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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
山海経』より「顒」

(ぎょう、ぐ)は、中国に伝わるフクロウに似た、四つ目で耳のある人面鳥。その目撃は旱魃の予兆とされる。

読み

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ぎょう」と記す学者もいるが[3]、顒は「グ」(「ゴ」)と読むと日本の字引にみえる[注 1][4]

また原文注釈で「顒」の音には「娛」が当てられている(郭璞注)[5]

現代中国読みは「ユウ」[6][7]拼音: [8];ウェード式: [9])である。

概要

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古代中国の地理書「山海経」の南山経によると、令丘(れいきゅう)山という火炎の多く草木が育たない山[注 2]の南にある中谷(ちゅうこく)と呼ばれる谷に住んでいるという[5][10][6]

(ふくろう)に似た姿だが、顔は人間のようで、耳と四つの目を持っている。「顒」という名称は、その鳴き声から来ている[5][10]

日照りの凶兆

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この怪鳥が現れた土地は旱魃に見舞われる[5][10][6]。ある研究によれば人災・瑞兆を含む山海経の兆候禽獣は51種おり[11]、鳥は16種[12]、旱魃の前触れとされるものが13種[13]、旱魃を予兆する鳥が4種いる[注 3][14]

注釈

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  1. ^ 「ヨツメノトリ」「ヒデリノトリ」と訓じている。
  2. ^ 火井(天然の石油・天然ガス井)や活火山なため火災が絶えないのではないかと吳任臣(『廣注』)は仮説している[5]
  3. ^ うち旱魃の予兆である「設」も人面鳥である。

出典

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脚注
  1. ^ 韓京子陸薇薇[訳]「韓国・日本における人面獣の展開―平昌オリンピックに登場した人面鳥を手がかりに国独自の文化像を考える―」『妖怪:もう一つの日本の文化コード [シンポジウム]』、漢陽大日本学国際比較研究所・国際日本文化研究センター主催、22–23頁、2018-08-25 。オリジナルの2020年4月17日時点におけるアーカイブhttps://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:RQ85ul2jgYoJ:gcjs.hanyang.ac.kr/NFUpload/nfupload_down.php%3Ftmp_name%3D20200417164116.1960.6.0%26name%3D2018_8%25EC%259B%2594_%25EA%25B3%25B5%25EB%258F%2599%25ED%2595%2599%25EC%2588%25A0%25EC%258B%25AC%25ED%258F%25AC%25EC%25A7%2580%25EC%259B%2580_%25EC%259E%2590%25EB%25A3%258C%25EC%25A7%2591.pdf&cd=15&hl=ja&ct=clnk&gl=us 
  2. ^ 中野美代子難読字カタログ--中国神怪命名考, 1997-04」『言語』第26巻、第4号、50頁、1997年https://books.google.com/books?&id=_0mFAAAAIAAJ&q=四目 
  3. ^ 韓京子 (2018)[1]、同論文では中野美代子(1983)『中国の妖怪』岩波書店、を引いている。参照:中野(1997)論文[2]
  4. ^ 高井蘭山三音四声字貫』《亥巻 鳥部 九画》市川清流 校訂、博文館、1901年、72頁https://books.google.com/books?id=6x8uAAAAYAAJ&pg=PP2030 
  5. ^ a b c d e 吳任臣 (1782), “卷01 南次二經” (中国語), 山海經廣注 (四庫全書本), ウィキソースより閲覧。 
  6. ^ a b c Strassberg, Richard E., ed (2018). “30. Yu-bird (yu)”. A Chinese Bestiary: Strange Creatures from the Guideways Through Mountains and Seas. University of California Press. p. 89. ISBN 978-0-52029-851-4. https://archive.org/details/AChineseBestiary/page/n111/mode/2up 
  7. ^ Sun Jiankun, ed (2021). “Introduction”. Fantastic Creatures of the Mountains and Seas: A Chinese Classic. Chen Siyu. Simon and Schuster. ISBN 9781951627645. https://books.google.com/books?id=5vvtDwAAQBAJ&pg=PT16 
  8. ^ @ Chinese Text Project
  9. ^ Schiffeler, John William (1977). The Legendary Creatures of the Shan Hai Ching. 1–2. Orient Cultural Service. p. 80. https://books.google.com/books?id=NqzfAAAAMAAJ&q=owl 
  10. ^ a b c 『山海経 中国古代の神話世界』高馬三良 訳〈平凡社ライブラリー〉、25頁。ISBN 4582760341  ISBN 978-4582760347
  11. ^ 劉 (2021), pp. 136–138.
  12. ^ 劉 (2021), p. 138.
  13. ^ 劉 & 陸 (2021), p. 139.
  14. ^ 劉 (2021), p. 139.
参照文献