鶴見駅中距離電車停車等推進期成会
鶴見駅中距離電車停車等推進期成会(つるみえきちゅうきょりでんしゃていしゃとうすいしんきせいかい)は、神奈川県横浜市鶴見区が設立した鶴見駅への中距離電車(東海道線・横須賀線・湘南新宿ライン・相鉄線直通列車)の停車を要望する市民団体である[1]。本項目では、同会の概要および活動について記す。
歴史
[編集]- 2014年(平成26年)9月19日: 鶴見駅中距離電車停車等推進期成会(期成会)が設立[2]。
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)3月16日: 期成会がJR東日本に「神奈川東部方面線(相鉄・JR直通線)の鶴見駅停車などを盛り込んだ要望書」を提出[7]。
- 2018年(平成30年)7月19日: JR東日本から、請願駅としての設置となる旨とJR貨物との協議が必要である旨の回答を得る[8]。
- 2019年(令和元年)11月30日: 相鉄・JR直通線開業に伴い、武蔵小杉駅 - 羽沢横浜国大駅間に旅客列車(相鉄線直通列車)が運行されるも、鶴見駅は通過となる。
- 2020年(令和2年)
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)
- 3月14日:前年度に引き続き、鶴見駅停車等を含めた要望書をJR東日本に提出[12]。
- 2023年(令和5年)
- 3月13日:前年度に引き続き、鶴見駅停車等を含めた要望書をJR東日本に提出[13]。
概要
[編集]鶴見駅は京浜工業地帯の中央部に位置し、JR東日本の様々な路線が結線する横浜市有数のジャンクション駅である。東海道線・鶴見線・横須賀線・南武線(支線)の計4路線に加えて、JR貨物の貨物路線が乗り入れている。しかし、これだけ多くの路線が集中しているにもかかわらず、旅客が利用できる系統は京浜東北線と鶴見線のみであり、速達性の高い東海道線や横須賀線などは、鶴見駅にプラットホームが設置されていないため、旅客利用することができない。
また、鶴見区の人口は年々増加し、鶴見駅の乗車人数が市内JR在来線で4番目に位置する高需要駅となっていることから[1]、東京都心方面へのアクセス性向上が鶴見駅利用者の長年の悲願となっていた[14]。これを受けて、主に中距離電車(東海道線、横須賀線、湘南新宿ライン、相鉄線直通列車)の鶴見駅停車を要望する団体として、2014年に期成会が設立された[2]。2019年時点では、主に相鉄線直通列車の鶴見駅停車に焦点を絞って活動を続けている。
要望
[編集]2019年に開業した相鉄線直通列車が鶴見駅に停車することを目的として、JR東日本に鶴見駅への相鉄線直通列車用プラットホームの設置を要望している。
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鶴見駅から分岐する各種路線
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武蔵小杉駅の次は鶴見駅を通過して羽沢横浜国大駅に停車する(画像左上の相鉄線直通列車)
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相鉄・JR直通線に使用される車両(12000系およびE233系)
効果
[編集]武蔵小杉駅 - 羽沢横浜国大駅間は17.6 kmで、所要時間は15分であり、東京の電車特定区間で最長の駅間となっているため、中間地点に旅客営業駅を設置することで、鉄道施設の効率的な活用と乗客分散が期待できる。また、相鉄線から都心方面へのアクセスには、横浜駅を経由する動線と相鉄線直通列車を使用する2つの動線がある。前者の乗客が鶴見駅で乗り換えを行うことで、横浜駅の混雑を緩和する効果がある。鶴見駅へのプラットホーム設置による代表的な効果を下記に挙げる。
- 鶴見駅から新宿・渋谷方面(武蔵小杉駅 - 渋谷駅 - 新宿駅方面)への速達性向上
- 鶴見駅から横浜市中央部(羽沢横浜国大駅 - 二俣川駅 - 海老名駅方面)への速達性向上
- 羽沢横浜国大駅から東京方面(川崎駅 - 品川駅 - 東京駅方面)への速達性向上
- 武蔵小杉駅 - 羽沢横浜国大駅間が2区間に分割され、結節点に旅客駅が設けられることで、輸送障害発生時のトラブル対応が柔軟になる
- 横浜駅におけるラッシュ時の混雑緩和(相鉄線からJR線都心方面への乗客の分散が期待できる)
- 相鉄線直通列車と鶴見線の乗換駅が新設されることによる利便性向上
課題
