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長母寺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
長母寺

本堂
所在地 愛知県名古屋市東区矢田3-13-71
位置 北緯35度11分49.14秒 東経136度56分41.76秒 / 北緯35.1969833度 東経136.9449333度 / 35.1969833; 136.9449333座標: 北緯35度11分49.14秒 東経136度56分41.76秒 / 北緯35.1969833度 東経136.9449333度 / 35.1969833; 136.9449333
山号 霊鷲山
宗旨 臨済宗
宗派 東福寺派
本尊 阿弥陀如来
創建年 治承3年(1179年
開基 山田重忠
正式名 霊鷲山長母寺
札所等 尾張三十三観音28番
文化財 木造無住和尚坐像、無住道暁筆文書(重要文化財)
法人番号 8180005001431 ウィキデータを編集
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「大幸村絵図」[1]。明和の大洪水前の周辺地域。宝勝寺と長母寺は矢田川の北岸にあった。
「尾張名所図会(巻四)」。明和の洪水後の周辺地域。矢田川の決壊によって長母寺は矢田川の南岸に移った。

長母寺(ちょうぼじ)は、愛知県名古屋市東区矢田3-13-71にある臨済宗東福寺派寺院。山号は霊鷲山。本尊は阿弥陀如来尾張萬歳の発祥地として知られる[2]

歴史

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中世

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かつてこの地は尾張国山田郡だった。治承3年(1179年)にこの地の領主であった山田重忠山田氏)の開基により創建された。当初は天台宗に属しており亀鐘山桃尾寺と号した。

弘長3年(1263年)に無住一円が入寺して以降禅宗寺院となり、山号・寺号が現在の霊鷲山長母寺に改められ、一時末寺93ヶ寺を数えるほど隆盛した。また、無住はこの寺で『沙石集』のほか『正應年中萬歳楽』を著し、これが尾張萬歳の起源となったとされる[3]

中世には代々武家の帰依を得て北条氏足利氏織田氏などから寺領を寄進され、文禄年間(1593年 - 1596年)の太閤検地によって寺領が没収され一時衰退した時期もある。

近世

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江戸時代前期の天和2年(1682年)、尾張藩二代目藩主徳川光友の命により、禅僧・雪渓恵恭が再興している。

明和の大洪水

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かつて、矢田川橋から菅田あたりは一面大きな池となっていた。矢田川は長母寺の南を流れていたため、長母寺と宝勝寺(現:守山区)とは地続きであった。明和4年(1767年)7月、大雨(明和の大洪水)による矢田川決壊に伴い、矢田川が長母寺と宝勝寺の間を押し破り、流路が変わったことで守山から切り離された。

近代

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なお、長母寺付近を流れる矢田川は、1868年(明治元年)、1896年(明治29年)、1903年(明治36年)、1911年(明治44年)、1925年(大正14年)と、明治以降になっても度々洪水を起こしている。1891年(明治24年)10月28日の濃尾地震によって本堂が倒壊したが、1894年(明治27年)に方丈形式で本堂が再建された[2]。絵師の蓑虫山人は晩年を長母寺で過ごし、墓所も長母寺にある。

現代

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1999年(平成11年)11月18日には本堂、山門、庫裏が登録有形文化財に登録された。

文化財

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山門
庫裏

重要文化財

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  • 木造無住和尚坐像[4]
  • 無住道暁筆文書[4]
    • 六祖偈
    • 置文(嘉元三年三月七日)
    • 夢想記 

登録有形文化財

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  • 本堂 - 1894年(明治27年)竣工[5][2]。木造平屋建、瓦葺[2]
  • 山門[6]。木造、瓦葺[7]。三間一戸の薬医門である[7]
  • 庫裏[8]。切妻造、妻入、桟瓦葺[9]。桁行9間、梁間5間[9]

交通

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脚注

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  1. ^ 『郷土鳥羽見』名古屋市立鳥羽見小学校、1979年
  2. ^ a b c d 長母寺本堂”. 文化遺産オンライン. 2024年9月28日閲覧。
  3. ^ 元守山村・長母寺 名古屋市守山区ちょっと歴史散歩
  4. ^ a b 国指定文化財”. 名古屋市. 2016年7月17日閲覧。
  5. ^ 長母寺本堂”. 国指定文化財等データベース(文化庁). 2016年7月17日閲覧。
  6. ^ 長母寺山門”. 国指定文化財等データベース(文化庁). 2016年7月17日閲覧。
  7. ^ a b 長母寺山門”. 文化遺産オンライン. 2024年9月28日閲覧。
  8. ^ 長母寺庫裡”. 国指定文化財等データベース(文化庁). 2016年7月17日閲覧。
  9. ^ a b 長母寺庫裏”. 文化遺産オンライン. 2024年9月28日閲覧。

参考文献

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  • 「長母寺」『尾張名所図会 第四巻』、1844年
  • 『守山区誌』守山区制50周年記念事業実行委員会、2013年
  • 『郷土鳥羽見』名古屋市立鳥羽見小学校、1979年

外部リンク

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