電子メディアの近代史
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「電子メディアの近代史」は、1996年10月発行の書籍。塚本芳和・和久井孝太郎・堀之内勝一監修。発行は株式会社ニューメディア。
概要
[編集]副題は「「井戸を掘った人々」の創造と挑戦の日々」。「日本の電子メディアはどのように創られてきたか」をテーマに、インタビューを元にその歴史をまとめたもの。出版の企画は1991年から始まり、当初は放送分野に限定し20名前後を予定していたが、その後、通信・コンピュータまでカバーすることになり、インタビューした相手は総勢80名となった[1]。
巻末の監修者略歴によれば出版時の役職は、塚本芳和が電通顧問、エレクトロニック・ライブラリー代表取締役社長、和久井孝太郎が電通顧問、堀之内勝一が電通能力開発センター主幹である[2]。監修者座談会によれば、インタビュアは技術者出身の和久井孝太郎で、堀之内勝一がすべてに立ち会うという形をとっていたそうである[3][4]。
なお冒頭の「はじめに」では、月刊『ニューメディア』発行人・天野昭、編集者・桐山佳代子、写真家・神取知華子に謝辞が述べられている[5]。
目次
[編集]第1章 放送・通信・コンピュータの歩み [塚本芳和]
[編集]- 日本の戦後はラジオから
- 高度経済成長期を背景に急成長したテレビ
- 衛星時代とメディアの多様化
- 通信の自由化とコンピュータ産業の発展
- グローバル化とマルチメディア化
- 現状と今後の行方
第2章 放送事業総論
[編集]- 網島毅:戦後電波行政のレールを敷いた男
- 塩野宏:放送法制度研究の第一人者
- 川口幹夫:ハイビジョンの名付け親
- 中川順:テレビ東京「中興の祖」
- 志賀信夫:日本に放送批評を確立
- 木暮剛平:「広告の鬼」吉田秀雄の愛弟子
第3章 放送経営
[編集]- 島桂次:NHKの報道を確立した男
- 北川信:民放生え抜きの大プロデューサー
- 磯崎洋三:民放の雄「TBS」の名編成マン
- 日枝久:テレビを楽しくした張本人
- 佐伯晋:朝日新聞系の電波メディアの先導師
- 齋藤守慶:関西が生んだ優れた民放経営者
- 髙橋一夫:民放ラジオ局を創った男
- 後藤亘:民放FMを開花させた男
- 徳田修造:日本初の衛星ペイテレビを創造した男
第4章 電波行政・技術開発
[編集]- 藤木栄:放送発展期の「電波監理局長」
- 石川晃夫:放送発展期の「電波監理局長」
- 野村達治:誇るべきNHKの放送技術者
- 高橋良:誇るべきNHKの放送技術者
- 吉田稔:誇るべき民放の放送技術者
- 河内山重高:ローカル民放局の独創的技術・経営者
- 澤崎憲一:「日本のVTR」を創った男
- 森園正彦:ソニーの放送機器を世界に広めた男
- 水野博之:「家電の松下」の技術リーダー
- 廣田昭:歴史的名機「VHS」を開発・普及
- 松本誠也:「音」と「映像」のフロンティア
- 林宏三:カラーテレビ向上に貢献
第5章 番組ソフト・広告
[編集]- 高橋圭三:アナウンサーの中のアナウンサー
- 黒柳徹子:テレビメディアの「不死鳥」
- 吉田直哉:「スペシャル番組」の開拓者
- 阿木翁助:ラジオ・テレビの大作家
- 澤田隆治:お笑い番組大国・ニッポンの魁
- 植村伴次郎:テレビ映画の開拓者
- 大橋雄吉:ミスター・ビデオレンタル
- 梅垣哲郎:電通の黄金期を築いた仕事師
- 大前正臣:日本のテレビ広告を創った男たち
- 尾張幸也:日本のテレビ広告を創った男たち
- 川端嘉幸:日本のテレビ広告を創った男たち
- 山川浩二:テレビCMのヒットメーカー
第6章 イベント/スポーツ
[編集]第7章 放送・広告年表 [堀之内勝一編]
[編集]第8章 通信・コンピュータ行政
[編集]- 赤澤璋一:航空機・コンピュータ産業育成に貢献
- 平松守彦:日本のコンピュータを育てた男
- 下河辺淳:国土計画のグランドデザイナー
- 曽山克巳:データ通信自由化を陣頭指揮
- 守住有信:「テレコム3局」をつくった男
- 江川晃正:電気通信事業の近代化を促進
第9章 通信・コンピュータ事業
[編集]- 真藤恒:電電公社最後の総裁・NTT初代社長
- 山口開生:日本のテレコム事業のトップリーダー
- 小林宏治:「C&C」構想を世界に広めた男
- 三田勝茂:「日立のコンピュータ事業」を確立
- 山本卓眞:日の丸コンピュータ産業の指揮官
- 椎名武雄:日本IBMを創った男
第10章 理論・技術
[編集]- 西澤潤一:「光通信」開発の父
- 猪瀬博:「情報技術」の思想家
- 菊池誠:日本のトランジスタ生みの親
- 大島信太郎:国際電気通信の泰斗
- 尾関雅則:「みどりの窓口」を成功させた男
- 唐津一:「モノづくり」の伝道師
- 白根禮吉:元祖ニューメディア
第11章 ニュービジネス
[編集]- 皆川廣宗:スーパーバードのリーダー
- 中山嘉英:JCSATのリーダー
- 稲盛和夫:京セラから第二電電へ
- 江副浩正:天才メディアプロデューサー
- 山内溥:「任天堂」を世界の「Nintendo」にした男
- 西和彦:ビル・ゲイツと競い合った男
- 北島義俊:印刷産業のトップリーダー
- 鈴木和夫:印刷産業のトップリーダー
- 大竹猛雄:元祖・日本のTSS
- 石黒公:日本型CATV事業の推進者たち
- 佐藤浩市:日本型CATV事業の推進者たち
- 中村安雄:日本型CATV事業の推進者たち
- 塚本芳和:日本型CATV事業の推進者たち
- 岡田智雄:パソコン通信ビジネスを確立
- 新山迪雄:新聞・雑誌の電子図書館を構築
- 松平恒:「明日のCATV」に賭けた男
- 坂尾彰:世界初のマルチメディアCATVを創造
- 佐野匡男:世界初双方向CATV実験者
- 神戸芳郎:専門多チャンネルTVの開拓者
第12章 21世紀へ向けて
[編集]- 成田豊:一人ひとりが何か一つの創造を成し遂げていける日本に
第13章 総合年表+解説 [和久井孝太郎編]
[編集]第14章 監修者座談会
[編集]- 塚本芳和・和久井孝太郎・堀之内勝一:ロマンに賭けた男たちの歴史