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2014年ベトナム反中デモ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年ベトナム反中デモ
首都ハノイ市のデモ行進
日時2014年5月13日から14日
場所 ベトナムビンズオン省ハティン省ドンナイ省バリア=ブンタウ省
目的中華人民共和国の石油掘削リグ設置反対
手段
結果中華人民共和国により交流事業は縮小、中国企業の3000人が帰国[1]。また外資企業は警備が厳重になり、沈静化した。
人数
デモに2万人以上参加
死傷者数
死者
  • ハティン省:ベトナム人5人、中国人とみられる16人が死亡[2]。その中には(中国冶金科工集団中国語版の工員4名が含まれる[3][4]
  • ビンズオン省:中国人1名[5]
  • ホーチミン市:中国籍の設備操作員1名
負傷者
  • ハティン省:中国籍23名重傷、103名軽症(中冶集団の工員)

ベトナム反中デモ(ベトナムはんちゅうデモ、ベトナム語Biểu tình phản đối Trung Quốc tại Việt Nam năm 2014 / 表情反對中國在越南𢆥2014)とは、2014年5月13日よりベトナム社会主義共和国の各地で発生している、中華人民共和国に対して抗議するデモ活動である。

起因

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衝突の原因は、南シナ海のベトナムが主張する排他的経済水域に、違法設置した中国海洋石油総公司石油掘削リグをめぐり、ベトナムと中国の艦船の衝突が相次いだことにより発生した。

影響

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一部のデモ参加者は暴徒化し、中国本土の企業に限らず、漢字看板を掲げる企業を見るだけで、襲撃を仕掛けた。故に、同じ漢字文化圏であるが、中華人民共和国とは全く関係ない、ベトナムに事業拠点を置く複数の台湾香港日本韓国シンガポールマレーシア企業が、被害に遭った[6][7][8]

デモ活動が行われている地域の中には、デモ隊が暴動を起こすことによって多くの死者を出したり拘束される者を出している所も存在する[9]

ホーチミン日本人学校は安全確保のため、臨時休校とする措置を採った[10]

その後、8月27日、レ・ホン・アインベトナム共産党書記局常務書記が、中国へ特使として訪中し習近平中国共産党総書記と会談した。その中で、ベトナム国内で相次いだ反中デモで被害を受けた中国企業や中国人労働者などに補償する考えを示した[11]

政府の対応

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ベトナム政府は、この抗議を「合法的な愛国主義」と評価した。しかしながら18日以降はデモの取り締まりに着手した[1]

今回の暴動に対し、中華人民共和国外交部2014年5月18日、「両国間の交流計画を部分的に中止する」との声明を発表した。「追加措置を取るかどうか検討する」とも警告、ベトナムの中国企業で働いていた中国人ら約3千人を帰国させたことも明らかにした[1]。またベトナムで働いていた数千人の中国人をチャーター船で帰国させる措置を講じた[12]

香港特別行政区政府は5月15日に、ベトナム旅行警告が「黄」を「紅」に改めた。[13]

政府がベトナムでのビジネスマンを支援する方法を議論する為に、立法会工商事務委員会は5月20日の例会に議題を緊急挿入予定。議題の挿入を提案した方剛(委員長)は、フィリピンに対処するための制裁を倣って、ベトナム旅行警告を「黒」にアップグレードが必要と思うと述べた。[14]

中華民国外交部は、ベトナム語と英語で「私は台湾人です、台湾から来ました」と記したシールを2万枚緊急印刷し、ベトナムで台湾系会社に配布した[15][16]

2014年5月14日、外務省は注意勧告を発令した(2014年7月23日に失効)[17]。また菅義偉官房長官は「ベトナムの関係当局に邦人および日本企業の安全の確保、関係者の処罰・補償の問題に対する対応を申し入れた」と述べ、「在留邦人の人的被害はない」と語った[18]

関連項目

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脚注

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  1. ^ a b c https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK18016_Y4A510C1000000/ 中国、ベトナムとの交流縮小 反中デモで対抗措置
  2. ^ http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DV06120140515 ベトナム中部で反中デモ暴徒化、20人以上が死亡=病院関係者
  3. ^ 在越工地受冲击 中冶集团4人死亡
  4. ^ http://finance.sina.com.cn/stock/s/20140520/185619169314.shtml 中国中冶承建越南钢厂工地受冲击 死亡4人
  5. ^ http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20140516/Xinhua_82808.html ベトナム反中暴動で台湾系工場に放火、行方不明の中国人従業員の焼死を確認―シンガポール華字紙
  6. ^ “ベトナム反中デモ、台湾企業も被害”. ワイズコンサルティング@台湾. (2014年5月14日). http://www.ys-consulting.com.tw/news/50329.html 
  7. ^ http://response.jp/article/2014/05/17/223406.html ベトナム反中デモ拡大、マレーシア企業も巻き添え被害
  8. ^ http://www.singpao.com/xw/yw/201405/t20140515_507105.html 越大規模反華打砸搶燒
  9. ^ 【ベトナム反中デモ】暴動化で21人死亡か うち中国人16人 地元メディア 700人拘束 - MSN産経ニュース
  10. ^ 反中デモで日系企業5社に被害 ベトナム南部、日本人学校は臨時休校 - MSN産経ニュース
  11. ^ https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H1O_X20C14A8FF1000/ 反中デモで補償表明 ベトナム特使、中国主席と会談
  12. ^ https://www.cnn.co.jp/world/35048138.html 中国人数千人がベトナムから退避、チャーター船到着
  13. ^ 現正生效的外遊警示” (繁体字中国語). 香港特区保安局 (2014年5月15日). 2014年5月18日閲覧。
  14. ^ “立會急議保障當地港商” (繁体字中国語). Yahoo香港. (2014-05-17 ). https://hk.news.yahoo.com/%E7%AB%8B%E6%9C%83%E6%80%A5%E8%AD%B0%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E7%95%B6%E5%9C%B0%E6%B8%AF%E5%95%86-222510330.html 
  15. ^ https://www.recordchina.co.jp/b88246-s0-c30-d0052.html 反中デモで台湾人がとばっちり被害=台湾は“奇策”で対抗―ベトナム
  16. ^ http://www.cna.com.tw/news/aipl/201405150044-1.aspx 避反中攻擊 外交部印台灣貼紙
  17. ^ http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo.asp?infocode=2014C172 ベトナム:ホーチミン市及びビンズオン省における反中国デモに伴う注意喚起
  18. ^ https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1501F_V10C14A5EAF000/ 官房長官「ベトナムに安全確保申し入れ」 反中デモ暴徒化で

外部リンク

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