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大倉山ジャンプ競技場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
雪印シャンツェから転送)
大倉山ジャンプ競技場
Okurayama Ski Jump Stadium
大倉山ジャンプ競技場の位置(札幌市内)
大倉山ジャンプ競技場
施設情報
正式名称 札幌市大倉山ジャンプ競技場[1]
所在地
日本の旗 日本
自治体 {{{自治体}}}
所在地 札幌市中央区宮の森1274番地
位置 北緯43度03分4.77秒 東経141度17分24秒 / 北緯43.0513250度 東経141.29000度 / 43.0513250; 141.29000座標: 北緯43度03分4.77秒 東経141度17分24秒 / 北緯43.0513250度 東経141.29000度 / 43.0513250; 141.29000
起工 1931年
開場 1932年
改修 1952年1964年1970年1982年1986年1996年1998年
所有者 札幌市
管理者 札幌振興公社(指定管理者[2]
サイズ
K点 冬季123 m、夏期120 m
ヒルサイズ 冬季137 m、夏期134 m
ヒルレコード 男子 - 148.5 m ポーランドの旗 カミル・ストッフ
女子 - 145 m 日本の旗 伊藤有希
サマー男子 - 143.5 m - 日本の旗 小林陵侑栃本翔平
サマー女子 - 136.5 m 日本の旗 高梨沙羅
大会
オリンピック 1972年札幌オリンピック
世界選手権 2007年ノルディックスキー世界選手権札幌大会
ワールドカップ 2016/17 男子第21-22戦(LHx2)
冬のジャンプ台(2011年3月)

大倉山ジャンプ競技場(おおくらやまジャンプきょうぎじょう)は、札幌市中央区にあるスキージャンプ競技場(ラージヒル)。宮の森ジャンプ競技場とともにナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設になっている[3]

概要

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1923年三角山に建設された国内初の固定スキージャンプ台「シルバーシャンツェ」を皮切りに、以後三角山では4年間で3基のジャンプ台が建設され、ジャンプ競技の中心地として用いられたが、三角山のジャンプ台は30m級にとどまっており、世界の潮流から遅れた状況にあった[4]

1928年秩父宮雍仁親王が来道した際に、将来の冬季五輪開催を見据え、札幌に国際級の大型ジャンプ台を造る必要性を大野精七らに訴え[5][6]大倉喜七郎が私財を投じて建設計画を進めることとなった[4]1929年にはノルウェーからジャンプ台造りの第一人者であるオラフ・ヘルセット中尉らが来札し、当時は無名の山に60m級のジャンプ台を造ることを決めた[6]

1931年に大倉土木(現・大成建設)が4カ月間をかけ建設し、10月にジャンプ台は完成した[4]。建設費を賄い札幌市に寄贈した大倉喜七郎の厚意に報いて「大倉シャンツェ」と命名した(「シャンツェ」はドイツ語で「ジャンプ台」という意味)[7][8][6]。なお、無名の山に「大倉山」と名づけられると[9]、「大倉山シャンツェ」と呼ばれるようになった。

1957年雪印乳業が当時の80m級ジャンプ台の北側に隣接して60m級の台(P点60m、K点69m)を設置し、札幌市に寄贈した。「雪印シャンツェ」と呼ばれ、雪印杯全日本ジャンプ大会が1958年から1969年まで開催されたほか、国民体育大会も開催された。

その後、1972年札幌オリンピックの会場として大改造され、「大倉山ジャンプ競技場」となった。一方で「雪印シャンツェ」は廃止され、跡地は観客席となった。

サマージャンプやナイタージャンプが可能な設備を整えており、国内大会や国際大会を数多く開催している。ジャンプ台とその周辺は観光地になっており、標高307mの展望ラウンジからは札幌の市街地石狩平野石狩湾を一望することができるほか、ジャンプ台の下には札幌オリンピックミュージアム大倉山クリスタルハウスがある。公式キャラクターとしてエゾモモンガをモデルとした「くらやん」が誕生している[10]

宮の森ジャンプ競技場共々老朽化が進み、2024年現在は国際スキー連盟(FIS)の定める国際規格に適合しない問題を抱えている。そのため、ラージヒルを改修し国際規格に適合させると共に、観客席を縮小して旧雪印シャンツェ部分にノーマルヒルを増設しデュアル化する構想があり、2024年11月には札幌市が正式にデュアル化構想を推進する姿勢を表明した。併せて現在のリフトをゴンドラ化するなど、バリアフリー化も推し進めるとしている[11]

歴史

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施設

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  • 展望ラウンジ(スタートハウス)
  • ジャンプ台
    • アプローチ : 101 m
    • 助走路 : 94 m
    • 助走路最大斜度 : 35°
    • カンテ : 7 m
    • 高さ : 3.3 m
    • テイクオフ斜度 : 11°
    • 着地斜面(ランディングバーン) : 202.8 m
    • 着地斜面最大斜度 : 37°
    • (幅)カンテ下 : 10 m
    • K点(幅) : 10 m
    • P点=標準点 : 100 m
    • K点=建設基準点 : 冬季123 m 夏期120 m
    • ヒルサイズ : 冬季137 m 夏期134 m
    • ブレーキングトラック : 100 m
    • 標高差 : 133.6 m
    • 傾斜長 : 403.8 m
    • 全長 : 368.1 m
  • 審判塔
  • 2人乗りリフト
  • 運営本部
  • 札幌オリンピックミュージアム
  • 大倉山クリスタルハウス
  • 総合案内・チケット売場
  • エスカレーター

