高岡やぶなみ駅
高岡やぶなみ駅 | |
---|---|
東口駅舎(2019年8月) | |
たかおかやぶなみ Takaoka-Yabunami | |
◄西高岡 (2.7 km) (2.6 km) 高岡► | |
所在地 | 富山県高岡市羽広32-3 |
所属事業者 | あいの風とやま鉄道 |
所属路線 | ■あいの風とやま鉄道線 |
キロ程 |
20.2 km(倶利伽羅起点) 金沢から38.0 km 米原から214.6 km |
電報略号 | ヤフ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線 |
乗車人員 -統計年度- |
378人/日(降車客含まず) -2020年- |
開業年月日 | 2018年(平成30年)3月17日 |
備考 | 無人駅(自動券売機 有) |
高岡やぶなみ駅(たかおかやぶなみえき)は、富山県高岡市羽広にある、あいの風とやま鉄道線の駅である。
2015年3月14日の北陸新幹線開業による経営移管後に、あいの風とやま鉄道が新規に設置した駅である。
歴史
[編集]北陸新幹線の金沢延伸開業の際、富山県内の北陸本線は並行在来線としてJR西日本から経営分離されることが決定していた。それを受け、2011年(平成23年)に富山県により「駅間4 km以上の区間のほぼ中央であり、概ね5000人以上の駅勢圏人口及び概ね500人以上の乗降人員が見込まれる区間」への新駅設置について調査が行われ[1][2]、西高岡駅 - 高岡駅間については富山駅 - 東富山駅間[注釈 1]とともに有力な候補として具体的に計画が進み、2018年(平成30年)3月17日に当駅が開業した[3]。
あいの風とやま鉄道線では初となる新駅であり、旧北陸本線時代から数えても1964年(昭和39年)の東滑川駅開業(信号場から格上げ)以来54年ぶりの新駅設置となった。
新駅整備にあたっては幹線鉄道等活性化事業費補助(形成計画事業)を活用し、第三セクターであるあいの風とやま鉄道を主体として、国(鉄道・運輸機構経由)および地方公共団体の補助金を財源として事業が進められた[4]。整備費は約8億円で、国、県、市が各々3分の1ずつを負担した[5][6]。
年表
[編集]- 2011年(平成23年)9月22日:石井隆一知事が住民とのタウンミーティングにおける新駅設置の要望を受け、高岡駅 - 西高岡駅間を並行在来線経営分離後の新駅設置候補地として具体的に検討していく旨を表明する[7][8]。
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)3月6日:高橋正樹高岡市長が高岡駅 - 西高岡駅間の新駅を和田・羽広地内に設置する方針を表明する[11]。
- 2014年(平成26年)9月24日:高岡駅 - 西高岡駅間に設置する新駅に接続する道路の内一路線を富山県が整備することが決定する[12]。
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)2月15日:駅名を「高岡やぶなみ駅」に決定[22][23][24]。
- 2018年(平成30年)3月17日:開業[3]。
駅名の由来
[編集]奈良時代に越中国司として現在の高岡に赴任していた歌人、大伴家持により750年(天平勝宝2年)旧暦2月18日に詠まれた、以下の和歌で言及される地名「藪波(やぶなみ)の里」より[23][22][注釈 4]。この所在地については諸説あるが、当駅近隣の高岡市和田とする説もある[注釈 5]。
夜夫奈美能 佐刀尓夜度可里 波流佐米尓 許母理都追牟等 伊母尓都宜都夜
(藪波の 里に宿借り 春雨に 隠りつつむと 妹に告げつや) — 二月十八日守大伴宿祢家持作、万葉集巻十八
駅構造
[編集]4両編成に対応する相対式ホーム2面2線(85 m)を有する地上駅[22]。
地上駅舎が東西の各ホームごとに設けられ、それぞれに、無人改札口(自動券売機、IC簡易改札機付)が設置される。跨線橋は東西自由通路を兼ねたもので、エレベーターを備える[22]。
デザインは「通勤・通学駅として、地域の人々に親しまれ、愛着をもたれる駅」を指向し、住宅地の中にあることから「シンプルなつくり」とされている[22]。
-
西口駅舎(2019年8月14日)
-
東口改札
-
西口改札
-
自動券売機
のりば
[編集]番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■あいの風とやま鉄道線 | 下り | 高岡・富山方面 |
2 | 上り | 石動・金沢方面 |
接近メロディとして、開業当初から高岡市の市民歌「ふるさと高岡」が西高岡駅と福岡駅(いずれも本駅開業前の2017年3月より採用)と共通で使われている。
利用状況
[編集]『富山県統計年鑑』によると、2021年(令和3年)度の1日平均乗車人員は451人である[25][26]。開業後は1日1,600人の乗降が見込まれていた。[20][1]。
開業後の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
---|---|---|
2017年(平成29年) | 162[備考 1] | |
2018年(平成30年) | 307 | [27] |
2019年(令和元年) | 399 | [28] |
2020年(令和 | 2年)378 | [25] |
- 備考
- ^ 2018年3月17日開業。開業日から同年3月31日までの計15日間を集計したデータ。
駅周辺
[編集]- 富山県道131号高岡やぶなみ停車場線
- 和田保育園
- 高岡市立木津小学校
- 高岡市立南条小学校
- 高岡市立南星中学校
- 高岡若富郵便局
- 荊波神社[注釈 5]
- マンボウ(MANBOW)高岡店
- 文苑堂TSUTAYA福田本店
- サンコー木津南星店
- ドン・キホーテ 高岡店
隣の駅
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ この区間には2022年(令和4年)3月12日に新富山口駅が開業した。
- ^ 石動駅 - 福岡駅間、小杉駅 - 呉羽駅間、呉羽駅 - 富山駅間、水橋駅 - 滑川駅間、魚津駅 - 黒部駅間
