随筆春秋賞
随筆春秋賞 (ずいひつしゅんじゅうしょう) | |
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随筆春秋賞 | |
受賞対象 | エッセイ |
会場 | 主婦会館:JR四ツ谷駅 (COVID-19以前) |
国 | 日本 |
主催 | 一般社団法人随筆春秋 |
初回 | 1995年 第1回 |
最新回 | 2024年 第30回 |
受賞者 |
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公式サイト | 同人誌 随筆春秋|ポータルサイト |
同人誌 随筆春秋チャンネル | |
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人物 | |
国籍 | 日本 |
YouTube | |
チャンネル | |
活動期間 | 2021年 ‐ |
ジャンル | 純文学、エッセイ |
随筆春秋賞(ずいひつしゅんじゅうしょう)は、日本の公募文学賞。ジャンルは、エッセイ。
エッセイを対象とした文学賞では、ほかに文芸思潮エッセイ賞[1][2]、小諸・藤村文学賞などがある。
エッセイは、日本では著名な作家や有名人の副業と見られる傾向があるが、本来は、俳句、和歌、現代詩、小説など並ぶ、文芸のひとつの分野である[注 1]。
概要
[編集]創立30周年を迎える随筆春秋[注 2][3]の公募[4]の文学賞[5]である。ジャンルは、エッセイ。
題材やテーマは自由で、年齢制限はない。規定枚数は、400字詰めで5枚程度。
優秀賞が1名、佳作が若干名、入選が20名程度選出される。
応募総数は、毎年400本を上回り、コロナ禍の2020年度は、1000本にせまる勢いだった。2022年度には低調だった前年をはるかに上回る、627本の応募があった[6]。
2023年度は、888本[7]であった。2024年度は、879本[8]。
入選以上の作品の一部は、定期発刊の同人誌 随筆春秋で読むことができる。
第1回優秀賞に太田幸昌、第16回優秀賞に手塚崇、第22回最優秀賞(当該年度限りの特別賞)に佐藤茂男、第25回優秀賞に福岡完など。
第8回優秀賞の近藤健は、経歴20年以上のサラリーマンエッセイストとして活躍中で、現在、随筆春秋の代表を務めている。
第11回佳作の濱本久子については、随筆春秋や土曜美術出版販売などから、エッセイ集や詩集が多数出版されている。
佐藤愛子奨励賞の新設
[編集]随筆春秋において、2020年から、佐藤愛子奨励賞が新設[9]された。直木賞作家佐藤愛子の名前を冠した文学賞で、本賞(随筆春秋賞)とは独立した賞である。
ただし、佐藤愛子奨励賞も随筆春秋賞応募作品から選出される。別途応募の必要はない。
佐藤愛子がこれはと思う作品、作品としては不完全だが期待を持てる作品などに与えられる。
したがって、本賞(随筆春秋賞)と重複しての受賞[9]や、本賞(随筆春秋賞)では選外の作品が受賞することもある。
佐藤愛子は随筆春秋の指導者を30年近く務めている。2023年には、第4回佐藤愛子奨励賞[10][11][12][13]が決定した。
随筆春秋賞の求める作品
[編集]人間を書くこと
[編集]- 自分、家族、友人、知人、誰でもよいが、テーマは人間で。
- 表面的なことや日時、数値よりも、内面重視で。
- 立派な面だけでなく、愚かさや儚さも、そのまま書く。
読者に伝える努力をする
[編集]- わかりやすい言葉で、可能な限り常用漢字を使用する。
- 比喩も用いて、読者が頭の中にくっきり映像を描けるように。
- 読者の琴線にふれることができれば成功。
自分が「私」として登場すること
[編集]- テーマとしては別の人が主人公でも、自分と関わった部分を書くこと。
- 「私」以外の一人称を使う場合は、読者が感情移入できるか注意すること。
- 自分がほとんど登場しない作品は、訴える力が弱いと考えること。
選考委員
[編集]2023年現在
[編集]- 佐藤愛子(直木賞作家/ 代表作『戦いすんで日が暮れて』『血脈』『晩鐘』)
- 竹山洋(脚本家・小説家/ 代表作 NHK大河ドラマ『秀吉』『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』)
- 中山庸子(エッセイスト/ イラストレイター)
- 近藤健(会社員・エッセイスト/ 同人誌随筆春秋 代表)
- 池田元(一般社団法人随筆春秋 代表理事)
過去の選考委員
[編集]- 堀川とんこう(演出家・プロデューサー・映画監督/ 代表作 TBSドラマ『岸辺のアルバム』)
- 布施博一(脚本家/ 代表作『熱中時代』『たけしくん、ハイ!』『純ちゃんの応援歌』『天までとどけ』)
- 早坂暁[14](脚本家・小説家/ 代表作『天下御免』『夢千代日記』『花へんろ』『ダウンタウン・ヒーローズ』)
- 斎藤信也(元朝日新聞記者で同人誌 随筆春秋の元主宰者[15]。東京大学卒)
- 北杜夫[16](小説・エッセイスト・精神科医/ 代表作『どくとるマンボウ航海記』『楡家の人びと』)
- 金田一春彦[17](日本の言語学者・国語学者)
(※太字は、存命人物)
主な関係者一覧
[編集]- 堀川とし(実業家、随筆春秋創設者)[18]
- 堀川とんこう(演出家、プロデューサー)[18]
- 高木凛(脚本家)[18]
- 斎藤信也(元朝日新聞記者、元随筆春秋代表)[18]