バッケンレコード

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「大倉山シャンツェ バッケンレコード」参照[20]
年月日 氏名 記録 大会名
60m級
1932 日本の旗 浜謙二 34.0 m
1932 日本の旗 山田四郎 44.5 m
1932 日本の旗 龍田峻次 47.0 m
1932 日本の旗 浜謙二 48.0 m
1932 日本の旗 小島謹也 49.5 m
1932 日本の旗 松山茂忠 51.5 m
1933 日本の旗 浅木武雄 56.0 m
1934 日本の旗 龍田峻次 61.5 m
1934年1月28日 日本の旗 伊黒正次 67.0 m 第3回大倉シャンツェ建設記念ジャンプ大会
1937年2月28日 日本の旗 星野昇 70.0 m 第8回宮様スキー大会
1938年1月9日 日本の旗 安達五郎 70.0 m 第7回大倉シャンツェ建設記念ジャンプ大会
1939年2月26日 日本の旗 浅木文雄 79.0 m 第10回宮様スキー大会
80m級
1952年2月25日 日本の旗 柴野宏明 84.0 m 第23回宮様スキー大会
1955年2月27日 日本の旗 吉沢広司 86.5 m 第33回全日本選手権
1956年3月11日 日本の旗 菊地定夫 87.0 m 第27回宮様スキー大会
1957年3月17日 日本の旗 佐藤憲治 90.0 m 第28回宮様スキー大会
1957年3月22日 日本の旗 菊地定夫 91.0 m オリンピック強化合宿記録会
1958年3月9日 日本の旗 佐藤耕一 92.0 m 第29回宮様スキー大会
1961年3月4日 日本の旗 松井孝 94.0 m 第3回HBC杯
1962年3月4日 日本の旗 菊地定夫 94.0 m 第33回宮様スキー大会
1963年2月22日 日本の旗 菊地定夫 102.0 m 第2回STV杯
1964年2月28日 日本の旗 菊地定夫 103.5 m 第3回STV杯
1969年3月7日 チェコスロバキアの旗 ヨセフ・マトウシュ 104.0 m 第11回HBC杯
K点110m
1971年1月7日 日本の旗 笠谷幸生 112.5 m 第12回NHK杯
1971年3月20日 日本の旗 金野昭次 114.5 m 全日本スキー連盟公式記録会
1974年1月13日 日本の旗 笠谷幸生 115.0 m 第13回STV杯
1977年1月16日 スイスの旗 ヴァルター・シュタイナー 115.5 m 第16回STV杯
1978年1月15日 ノルウェーの旗 ビョルン・ナース 118.0 m 札幌オリンピック記念国際スキージャンプ競技大会
1982年3月7日 日本の旗 八木弘和 119.0 m 第53回宮様スキー大会
1985年2月15日 日本の旗 秋元正博 122.5 m 第27回HBC杯
K点115m
1987年1月18日 日本の旗 嶋宏大 120.0 m 第26回STV杯
1987年1月25日 ユーゴスラビアの旗 プリモジュ・ウラガ 121.0 m ワールドカップ
1990年1月13日 日本の旗 安崎直幹 121.5 m 第17回HTB杯
1990年1月14日 フィンランドの旗 アンシ・ニエミネン 123.5 m 第29回STV杯
1992年1月11日 日本の旗 原田雅彦 123.5 m 第19回HTB杯
1992年3月7日 日本の旗 西方仁也 123.5 m 第34回HBC杯
1993年2月24日 日本の旗 須田健仁 124.5 m 第34回NHK杯
1994年1月23日 ドイツの旗 イェンス・バイスフロク 125.0 m ワールドカップ
1994年1月29日 日本の旗 葛西紀明 127.0 m 第21回HTB杯
1994年1月30日 日本の旗 葛西紀明 135.0 m 第35回NHK杯
K点120m、ヒルサイズ134m
1997年1月11日 日本の旗 原田雅彦 127.5 m 第24回HTB杯
1997年1月12日 日本の旗 吉岡和也 128.0 m 第36回STV杯
1997年1月19日 ドイツの旗 ディーター・トーマ 134.5 m ワールドカップ
1997年3月9日 オーストリアの旗 ファルコ・クリスマイヤー 138.0 m 第68回宮様スキー大会
1998年2月1日 日本の旗 原田雅彦 140.5 m 第9回TVh杯
2002年1月13日 日本の旗 原田雅彦 141.0 m 第41回STV杯
2005年3月25日 日本の旗 金子祐介 145.0 m 第6回伊藤杯ファイナル
2010年1月11日 日本の旗 葛西紀明 145.0 m 第52回HBC杯[21]
2012年1月21日 日本の旗 伊東大貴 146.0 m 第39回HTB杯
K点123m、ヒルサイズ137m
2016年3月19日 日本の旗 中村直幹 128.0 m 第17回伊藤杯ファイナル
2017年1月21日 オーストリアの旗 クレメンス・アイグナー 140.0 m 第44回HTB杯
2017年2月4日 日本の旗 栃本翔平 146.0 m 第29回UHB杯
2019年1月26日 ポーランドの旗 カミル・ストッフ 148.5 m ワールドカップ
女子
年月日 氏名 記録 備考
K点110m
1974年1月13日 ノルウェーの旗 アニタ・ウォルド 97.5 m 1974年STV杯公式記録会[22]
K点120m、ヒルサイズ134m
2004年1月31日 日本の旗 小浅星子 121.0 m 第16回UHB杯
2004年2月1日 日本の旗 山田いずみ 124.0 m 第15回TVh杯
2007年1月21日 日本の旗 山田いずみ 128.5 m 第19回UHB杯
2007年10月28日 日本の旗 葛西賀子 131.0 m 第1回伊藤杯サマーファイナル
2008年1月14日 日本の旗 山田いずみ 132.0 m 第50回HBC杯
2011年1月11日 日本の旗 高梨沙羅 141.0 m 第53回HBC杯[23]
K点123m、ヒルサイズ137m
2016年3月19日 日本の旗 伊藤有希 145.0 m 第17回伊藤杯ファイナル[24]

