2-メチルピリジン
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2-メチルピリジン | |
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2-メチルピリジン | |
別称 2-ピコリン、α-ピコリン、o-ピコリン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 109-06-8 |
PubChem | 7975 |
ChemSpider | 7687 |
ChEBI | |
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特性 | |
化学式 | C6H7N |
モル質量 | 93.13 g/mol |
外観 | 微かに黄緑色を呈した液体 |
密度 | 0.943 g/mL |
融点 |
−70 °C, 203 K, -94 °F |
沸点 |
128 °C, 401 K, 262 °F |
水への溶解度 | 混和する |
危険性 | |
GHSピクトグラム | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
2-メチルピリジン(2-methylpyridine)、あるいは2-ピコリン(2-picoline)は、化学式C6H7Nで表される芳香族性を持った有機化合物である。無色液体であり、ピリジンと同様の不快臭を持つ。
合成
[編集]2-ピコリンは、初めて純粋な状態で単離されたピリジン類の化合物である。T. Andersonは、1846年にコールタールからの単離に成功した[1]。現在は主に、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドとアンモニアの縮合、及びニトリルとアセチレンの環化反応により合成されている。一例を以下に示す。
1989年の年間の生産量は、およそ8000トンである[2]。
利用
[編集]2-ピコリンの主な利用法として、ポリマーや医薬品または染料の原料として有用な[3] 、2-ビニルピリジンの前駆体としての利用が挙げられる。2-ビニルピリジンは、2-ピコリンをホルムアルデヒド水溶液で処理した後、脱水反応を行うことにより得られる。
2-ビニルピリジン、ブタジエンとスチレンの共重合により得られたポリマーは、タイヤコードの接着剤として利用されている。
また、2-ピコリンは、硝化抑制剤であるニトラピリンの前駆体としても利用される[2]。また、過マンガン酸カリウムで酸化することによって、ピコリン酸が得られる[2]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ Anderson, T. (1846). “On the constitution and properties of Picoline, a new organic base from Coal Tar” (Free full text at Google Books). Edinburgh New Phil. J. XLI: 146–156; 291–300 .
- ^ a b c Shinkichi Shimizu; Nanao Watanabe; Toshiaki Kataoka; Takayuki Shoji; Nobuyuki Abe; Sinji Morishita; Hisao Ichimura. (2002). “Pyridine and Pyridine Derivatives”. Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry. doi:10.1002/14356007.a22_399.
- ^ Abe, Nobuyuki; Ichimura, Hisao; Kataoka, Toshiaki; Morishita, Sinji; Shimizu, Shinkichi; Shoji, Takayuki; Watanabe, Nanao. Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry 2007, p. 10-11
参考文献
[編集]- Eric F. V. Scriven, Ramiah Murugan. 'Pyridine and Pyridine Derivatives', Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, (2005). doi:10.1002/0471238961.1625180919031809.a01.pub2