コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

1,3-ジブロモプロパン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1,3-ジブロモプロパン
識別情報
CAS登録番号 109-64-8 チェック
PubChem 8001
ChemSpider 7710 チェック
UNII YQR3048IX9 チェック
EC番号 203-690-3
国連/北米番号 1993
MeSH 1,3-dibromopropane
RTECS番号 TX8575000
バイルシュタイン 635662
特性
化学式 C3H6Br2
モル質量 201.89 g mol−1
外観 無色液体
密度 1.989 g mL−1
融点

-34 °C, 238.95 K, -30 °F

沸点

167 °C, 440 K, 332 °F

kH 11 μmol Pa−1 kg−1
屈折率 (nD) 1.524
熱化学
標準定圧モル比熱, Cpo 163.7 J K mol−1
危険性
GHSピクトグラム 可燃性 急性毒性(低毒性) 水生環境への有害性
GHSシグナルワード WARNING
Hフレーズ H226, H302, H315, H411
Pフレーズ P273
引火点 56 °C (133 °F; 329 K)
半数致死量 LD50 315 mg kg−1 (経口、ラット)
関連する物質
関連するアルカン
関連物質 ミトブロニトール
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

1,3-ジブロモプロパン(1,3-Dibromopropane)は、化学式(CH2)3Br2有機臭素化合物である。無色の液体で、甘い匂いを持つ。有機合成で用いられ、C-Nカップリング反応等により、C3-架橋化合物を作る。

フロイント反応として知られる、1881年に行われた最初のシクロプロパン合成に用いられたのが1,3-ジブロモプロパンである[4]

合成

[編集]

臭化アリル臭化水素の間のフリーラジカル付加反応により、1,3-ジブロモプロパンが合成される[5]

代謝

[編集]

1981年に1,3-ジブロモプロパンの代謝が試験された[6]。この試験は、ラットにこの物質を経口摂取させ、24時間後の結果を収集したものである。尿、糞、呼気が集められ、尿の検査結果から、N-アセチル-S-(1-ブロモ-3-プロピル)-システインが代謝物として形成されることと、ラットの肝臓グルタチオン含量が低下することが発見された。この結果により、1,3-ジブロモプロパンは摂取後にグルタチオンと反応して1-ブロモ-3-プロピル-S-グルタチオンを形成し、最終的に尿中の代謝物になると推定された。さらに、糞の中に放射能がほぼ観測されず、血中の放射能濃度が維持されていることから、硫黄含有代謝物が胆道から排出され、腸肝循環することが証明された。

出典

[編集]
  1. ^ 1,3-dibromopropane - Compound Summary”. PubChem Compound. USA: National Center for Biotechnology Information (26 March 2005). 21 June 2012閲覧。
  2. ^ Creese, Mary R. S. (2015) (英語). Ladies in the Laboratory IV: Imperial Russia's Women in Science, 1800-1900: A Survey of Their Contributions to Research. Rowman & Littlefield. p. 57. ISBN 978-1-4422-4742-0. https://books.google.com/books?id=m1RuBwAAQBAJ&pg=PA57 
  3. ^ 1,3-Dibromopropane” (英語). pubchem.ncbi.nlm.nih.gov. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  4. ^ August Freund (1882). “Ueber Trimethylen”. Journal für Praktische Chemie 26 (1): 367–377. doi:10.1002/prac.18820260125. https://zenodo.org/record/1427896. 
  5. ^ W. E. Vaughan; F. F. Rust; T. W. Evans (1942). “The photo-addition of hydrogen bromide to olefinic bonds”. Journal of Organic Chemistry 7 (6): 477–490. doi:10.1021/jo01200a005. 
  6. ^ S. P. James; M. A. Put; D. H. Richards (1981). “Metabolism of 1,3-dibromopropane”. Toxicology Letters 8 (1–2): 7–15. doi:10.1016/0378-4274(81)90130-2. PMID 7245244.