大会実績

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アクセス・駐車場

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脚注

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  1. ^ 札幌市ジャンプ競技場条例.
  2. ^ 指定管理者制度”. 札幌市. 2022年11月11日閲覧。
  3. ^ 札幌市ジャンプ競技場(大倉山、宮の森)”. 日本オリンピック委員会. 2022年11月11日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 「時を訪ねて 1931 大倉山ジャンプ競技場 札幌 宮さまの言葉きっかけに」『北海道新聞朝刊日曜Navi』2019年3月22日。
  5. ^ 冬のスポーツ, pp. 96–97.
  6. ^ a b c d e 歴史の散歩道.
  7. ^ 冬のスポーツ, pp. 51–52.
  8. ^ 冬のスポーツ, p. 101.
  9. ^ 札幌地名考, pp. 202–203.
  10. ^ 大倉山ジャンプ競技場公式キャラクターをデザインしました。』(プレスリリース)札幌市立大学、2015年6月17日。オリジナルの2016年11月24日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20161124091045/https://www.scu.ac.jp/news/pressrelease/7408/2016年11月15日閲覧 
  11. ^ 大倉山「デュアル化」、札幌市が正式表明 ゴンドラ新設、観光活用も - 北海道新聞・2024年11月28日
  12. ^ a b 第9回「1972年冬季五輪〈3大競技場〉」”. 北海道建設新聞社 - e-kensin - (2018年12月22日). 2022年2月16日閲覧。
  13. ^ a b c 会社沿革”. 札幌振興公社. 2022年11月11日閲覧。
  14. ^ 大倉山ジャンプ競技場、札幌ウィンタースポーツミュージアム” (PDF). 行政視察の受入れに向けた先進施策情報 教育・文化. 北海道. 2016年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月15日閲覧。
  15. ^ 大倉山ジャンプ競技場ほかクリーングシステム整備工事”. 工成舎. 2016年11月16日閲覧。
  16. ^ 冬季五輪の魅力に触れる 大倉山「ミュージアム」内覧会”. 北海道新聞 (2017年2月19日). 2017年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月17日閲覧。
  17. ^ 2018サマージャンプ大会日程・入場料・交通アクセス”. 札幌スキー連盟. 2019年3月1日閲覧。[リンク切れ]
  18. ^ 「大倉山ジャンプ競技場」がリニューアル! 内覧会レポート”. LIVING札幌 (2020年6月8日). 2020年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月17日閲覧。
  19. ^ 【スキー・ジャンプ】国内2例目の新計測システムが大倉山でお披露目”. スポーツ報知 (2020年9月13日). 2020年11月2日閲覧。
  20. ^ 施設ガイド”. 札幌大倉山展望台. 札幌振興公社. 2016年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月15日閲覧。
  21. ^ 第52回HBC杯ジャンプ大会男子リザルト” (PDF). 札幌スキー連盟. p. 16 (2010年). 2016年11月15日閲覧。
  22. ^ 北海道新聞』1975年1月14日、11面。
  23. ^ 第53回HBCカップジャンプ競技会リザルト” (PDF). 札幌スキー連盟. p. 1 (2011年). 2016年11月15日閲覧。
  24. ^ “女子は伊藤優勝、高梨欠場 伊藤杯ナイター”. スポニチAnnex (スポーツニッポン新聞社). (2016年3月19日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2016/03/19/kiji/K20160319012244720.html 2016年11月15日閲覧。 
  25. ^ 一般路線バス | 札幌市内”. ジェイ・アール北海道バス. 2020年4月5日閲覧。

参考資料

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関連項目

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外部リンク

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