陣屋町駅
陣屋町駅 | |
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駅舎(2009年9月) | |
じんやまち Jinyamachi | |
◄崎守 (2.4 km) (3.0 km) 本輪西► | |
所在地 | 北海道室蘭市陣屋町2丁目1番地 |
所属事業者 | 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所属路線 | 室蘭本線 |
キロ程 | 69.7 km(長万部起点) |
電報略号 | マチ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | なし |
開業年月日 | 1944年(昭和19年)10月1日[1] |
備考 | 貨物専用駅 |
陣屋町駅(じんやまちえき)は、北海道室蘭市陣屋町2丁目にある日本貨物鉄道(JR貨物)室蘭本線の貨物駅である。事務管理コードは▲130311[2]。本項目では当駅から分岐した側線の先にあり、当駅構内扱いとなるJR貨物の施設、陣屋町臨港駅(じんやまちりんこうえき)についても述べる。
歴史
[編集]信号場として開業後、旅客も扱う駅として営業していたが、1970年(昭和45年)に、室蘭市が進めていた陣屋工業用地崎守埠頭の造成、港湾整備計画に応じた鉄道輸送体系の整備のため、市の要請により当駅の側線として新設される室蘭外港臨港線(以下、臨港線)の設置にプラットホームが支障することや、港湾整備に伴う海水浴場の廃止、バス便の増発に伴う利用客の転移・減少を受けて、貨物駅に転換された[3]。しかし、2008年(平成20年)3月12日に最後に残っていた定期の貨物である日本製紙向けの木材チップ輸送がトラック輸送に転換され、同年3月15日のダイヤ改正により、貨物列車の設定が廃止された。現在は臨時の車扱貨物の取扱駅となっている。
年表
[編集]- 1944年(昭和19年)10月1日:国有鉄道室蘭本線の陣屋町信号場として開業[1]。
- 1950年(昭和25年)12月1日:旅客の取扱いを開始[1]。
- 1953年(昭和28年)7月15日:駅に昇格、陣屋町駅開業[1]。一般駅[1]。
- 1969年(昭和44年)11月:同月末に国鉄札幌鉄道管理局が室蘭市港湾部に、当駅から分岐する臨港線の敷設計画を内示[3]。
- 1970年(昭和45年)
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化によりJR貨物の駅となる[1]。
- 2008年(平成20年)3月12日:この日限りで木材チップの発送を終了。同年3月15日のダイヤ改正により、貨物列車の設定がなくなる。
- 2012年(平成24年)2月3日:ミャンマーへ譲渡されるレール輸送車及びタンク車の船積みのため、4年ぶりに専用鉄道が利用され、以降廃車車両や譲渡車両の搬出に利用されている。
駅構造
[編集]地上駅。本線から臨港線が分岐する基部と、その1.5kmある側線の終端の通称「陣屋町臨港駅」からなる。側線の一部は室蘭本線の旧線を転用したものである。基部には、駅舎のほか上下本線を跨ぐ片渡り線と、本線・側線の分岐点がある。尚、貨物線0番線は現在使用停止となっており、室蘭本線上下本線である、1,2番線のみの供用となっている。
陣屋町臨港駅部分
[編集]陣屋町臨港駅(じんやまちりんこうえき)は、室蘭市崎守町(北緯42度22分3.6秒 東経140度55分48.3秒 / 北緯42.367667度 東経140.930083度)にあるJR貨物の施設である。陣屋町駅から分岐する1.5kmの側線の終端にある。独立した駅舎があり「陣屋町臨港駅」の名称も掲げられているが、正式には陣屋町駅の構内の扱いである。
駅から西側へ留置線が数本、後述する専用線の山手線に沿って設置されている。
駅西側には、第三セクターの室蘭開発(株)が室蘭市から運営を委託されている崎守埠頭公共臨港線 山手線(835 m)と海手線(1,565 m)の2本の専用線が分岐している[4]。
山手線には木材チップ(パルプ・紙の原料)を無蓋車に積み込む設備があり、列車設定時は室蘭港で陸揚げされる日本製紙白老工場(萩野駅隣接)向けの木材チップの荷役作業が行われていたが、2008年3月以降はトレーラによる輸送となっている。末期まで設定されていた貨物列車は専用貨物列車で、萩野駅との間に1日1往復運行されていた。かつては国鉄トラ90000形貨車が使用されていたが、後に専用に改造されたワム480000形有蓋貨車に置き換えられた。
海手線には、中国や韓国との外国貿易コンテナ定期航路用岸壁のコンテナヤードに隣接するコンテナホームがあるが、試験的に設置されたもので使用されていない。その先には臨港道路と交差する踏切があり、埠頭の先まで線路が伸びるが使用されていない。
かつては現・JX埠頭埋立地の西側(陣屋町臨港駅の東側)に市営の陣屋町工業団地があり、鉱物ばら貨物用岸壁のヤードや水面貯木場が設けられていて陣屋町臨港駅から公共臨港線が伸びていたが、日本石油精製室蘭製油所(現・ENEOS室蘭事業所)の生産拡大計画を受けた室蘭市がこの敷地を日本石油精製へ売却し、これらの施設や軌道は撤去された。
利用状況
[編集]旅客
[編集]貨物
[編集]- 2005年度の発送貨物は101,514トン、到着貨物は0トンであった。
鉄道車両の譲渡・解体場所としての活用