- ^ 他の2案は「かたかごの里」「越中高岡」であった。
- ^ なお、駅名の不採用案の「かたかごの里」も大伴家持の歌に由来する。「かたかご」とは高岡市の市花となっているカタクリのことで、「もののふの 八十乙女らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花」(万葉集 巻18)と詠まれている。
- ^ a b 「荊波の里」の所在地は『日本歴史地名大系第16巻 富山県の地名』によると砺波市池原の荊波神社附近が最も有力であるとされている(高瀬重雄編、同書942頁、2001年(平成13年)7月、平凡社)。荊波神社は、759年(天平宝字3年)11月4日作成の「礪波郡石粟村官施入田地図」によって『延喜式』にいう礪波郡の荊波(ウハラノ)神社に比定されており、同社社頭には家持の歌碑が建立されている(高瀬重雄編、上掲書942頁、2001年(平成13年)7月、平凡社)。一方、当駅近辺の高岡市和田にも同名の荊波神社が存在しているが、「明治の神社明細帳に至って荊波神社を唱え、「延喜式」神名帳に載る礪波郡の同名社を称するに至った」とされている(高瀬重雄編、上掲書745頁、2001年(平成13年)7月、平凡社)。
出典
[編集]- ^ a b c d “並行在来線新駅設置可能性調査の結果概要” (PDF). 平成24年度富山県並行在来線対策協議会. 富山県 (2012年5月21日). 2017年2月20日閲覧。
- ^ “並行在来線に対する市の取組み”. 高岡市. 2017年2月20日閲覧。
- ^ a b 『平成30年春ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)あいの風とやま鉄道、2017年12月15日。オリジナルの2017年12月15日時点におけるアーカイブ 。2017年12月15日閲覧。
- ^ “鉄道助成ガイドブック”. 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 (2016年). 2017年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月15日閲覧。
- ^ 跨線橋は自由通路 高岡・北陸線の新駅 - 2015年(平成27年)1月30日、北日本新聞社
- ^ 高岡市負担は3分の1 並行在来線新駅設置費 - 2012年(平成24年)2月29日、北日本新聞社
- ^ 高岡-西高岡で検討 並行在来線新駅 - 2011年(平成23年)9月23日、北日本新聞社
- ^ “並行在来線の新駅設置へ活発化 富山・小矢部に協議会”. 朝日新聞. オリジナルの2011年12月11日時点におけるアーカイブ。 2015年1月26日閲覧。
- ^ 高岡-西高岡など2カ所 並行在来線新駅、採算性で見通し - 2012年(平成24年)2月4日、北日本新聞社
- ^ 万葉テーマに活性化 高岡市予算案 - 2012年(平成24年)2月17日、北日本新聞社
- ^ 並行在来線、高岡-西高岡間新駅 和田・羽広地内に設置 - 2013年(平成25年)3月7日、北日本新聞社
- ^ 県がアクセス道整備 高岡・並行在来線新駅 - 2014年(平成26年)9月24日、北日本新聞社
- ^ 「高岡-西高岡間 新駅17年度開業へ」北日本新聞 2015年1月15日3面
- ^ 高岡-西高岡の新駅17年度開業へ あいの風とやま鉄道 - 2015年(平成27年)1月15日、北日本新聞社
- ^ “あいの風とやま鉄道地域公共交通網形成計画(高岡市)”. 高岡市 (2015年3月). 2017年2月20日閲覧。
- ^ 「県民の足」新たな船出 あいの風鉄道も開業 - 2015年(平成27年)3月15日、北日本新聞
- ^ 陸橋を自由通路に あいの風鉄道新駅イメージ図公開 - 2015年(平成27年)7月30日、北日本新聞社
- ^ a b “あいの風とやま鉄道の高岡新駅が着工 2018年春開業”. レスポンス (2016年12月25日). 2016年12月30日閲覧。
- ^ 一番人気「高岡やぶなみ」 あいの風鉄道新駅名 - 2016年(平成28年)12月27日、北日本新聞社
- ^ a b 山本拓海 (2016年12月26日). “あいの風新駅 工事安全祈願 高岡・羽広”. 中日新聞. 2016年12月30日閲覧。
- ^ 期待込め新駅着工 高岡-西高岡駅間 - 2016年(平成28年)12月25日、北日本新聞社
- ^ a b c d e 『あいの風とやま鉄道 高岡駅・西高岡駅間新駅の概要』(PDF)(プレスリリース)あいの風とやま鉄道、2017年2月15日。オリジナルの2019年5月27日時点におけるアーカイブ 。2020年5月25日閲覧。
- ^ a b 江向彩也夏 (2017年2月16日). “富山)新駅名「高岡やぶなみ」 あいの風鉄道、来年開業”. 朝日新聞 2017年2月20日閲覧。
- ^ 新駅名は「高岡やぶなみ」 あいの風鉄道 - 2017年(平成29年)2月15日、北日本新聞社
- ^ a b “あいの風とやま鉄道(株) 1日当たり駅別乗車人員と輸送人員(2020年4月〜2021年3月)” (PDF). あいの風とやま鉄道. 2021年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月17日閲覧。
- ^ 統計年鑑 - 富山県
- ^ “2018年度 あいの風とやま鉄道 利用状況等” (PDF). あいの風とやま鉄道 (2019年6月14日). 2020年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月31日閲覧。
- ^ “2019年度 あいの風とやま鉄道 利用状況等” (PDF). あいの風とやま鉄道. p. 3. 2020年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月12日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 高岡やぶなみ駅 - あいの風とやま鉄道