小鉤
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小鉤(こはぜ)
ここでは、1. について説明する。
小鉤(こはぜ、英: clasp[2])は、布に縫い付けられた爪型の小さな留め具。国字で鞐とも表記される[3]。
足袋(地下足袋を含む)、手甲、脚絆などの衣服類においては、着用時に、もう一方の布にある掛け糸(受け糸)に引っ掛けて、固定する。その他、袋類や書物の帙にも用いられる。
歴史
[編集]起源は中国の留め具で、象牙やクジラのひげ、魚の骨などを財布などの留め具に使用していたものである[1]。
これが足袋の留め具に応用されるようになったのは江戸時代(元禄)頃といわれ、鶴・水牛・鹿の骨や角が多く用いられたという[1][4]。当時の財布の留め金をヒントに、まず小鉤脚絆(江戸脚絆)[5]が開発された。その後、足袋にも応用された。明治頃までの小鉤の素材は金や象牙、鯨の骨などが主流だったが、現在ではほぼ真鍮などの金属製になった[6]。
当初は、小鉤を装置する部分の布をタツといったが、その後、タツはコウの一部となった[7]
幕末の幕府雇員の服装や、明治4年に太政官布告によって制定された陸軍将校服に用いられたボタンの製作に携わったのは、錺師(かざりし)や足袋の小鉤製造から転じた者たちであったともいわれる[8]。
小鉤がブリキ製になったのは明治16年頃から、真鍮製になったのは明治20年から、という説がある[9]。
脚注
[編集]- ^ a b c 奥平志づ江、原ますみ「足袋について」『家政研究』第14巻、文教大学女子短期大学部家政科、1982年、9-12頁、NAID 120006420950。
- ^ こはぜ【小鉤】 - 和英辞書 - goo辞書(プログレッシブ英和中辞典)
- ^ こはぜ【小鉤/鞐】の意味 - goo辞書(デジタル大辞泉)
- ^ 「服装大百科事典」 文化服装学院出版局、p.343 鞐
- ^ こはぜきゃはん【小鉤脚絆】の意味 - goo辞書(デジタル大辞泉)
- ^ こはぜ - TABIの博物館
- ^ 日本民族学協会「足袋」『日本社會民俗辞典』誠文堂新光社〈第2巻(さ-ち)〉、1952年、899-900頁。ISBN 4820589253。 NCID BN01704004。全国書誌番号:20576333。
- ^ 学生服 - セルロイドサロン
- ^ 「日本民俗大辞典 下」 吉川弘文館、2000年、p.60 足袋