コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

高橋みずほ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

髙橋 みずほ(たかはし みずほ、1957年2月12日 - )は歌人。祖父は歌人の髙橋俊人、父は植物育種学者の髙橋成人、夫は歌人の吉野裕之

経歴

[編集]

宮城県仙台市生まれ。仙台市立上杉山中学校聖ウルスラ学院高等学校を経て、東北学院大学文学部史学科卒業。多賀城跡調査研究所、東北大学工学部附属材料強度研究施設に勤務[1]

1987年、歌誌「個性」に入会し、加藤克巳[2]に師事(2004年、「個性」終刊)。1994年、第一歌集『凸』を刊行。2002年、今井恵子、吉野裕之と短歌ユニット[BLEND]を始動。雑誌[BLEND]を第10号まで発行し、2007年、解散。その後、結社や同人誌などに拠らず、無所属で活動。

横浜歌人会運営委員[3]を務めている。

作風

[編集]

「塊を広げつつもちつき虫は木立の夕日を突きにゆく」(『フルヘッヘンド』所収)、「田の空の向こうの端をバスがゆくひと掻きふた掻き水すまし」(『㐭』(㐭は亠に回:りん)所収)、「とおくの森から鳴くように山鳩の胸深いふくらみ」(『しろうるり』所収)など、五七五七七とは異なる独特の音数律の作品が特徴[4]

著書

[編集]

単書

[編集]
  • 歌集『凸』(序:加藤克巳) 沖積舎、1994年
  • 選集『セレクション歌人18 髙橋みずほ集』(解説:谷岡亜紀) 邑書林、2006年
  • 歌集『フルヘッヘンド』(栞:針生一郎) 砂子屋書房、2006年
  • 歌集『㐭』(㐭は亠に回:りん) 砂子屋書房、2007年
  • 歌集『しろうるり』 邑書林、2008年
  • 歌集『春の輪』 沖積舎、2012年
  • 歌集『坂となる道』 沖積舎、2013年
  • 歌集『ゆめの種』 沖積舎、2015年
  • 歌集『白い田』 六花書林、2018年
  • 選集『高橋みずほ歌集 現代短歌文庫』 砂子屋書房、2019年
  • 歌集『ひとふりの尾に立てる』 砂子屋書房、2020年
  • 歌集『野にある』 現代短歌社、2022年

共著

[編集]
  • 『加藤克巳作品研究』 風心社、2003年

アンソロジー

[編集]
  • 『〔同時代〕としての女性短歌』 河出書房新社、1992年
  • 『現代短歌の新しい風』 ながらみ書房、1995年
  • 『横浜歌枕集成・新版』 短歌新聞社、2000年
  • 『横浜の歌人たちⅢ』 横浜歌人会、2005年
  • 『アンソロジー横浜2009』 六花書林、2009年

脚注

[編集]
  1. ^ 東北学院同窓会報 vol.22
  2. ^ 加藤克巳は旧制浦和中学校在学中に、髙橋の祖父で、歌誌「菁藻」を主宰していた髙橋俊人のもとで短歌を作り始める(髙橋みずほ 「壁の「だるま」-少年克巳の手紙から」『合歓』第42号、2008年10月。)。つまり、自身の祖父の孫弟子になる。
  3. ^ 会員&役員”. 横浜歌人会. 2015年2月3日閲覧。
  4. ^ たとえば、谷岡亜紀は「個々の作品に流れる均一な時間を分断し再編し、文体自体に一回性の手触りを与える作業と捉えられる」と述べ、「一回性の文体で一回性の現実を掬い取ろうとするところに、作者のねらいがあるだろう」と述べている(谷岡亜紀 「認識論としての歌」『セレクション歌人18 髙橋みずほ集』 邑書林、2006年。)。また、髙橋自身は、「定型という器に人をかたどる言葉の無限を追求している」と語っている(「プロフィール」『蓑虫の揺れ』)。

外部リンク

[編集]