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鵜殿氏長

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 
鵜殿 氏長
時代 戦国時代 - 江戸時代前期
生誕 天文18年(1549年[1]
死没 寛永元年6月14日1624年7月29日[1]
別名 氏広[2]、三郎、新七郎[1]
戒名 日仙[1]
墓所 長応寺[2]
官位 石見守[2]兵庫頭[3]
幕府 江戸幕府 旗本
主君 今川氏真徳川家康秀忠
氏族 鵜殿氏
父母 父:鵜殿長照
兄弟 氏長氏次[4]
女子、氏信[1]
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鵜殿 氏長(うどの うじなが)は、戦国時代から江戸時代前期にかけての武将旗本

生涯

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三河国上ノ郷城主として宝飯郡一帯(現在の蒲郡市域)を支配していた鵜殿長照の子として生まれる。鵜殿氏今川氏に従属していたが、永禄3年(1560年桶狭間の戦いの敗戦によって今川氏の三河支配は後退し、岡崎城の松平元康(後の徳川家康)が今川氏から離反すると多くの国人松平氏の傘下に加わった。上之郷鵜殿氏は西三河で数少ない今川方となったため松平氏と抗争したが、永禄5年(1562年)上之郷城は落城し父長照は戦死した。氏長は弟の氏次とともに松井忠次によって捕らえられ、駿府に抑留されていた元康の夫人とその嫡男竹千代、長女亀姫との人質交換によって今川氏方へと引き渡された[注釈 1]。その後は大原資良に従って吉田城を守ったが、同城が徳川氏によって奪われると駿河へ後退した[8]

永禄11年(1568年)今川氏の没落が決定的になると徳川氏に臣従して旧領を安堵され、自身は遠江二俣城の守将の一人となった[1]。その後は姉川の戦い長篠の戦い光明城攻めなどに従軍。天正19年(1591年)徳川氏は関東に移り、それに従った氏長は1,700石を与えられた。文禄2年(1593年)には諸大夫成りし、石見守に任じたという[2]慶長10年(1605年福正院池田利隆降嫁、慶長14年(1609年保寿院細川忠利降嫁にそれぞれ供奉している[3][9]。また京極高次死後の小浜藩に派遣され、藩政の監察を行っている[10]。慶長20年(1615年大坂夏の陣では使番として戦列に加わった[1][11]寛永元年(1624年)76歳で死去。家督は養子の氏信が継いだ[1]

関連作品

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テレビドラマ

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脚注

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注釈

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  1. ^ 氏長・氏次兄弟の母は今川義元の妹だったため、兄弟は今川家当主氏真の従兄弟にあたり、その血縁を重視されたとする説がある[5]。その後、黒田基樹は兄弟の母を今川義元の妹とする説を否定して[6]、今川氏の一門である御一家衆の女性であるとする説を唱えている[7]。ただし、御一家衆は今川の血筋を引く者として特別な扱いを受けており、氏長兄弟も今川氏一門を象徴する「氏」の偏諱を与えられたとする[7]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h 『寛政重修諸家譜』, p. 163.
  2. ^ a b c d 『断家譜』, § 鵜殿.
  3. ^ a b 『徳川実紀』, p. 387.
  4. ^ 『蒲郡市誌』, p. 199.
  5. ^ 『新編岡崎市史』, p. 127.
  6. ^ 黒田基樹『北条氏康の妻 瑞渓院』 平凡社、2017年12月。ISBN 978-4-582-47736-8 P40-63.
  7. ^ a b 黒田基樹『家康の正妻 築山殿 悲劇の生涯をたどる』平凡社新書、2022年、88-89.
  8. ^ 伊藤 1981, pp. 310–313.
  9. ^ 『徳川実紀』, pp. 466–467.
  10. ^ 『徳川実紀』, p. 479.
  11. ^ 『徳川実紀』, p. 749.
  12. ^ “「どうする家康」メガネなし話題の野間口徹 松重豊らも気づかず…初の武将役全う「ホッと」鵜殿長照ロス”. スポーツニッポン. (2023年2月12日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2023/02/12/kiji/20230212s00041000365000c.html 2023年2月28日閲覧。 

参考文献

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  • 伊藤天章 編『蒲郡史談』国書刊行会、1981年。 
  • 蒲郡市誌編纂委員会; 蒲郡市教育委員会 編『蒲郡市誌』 本編、蒲郡市、1974年。 
  • 新編岡崎市史編集委員会 編『新編岡崎市史』 20巻、新編岡崎市史編さん委員会、1993年。 
  • 『新訂寛政重修諸家譜』 18巻、続群書類従完成会、1965年。ISBN 978-4-7971-0222-2 
  • 断家譜』 2巻、続群書類従完成会、1968年。ISBN 978-4-7971-0267-3 
  • 黒板勝美 編『徳川実紀』 1巻、吉川弘文館〈新訂増補国史大系〉、1998年。ISBN 978-4-642-00341-4