526/ 2022年9月30日閲覧。 (Paid subscription required要購読契約)
  10. ^ “潘国連事務総長、中国昆明の無差別襲撃事件を強く非難―香港メディア”. Record China. (2014年3月2日). https://www.recordchina.co.jp/b84241-s0-c10-d0035.html 2022年9月30日閲覧。 
  11. ^ “EU連合-雲南昆明のテロ事件に対し非難、憤怒と驚愕に堪えない”. 新華ニュース (日本新華夏株式会社). (2014年3月3日). オリジナルの2014年3月6日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140306140434/http://www.xinhuaxia.jp/1131336733/ 2022年9月30日閲覧。 
  12. ^ “米国務省:昆明事件がテロリストの仕業、犠牲者に哀悼”. 新華ニュース (日本新華夏株式会社). (2014年3月4日). オリジナルの2014年3月6日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140306134943/http://www.xinhuaxia.jp/1131336800/ 2022年9月30日閲覧。 
  13. ^ a b 謝艶 (2014年3月3日). “国際社会が雲南昆明「3·01」重大暴力テロ事件を強く非難”. 新華網日本語版. オリジナルの2016年8月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160822181055/http://jp.xinhuanet.com/2014-03/03/c_133155666.htm 
  14. ^ “【中国無差別殺傷】菅長官、哀悼の意”. MSN産経ニュース. (2014年3月3日). オリジナルの2014年6月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140605134627/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140303/plc14030322410014-n1.htm 2022年9月30日閲覧。 

関連項目

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