[編集]前述の通り、2008年3月12日に日本製紙向けの木材チップ輸送がトラック輸送に転換されて以降、貨物輸送には使用されていない状態が続いているが、近年、JR北海道で廃車となった車両の海外への譲渡や解体に使用されている。
- 2007年:北海道ちほく高原鉄道CR70形気動車のうち3両が専用線に運び込まれ、ミャンマーへ向けて譲渡されている[5]。
- 2012年(平成24年)
- 2015年(平成27年)
- 5月:「寝台特急・北斗星」の運行縮小により過剰となった24系客車と、札幌圏で置き換えが進められ引退した711系電車がJR貨物DF200形機関車により構内に引き入れられ、室蘭開発のスイッチャーが現地で入れ替えに当たったが、どちらも他社への譲渡の予定はなく解体前提での留置となった。
- 7月6日:5月から留置されていた711系電車の解体が着手された[8]。
- 9月14日:同じく5月から留置されていた24系客車19両の解体も始まり[9]、11月までに全車の解体が終了した。
- 11月:北斗星を牽引していたJR北海道DD51形機関車が数両のホッパー車と共に入線し、ミャンマーへ輸出される。
- 2016年(平成28年)
- 4月12日:前月のダイヤ改正をもって廃止された急行「はまなす」に使用された14系客車が札幌運転所から当駅構内に回送された。当面留置の後、解体予定となっている[10]。
- 7月5日:急行はまなすの運行終了により余剰となったJR北海道DD51形が8両、輸出のため当駅まで輸送された。陣屋町駅まではJR貨物DF200形の牽引により異例の8重連で構内に引き入れられ、駅構内では室蘭開発のスイッチャーが入れ替えに当たった。当面は構内に留置され、年内にもミャンマーへ輸出される予定であった[11]。
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陣屋町臨港駅構内に運び込まれた711系と24系(2015年7月)
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陣屋町臨港駅構内で解体される24系客車(2015年9月)
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陣屋町臨港駅構内に運び込まれた14系とDD51形(2016年7月)
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タイ王国に輸出のため、室蘭港崎守埠頭に運び込まれた183系(2020年9月)
駅周辺
[編集]- 国道37号
- 道央自動車道室蘭インターチェンジ
- 白鳥大橋
- ENEOS室蘭事業所
- 室蘭港崎守埠頭
- 南部藩モロラン陣屋跡(国指定史跡)
- 室蘭市民俗資料館
- 道南バス「陣屋」停留所
隣の駅
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f g 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、851頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、224頁。doi:10.11501/1873236 。2022年12月10日閲覧。
- ^ a b c d e f 室蘭市史編さん委員会 編『新室蘭市史』 3巻、室蘭市、1985年11月25日、159-160頁。doi:10.11501/9571534 。
- ^ “荷役施設の管理”. 室蘭開発. 2020年5月23日閲覧。
- ^ a b 「貨車など26両 ミャンマーへ」、読売新聞、2012年5月23日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “室蘭・崎守の貨物専用線、廃用貨車輸出に4年ぶり利用”. 室蘭民報 (室蘭民報社). (2012年2月4日). オリジナルの2014年10月14日時点におけるアーカイブ。 2012年4月10日閲覧。
- ^ “チ・チラ50000形が甲種輸送される”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2012年2月4日). 2012年4月10日閲覧。
- ^ “「赤電車」解体始まる 室蘭港・貨物専用線路で”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2016年4月13日). オリジナルの2016年4月13日時点におけるアーカイブ。 2015年7月7日閲覧。
- ^ 三上修 (2015年9月14日). “最後のブルトレ北斗星、解体始まる 小学生「寂しい」”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). オリジナルの2015年9月14日時点におけるアーカイブ。 2016年7月5日閲覧。
- ^ “長旅「はまなす」室蘭終着 保管後、解体予定”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2016年4月13日). オリジナルの2016年4月14日時点におけるアーカイブ。 2016年4月19日閲覧。
- ^ “DD51形、迫力の8重連 室蘭港に到着”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2016年7月5日). オリジナルの2016年7月5日時点におけるアーカイブ。 2016年7月7日閲覧。