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阪神3521形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
阪神3521形電車
基本情報
運用者 阪神電気鉄道
製造所 武庫川車両工業
製造年 1966年 - 1969年
製造数 12両
消滅 1989年
主要諸元
編成 1両編成
軌間 1,435 mm (標準軌
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
全長 18,880 mm
全幅 2,800 mm
台車 FS341
主電動機 TDK-818-A[1]
主電動機出力 60 kW × 4[1]
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 74:13 (5.69)
制御方式 抵抗制御
制御装置 ABFM-64-15-MA, MB[2][3]
制動装置 HSC電磁直通ブレーキ
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阪神3521形電車(はんしん3521がたでんしゃ)は、阪神電気鉄道1966年に導入した優等列車用の電車で、赤胴車と呼ばれる急行系車両の形式である。1960年代から1970年代初頭にかけての急行車の基本編成が5両編成であったため、7801・7901形をベースに奇数両数編成を組成可能な単独電動車として設計された[4]

車種構成

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1966年から1969年にかけて、12両が武庫川車両工業において製造された[5]。車両番号は3501形の追番であるが、発電ブレーキは搭載していない[6]。奇数車は大阪向き、偶数車は神戸向きである。

← 梅田
竣工
クモハ

Mc1

3521 1966年11月2日
3523 1966年12月1日
3525 1967年2月22日
3527 1969年3月13日
3529 1968年11月15日
3531 1969年4月30日
元町 →
竣工
クモハ

Mc2

3522 1967年4月13日
3524 1967年5月8日
3526 1967年6月7日
3528 1968年11月15日
3530 1968年11月15日
3532 1969年7月11日

車体・主要機器

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昇圧前の1966・1967年に製造された3521 - 3526の6両は、7801・7901形同様に雨樋が外部露出しており、パンタグラフも2基を搭載した[6]。昇圧後の1968・1969年に製造された3527 - 3532の6両は、7861・7961形の増備車と同様に雨樋が車体に埋め込まれ、車体断面も変更されている[6]。パンタグラフも新造時から運転台寄りの1基のみ搭載となった。

電動車のみのため、主電動機の出力は60kWと小さくなっている[6]。主電動機は1時間定格出力60kWの東洋電機製造製TDK-818-Aを4基装備し、主制御器は初期車の3521 - 3526がABFM-64-15-MAを、後期車の3527 - 3532がABFM-64-15-MBを搭載した[2][3]

改造工事

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昇圧改造

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1967年の昇圧に際し、3521形の初期車の昇圧改造が行われた。2基搭載していたパンタグラフは1基が撤去されたが[6]、7801形・7861形と異なり3521形では連結面側が撤去され、運転台寄りが残された。

冷房化改造

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1973年から1974年にかけて、冷房化改造が行われた[6]。パンタグラフは下枠交差式となり、連結面側に移設された。冷房電源は自車に搭載せず、7801・7901形の01 - 12のユニットに110kVAの大容量MGを搭載し、同ユニットとの3両固定編成を組むようになった[6]

3000系への改造

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1983年から1989年にかけて、3521形と7801・7901形の3両編成は制御装置が界磁チョッパ制御に改造され、3000系に改番された。これにより3521形は形式消滅した[6]

編成表

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1981年9月30日時点での編成[7]。全車とも7801・7901形との3両固定編成となっている。

← 梅田・西九条
元町 →
クモハ

Mc1

サハ

T1

クモハ

Mc2

7801 7901 3522
7803 7903 3524
7805 7905 3526
7807 7907 3528
7809 7909 3530
7811 7911 3532
クモハ

Mc1

サハ

T2

クモハ

Mc2

3521 7902 7802
3523 7904 7804
3525 7906 7806
3527 7908 7908
3529 7910 7910
3531 7912 7912

脚注

[編集]
  1. ^ a b 「阪神電気鉄道車両諸元表(消滅車形)」『鉄道ピクトリアル』1997年7月臨時増刊号、電気車研究会。210-211頁。
  2. ^ a b 飯島・小林・井上『私鉄の車両21 阪神電気鉄道』152-153頁。
  3. ^ a b 廣井・井上『日本の私鉄12 阪神』132-133頁。
  4. ^ 鉄道ピクトリアル編集部「阪神の初期高性能車」『鉄道ピクトリアル』2017年12月臨時増刊号、電気車研究会。161頁。
  5. ^ 飯島・小林・井上『私鉄の車両21 阪神電気鉄道』156-160頁
  6. ^ a b c d e f g h 阪神電車鉄道同好会「私鉄車両めぐり (157) 阪神電気鉄道」『鉄道ピクトリアル』1997年7月臨時増刊号、186頁。
  7. ^ 廣井・井上『日本の私鉄12 阪神』130頁。

参考文献

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  • 阪神電車鉄道同好会「私鉄車両めぐり (157) 阪神電気鉄道」『鉄道ピクトリアル』1997年7月臨時増刊号、電気車研究会。180-207頁。
  • 飯島巌・小林庄三・井上広和『復刻版 私鉄の車両21 阪神電気鉄道』ネコ・パブリッシング、2002年。
  • 廣井恂一・井上広和『日本の私鉄12 阪神』保育社カラーブックス)、1982年。