- 斎藤智子(元朝日新聞記者、皇室担当)[18]
- 佐藤愛子(直木賞作家)[18]
- 遠藤周作(芥川賞作家)[18]
- 金田一春彦(言語学者、国語学者)[18]
- 早坂暁(脚本家)[18]
- 北杜夫(芥川賞作家)[18]
- 布勢博一(脚本家)[18]
- 竹山洋(脚本家)[18]
- 中山庸子(エッセイスト、イラストレイター)[18]
事務局
[編集](太字|存命人物)
ギャラリー|現在の主な選考委員
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 随筆春秋の指導者である直木賞作家佐藤愛子は、小説とエッセイは文学的な価値は同じであると述べている。以下HP参照のこと。 「池田元のエッセイ―佐藤愛子先生の指導あり」 https://hajimeikeda.amebaownd.com/pages/6647685/blog 2024年現在、大学受験に出題されるエッセイは、ある予備校講師によると、物語的エッセイと説明的エッセイの2つに大別されるという。随筆春秋のそれは主に前者である。
- ^ 「随筆春秋」とは、「随筆」つまりエッセイを、「春秋」つまり春夏秋冬、ようするに1年中、引いては、傍らに置いて、一生、愛し続ける、というのが、言葉の本来的な意味合いである。「春」と「秋」の年2回、同人誌を発刊するから「随筆春秋」という、というのは俗説である。
出典
[編集]- ^ “文芸思潮ウェブサイト”. アジア文化社. 2021年8月26日閲覧。
- ^ “文芸思潮エッセイ賞”. アジア文化社. 2021年8月26日閲覧。
- ^ “同人誌 随筆春秋(一般社団法人)”. 同人誌 随筆春秋(一般社団法人). 2021年7月24日閲覧。
- ^ 公募ガイド社の公式HP内の https://www.koubo.co.jp/contest/literature/essay/107730.html に随筆春秋賞(公募)の情報が記されている。
- ^ 公募ガイド社の公式HPの https://www.koubo.co.jp/contest/literature/essay/107730.html に、随筆春秋賞が文学賞として公募を行っていることが記されている。
- ^ https://zuishun.net/literaryaward28closed/ 左記は、随筆春秋公式HPからリンクが張られた、第28回 随筆春秋賞の募集終了の知らせである。ここに、2022年度は600作品以上の応募があった旨、記述されている。2022/09/18確認。
- ^ https://zuishun.net/literaryaward29closed/ 第29回 随筆春秋賞|第4回 佐藤愛子奨励賞の募集は終了しました。
- ^ “第30回 随筆春秋賞 入選者発表”. 一般社団法人 随筆春秋 事務局. 2024年12月19日閲覧。
- ^ a b https://www.amazon.co.jp/dp/B093TDBPHF/ 左記、Amazon販売サイトに、随筆春秋第55号が掲載されている。表紙には、第1回 佐藤愛子奨励賞発表の文字が印刷されている。その21ページ以降には、鎌田優子「孤独と愛」が、第26回 随筆春秋賞 佳作と、当時受賞した経緯などが綴られている。佐藤愛子本人の筆による文章である。
- ^ https://www.amazon.co.jp/dp/B09ZH94V58/ 左記、Amazon販売サイトに、随筆春秋第57号が掲載されている。表紙には、第2回 佐藤愛子奨励賞発表の文字が印刷されている。その32ページ以降には、白川妙子「ウィーン国際空港味噌事件」が、第2回 佐藤愛子奨励賞を取った経緯などが綴られている。佐藤愛子本人の筆による文章である。
- ^ “第27回随筆春秋賞発表、第2回佐藤愛子奨励賞発表”. 一般社団法人随筆春秋. 2022年5月8日閲覧。 “佐藤愛子奨励賞 ウィーン国際空港味噌事件 白川妙子”
- ^ https://zuishun.net/zuisyun-2022-winners-ver2/ 第3回佐藤愛子奨励賞の受賞者が発表されている。
- ^ https://zuishun.net/zuisyun-2023-winners/ 左は、第29回随筆春秋賞、第4回佐藤愛子奨励賞の公式発表Webページ。
- ^ 同人誌 随筆春秋の公式ページ https://zuishun.themedia.jp/の ◆沿革◆の部分に、この早坂暁の名前が記されている。
- ^ “随筆春秋の沿革”. 一般社団法人随筆春秋. 2022年5月7日閲覧。 “1993年 - 斎藤信也(元朝日新聞記者、朝日カルチャーセンター講師、東京大学卒)を代表に迎える。”
- ^ 同人誌 随筆春秋の公式HP https://zuishun.themedia.jp/ の◆沿革◆の部分に、この北杜夫の名前が記されている。
- ^ 同人誌 随筆春秋の公式HP https://zuishun.themedia.jp/ の◆沿革◆の部分に、この金田一春彦の名前が記されている。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p https://zuishun-episode.amebaownd.com/posts/23057733 左記は、「随筆春秋資料室」内の「随筆春秋とは」というウェブページ。ここに当該人物の随筆春秋との関わりについて記述がある。