鷲 (紋章)

マルクス・ウァレリウス・メッサッラ・コルウィヌスの霊廟にあったとされるローマ帝国の鷲と武具の彫像。マドリードのプラド美術館所蔵。

鷲（わし、ドイツ語: Adler）は、鷲を用いた紋章の一つ。

鷲の図案は紋章の中で、チャージ、サポーター、クレストなどとして使われている。また頭部、羽、足など鷲の一部が使われる場合もある。

鷲は、強さ、勇気、遠眼、不死などの象徴として使われ、空の王者や最高神の使者とも考えられた。神話では、ギリシャ神話ではゼウス、ローマ神話ではユーピテル、ゲルマン部族ではオーディン、ユダヤ教やキリスト教の聖書では神、キリスト教芸術では福音記者ヨハネなどに関連して使われた。

古くはローマ帝国の国章とされ、ヨーロッパを中心として関連した帝国、王国、貴族、都市、教会などで使用された。現在のドイツ、アメリカ合衆国、ロシア連邦、エジプトなどの国章にも使われている。

例

世界の公式な紋章の中に鷲を使用したものは多数あり、そのバリエーションも多数あるが、それぞれの色々な伝統を反映している。主な例には以下がある。

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  ローマ帝国の国章の再現
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  オーストリア＝ハンガリー帝国の国章
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  フランス第一帝政の国章
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  プロイセン王国の国旗
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  ナチス・ドイツの国章(1933–1945年)
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  イタリア社会共和国の国章(1943-1945年)
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  スペインの国章(1945-1977年)
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  ドイツの国章(1950年-)
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  オーストリアの国章
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  チェコの国章
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  ポーランドの国章（白い鷲）
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  ルーマニアの国章（黄金の鷲）
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  モルドバの国章
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  ナゴルノ・カラバフの国章
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  リヒテンシュタインの国章
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  ザンビアの国旗（フィッシュイーグル）
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  アメリカ合衆国の国章（ハクトウワシ）
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  メキシコの国章（アステカの伝説に由来）

双頭の鷲

→詳細は「双頭の鷲」を参照

双頭の鷲は、特に東ローマ帝国や神聖ローマ帝国に関連して使われた。

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  パレオロゴス家と東ローマ帝国のエンブレム
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  セルビアの国章
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  アルバニアの国章
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  ハプスブルク家の神聖ローマ帝国の紋章
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  ロシア連邦の国章(2000年-)

アラブ諸国

アラブ諸国はイスラーム化の前から鷲の図案を使用している。

サラディンの鷹

金色の鷹は「サラディンの鷹」とも呼ばれ、12世紀にサラディンによって使用され、20世紀の汎アラブ主義のシンボルとされた。エジプトは1984年に「クライシュ族の鷲」から現在の「サラディンの鷹」に変更した。

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  アラブ連合共和国の国章（1958-1961年）
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  イラクの国章（1965年-1991年）
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  イラクの国章（1991年-2004年）
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  イラクの国章（2004年-2008年）
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  イラクの国章（2008年-）
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  エジプトの国章
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  北イエメンの国章（1962年-1966年）
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  北イエメンの国章（1966年-1974年）
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  南イエメンの国章（1967年-1970年）
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  南イエメンの国章（1970-1990年）
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  リビア・アラブ共和国の国章（1970年-1972年）
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  パレスチナの国章

クライシュ族の鷲

「クライシュ族の鷲」は、以下の各国の他、アラビア半島を中心としたクライシュ族で使用されている。

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  アラブ共和国連邦の国章（1972-1977年）
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  エジプトの国章（1972-1984年）
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  シリアの国章（1957年以前）
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  シリアの国章（1963年-1972年）
• 
  シリアの国章
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  リビアの国章（1972年-1977年）
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  アラブ首長国連邦の国章（1973年-2008年）
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  アラブ首長国連邦の国章（2008年-）

類似の例

以下は、鷲ではない鳥の例である。

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  エクアドルの国章（コンドル）
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  ボリビアの国章（コンドル）
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  ギリシャ第一共和政の国章(1928-1932年、フェニックス)
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  アイスランドの国章（グリフォンとも）
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  インドネシアの国章（ガルダ）

関連項目

• 紋章学
• ローマ帝国
• 双頭の鷲
• ライオン (紋章学)
• ライヒスアドラー（ドイツ語: Reichsadler） - ドイツで使われている鷲の紋章。