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1-ブロモブタン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1-ブロモブタン
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識別情報
CAS登録番号 109-65-9 チェック
PubChem 8002
ChemSpider 7711 チェック
EC番号 203-691-9
国連/北米番号 1126
MeSH butyl+bromide
ChEMBL CHEMBL160949 チェック
RTECS番号 EJ6225000
バイルシュタイン 1098260
特性
化学式 C4H9Br
モル質量 137.02 g mol−1
外観 無色液体
密度 1.2676 g mL−1
融点

-112 °C, 161 K, -170 °F

沸点

101 °C, 374 K, 214 °F

log POW 2.828
蒸気圧 5.3 kPa
kH 140 nmol Pa kg−1
屈折率 (nD) 1.439
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −148 kJ mol−1
標準燃焼熱 ΔcHo −2.7178–−2.7152 MJ mol−1
標準モルエントロピー So 327.02 J K−1 mol−1
標準定圧モル比熱, Cpo 162.2 J K−1 mol−1
危険性
GHSピクトグラム 可燃性 急性毒性(低毒性) 水生環境への有害性
GHSシグナルワード DANGER
Hフレーズ H225, H315, H319, H335, H411
Pフレーズ P210, P261, P273, P305+351+338
EU分類 強い可燃性 F 刺激性 Xi 環境への危険性 N
Rフレーズ R11, R36/37/38, R40, R51/53
Sフレーズ S16, S26
引火点 10 °C (50 °F; 283 K)
発火点 265 °C (509 °F; 538 K)
爆発限界 2.8–6.6%
半数致死量 LD50 2.761 g kg−1 (経口、ラット)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

1-ブロモブタン英語:1-bromobutane)は、化学式CH3(CH2)3Brで表される有機臭素化合物である。臭化n-ブチル、あるいは単純に臭化ブチルとも呼ばれる。通常は無色液体であるが、不純物を含むと黄色くなる。には不溶であるが、多くの有機溶媒と混和する。有機合成において、n-ブチル基を導入する反応に利用されている。

合成法

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1-ブロモブタンは、ブタノール臭化水素酸で処理することにより得られる[2]

CH3(CH2)3OH + HBr → CH3(CH2)3Br + H2O

反応

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他の第一級ハロゲン化アルキルと同様、SN2反応を起こす傾向にある。また、アルキル化試薬としてもしばしば利用されている。乾燥したジエチルエーテル中で屑状のマグネシウムと反応させることにより、グリニャール試薬が得られる。このグリニャール試薬はあらゆる基質に対してブチル基を導入する試薬として用いられる。

1-ブロモブタンはn-ブチルリチウム前駆体である[3]

2 Li + C4H9Br → C4H9Li + LiBr

当反応に用いた金属リチウムには、1-3%のナトリウムが含まれている。1-ブロモブタンを前駆体として用いた場合、生成物は臭化リチウムとブチルリチウムが混在してクラスターを形成した、均一な溶液となる。

脚注

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  1. ^ butyl bromide - Compound Summary”. PubChem Compound. USA: National Center for Biotechnology Information (27 March 2005). 17 June 2012閲覧。
  2. ^ Oliver Kamm, C. S. Marvel, R. H. Goshorn, Thomas Boyd, And E. F. Degering "Alkyl And Alkylene Bromides" Org. Synth. 1921, volume 1, p. 3. doi:10.15227/orgsyn.001.0003
  3. ^ Brandsma, L.; Verkraijsse, H. D. (1987). Preparative Polar Organometallic Chemistry I. Berlin: Springer-Verlag. ISBN 3-540-16916-4