1-ブロモブタン
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1-ブロモブタン | |
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別称 臭化n-ブチル、臭化ブチル、ブチルブロミド | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 109-65-9 |
PubChem | 8002 |
ChemSpider | 7711 |
EC番号 | 203-691-9 |
国連/北米番号 | 1126 |
MeSH | butyl+bromide |
ChEMBL | CHEMBL160949 |
RTECS番号 | EJ6225000 |
バイルシュタイン | 1098260 |
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特性 | |
化学式 | C4H9Br |
モル質量 | 137.02 g mol−1 |
外観 | 無色液体 |
密度 | 1.2676 g mL−1 |
融点 |
-112 °C, 161 K, -170 °F |
沸点 |
101 °C, 374 K, 214 °F |
log POW | 2.828 |
蒸気圧 | 5.3 kPa |
kH | 140 nmol Pa kg−1 |
屈折率 (nD) | 1.439 |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
−148 kJ mol−1 |
標準燃焼熱 ΔcH |
−2.7178–−2.7152 MJ mol−1 |
標準モルエントロピー S |
327.02 J K−1 mol−1 |
標準定圧モル比熱, Cp |
162.2 J K−1 mol−1 |
危険性 | |
GHSピクトグラム | |
GHSシグナルワード | DANGER |
Hフレーズ | H225, H315, H319, H335, H411 |
Pフレーズ | P210, P261, P273, P305+351+338 |
EU分類 | F Xi N |
Rフレーズ | R11, R36/37/38, R40, R51/53 |
Sフレーズ | S16, S26 |
引火点 | 10 °C (50 °F; 283 K) |
発火点 | 265 °C (509 °F; 538 K) |
爆発限界 | 2.8–6.6% |
半数致死量 LD50 | 2.761 g kg−1 (経口、ラット) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
1-ブロモブタン(英語:1-bromobutane)は、化学式CH3(CH2)3Brで表される有機臭素化合物である。臭化n-ブチル、あるいは単純に臭化ブチルとも呼ばれる。通常は無色液体であるが、不純物を含むと黄色くなる。水には不溶であるが、多くの有機溶媒と混和する。有機合成において、n-ブチル基を導入する反応に利用されている。
合成法
[編集]1-ブロモブタンは、ブタノールを臭化水素酸で処理することにより得られる[2]。
- CH3(CH2)3OH + HBr → CH3(CH2)3Br + H2O
反応
[編集]他の第一級ハロゲン化アルキルと同様、SN2反応を起こす傾向にある。また、アルキル化試薬としてもしばしば利用されている。乾燥したジエチルエーテル中で屑状のマグネシウムと反応させることにより、グリニャール試薬が得られる。このグリニャール試薬はあらゆる基質に対してブチル基を導入する試薬として用いられる。
- 2 Li + C4H9Br → C4H9Li + LiBr
当反応に用いた金属リチウムには、1-3%のナトリウムが含まれている。1-ブロモブタンを前駆体として用いた場合、生成物は臭化リチウムとブチルリチウムが混在してクラスターを形成した、均一な溶液となる。
脚注
[編集]- ^ “butyl bromide - Compound Summary”. PubChem Compound. USA: National Center for Biotechnology Information (27 March 2005). 17 June 2012閲覧。
- ^ Oliver Kamm, C. S. Marvel, R. H. Goshorn, Thomas Boyd, And E. F. Degering "Alkyl And Alkylene Bromides" Org. Synth. 1921, volume 1, p. 3. doi:10.15227/orgsyn.001.0003
- ^ Brandsma, L.; Verkraijsse, H. D. (1987). Preparative Polar Organometallic Chemistry I. Berlin: Springer-Verlag. ISBN 3-540-16916-4