[編集]鶴見駅には多数の鉄道路線が集中しているため、現状ではプラットホームを新設する土地を確保できない。そのため、既存設備を改修してホームの設置空間を捻出する必要があるが、24時間運行している貨物列車のダイヤへ影響を与えずに施工時間を確保することが大きな課題となっている。横浜市が2014年頃に行った見積もりでは、プラットホームを設置するための土地確保が物理的には可能であると結論付けたものの、工期が12 - 14年と長期に渡ると予想されている[15]。
また、180 - 200億円と試算された工事費用の捻出も課題となっている。このような地元の要望に基づく請願駅の場合、本駅近隣の武蔵小杉駅や東戸塚駅の例の様に、地元自治体による負担が原則となる。神奈川県・横浜市・鶴見区・JR東日本間でのさらなる協議が必要とされているが、予算捻出に関する具体的な情報は、2019年時点で開示されていない。
関連項目
[編集]- 總持寺踏切 - 開かずの踏切として有名であった。用地確保の観点で新プラットホーム設置課題の1つであったが、2012年4月に廃止され問題がなくなった。その後は費用面が最終課題となっている[16]。
- 花月園跡地 - 鶴見駅近くにある競輪場跡地。都市再生機構(UR都市機構)による再開発が計画されており、鶴見駅における通勤需要の拡大が予想される。
- 横浜市都市計画マスタープラン(鶴見区) - 横浜市および鶴見区の都市設計の方針を示す企画書。平成30年10月版には、46ページ・77ページに言及がある[17]。
- 川口駅 - 埼玉県川口市とその市民団体が鶴見駅と同様に中距離電車停車の請願活動を行っている。
出典
[編集]- ^ a b “鶴見駅に中距離電車を停めよう!~JR東日本本社へ要望活動に行ってきました~”. www.city.yokohama.lg.jp. 2019年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月21日閲覧。
- ^ a b “「鶴見駅に中距離電車を」 停車実現めざし新団体 | 鶴見区”. タウンニュース (2014年9月25日). 2019年12月21日閲覧。
- ^ “鶴見駅へ中電停車求める 期成会、JRに要望書 | 鶴見区”. タウンニュース (2015年2月26日). 2019年12月21日閲覧。
- ^ “JR鶴見駅中電停車期成会 横浜市へ実現直訴 対面で初の要望書 | 鶴見区”. タウンニュース (2015年10月15日). 2019年12月21日閲覧。
- ^ “鶴見駅中電停車 JR、実現可否へ協議開始 区民ら期成会、要望書提出 | 鶴見区”. タウンニュース (2016年4月7日). 2019年12月21日閲覧。
- ^ “鶴見駅中電停車 費用対効果 基準超える 市調査で判明 | 鶴見区”. タウンニュース (2016年7月28日). 2019年12月21日閲覧。
- ^ “鶴見駅中電停車 JR「徐々に前進、理解を」 区民ら期成会 要望書提出 | 鶴見区”. タウンニュース (2017年4月6日). 2019年12月21日閲覧。
- ^ “JR鶴見駅中電停車期成会 機運醸成へ広報強化 区民フェスでパネル展示など | 鶴見区”. タウンニュース (2018年7月26日). 2019年12月21日閲覧。
- ^ “鶴見駅中電停車 期成会がJRへ要望 コロナで縮小も継続 | 鶴見区”. タウンニュース (2020年6月25日). 2020年9月6日閲覧。
- ^ “中電停車、課題など確認 期成会総会 コロナで縮小も継続 | 鶴見区”. タウンニュース (2020年9月24日). 2020年10月2日閲覧。
- ^ “JRへ中電停車訴え 期成会が要望書 | 鶴見区”. タウンニュース (2021年4月1日). 2021年12月19日閲覧。
- ^ “JRへ中電停車訴え 期成会が要望書 | 鶴見区”. タウンニュース (2022年3月24日). 2023年8月17日閲覧。
- ^ “鶴見駅に中距離電車停車を 期成会がJRに要望書 | 鶴見区”. タウンニュース (2023年3月23日). 2023年8月17日閲覧。
- ^ “中電停車へ運動拍車を 11月、いよいよ直通線通過 | 鶴見区”. タウンニュース (2019年8月1日). 2019年12月21日閲覧。
- ^ “JR鶴見駅に中距離電車のホームが新設される可能性は? - はまれぽ.com 神奈川県の地域情報サイト”. はまれぽ.com. 2019年12月21日閲覧。
- ^ “JR鶴見駅中距離停車 要望へ署名2万筆 2月中に提出へ | 鶴見区”. タウンニュース (2013年1月10日). 2020年1月5日閲覧。
- ^ “横浜市都市計画マスタープラン鶴見区プラン”. www.city.yokohama.lg.jp. 2020年1月5日閲覧。